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決算発表のシーズンとなり、株式上場企業から事業活動の結果や先行きの見通しをまとめた決算報告書が続々と発表されています。
その内容次第で株価が大きく変動することもあるため、投資家はもちろん、企業にとっても決算発表シーズンというのは、気を抜けない時期といえそうです。
株式上場企業には、金融商品取引法第24条で、事業年度の四半期(3か月)ごとに決算報告書の提出が義務付けられています。報告書に記載されるのは事業活動の結果や先行きの見通し、さらに投資家にとって重要となる純利益や1株当たり利益(EPS)などをまとめたものです。
多くの日本の上場企業は3月決算です。3月、6月、9月、12月ごとに決算の締め日を迎え、決算発表時期は4月、7月、10月、1月となります。
SMBC日興証券が2021年4~12月期連結決算を発表した774社の最終(当期)利益の合計は、2019年同期比の32・0%増となりました。コロナ禍前の水準を上回り、東証1部上場企業の業績は回復傾向にあるという見通しを示しています。
また、トヨタ自動車は、2021年4~12月期連結決算(国際会計基準)での純利益が、前年同期比57.8%増の2兆3,162億円でした。4~12月期としては2017年以来、4年ぶりに過去最高を更新したと発表しています。
決算発表で世界中が注目したのは、世界的IT企業の「Google」「Amazon」「Facebook(現Meta)」「Apple」の決算発表の内容です。
GAFAと呼ばれるこの4社は、ビッグデータを保有しており、なおかつプラットフォームによって市場を独占しています。Google、Amazon、Appleの3社は最高益となりました。ところが、Meta(旧Facebook)は、広告収入の伸びが鈍化したことや事業投資が負担となり、10四半期ぶりの減益となっています。
Facebookは、社名を変更してまでネット上の仮想空間「メタバース」事業への参入を表明しました。しかし、3か月で33億ドルの営業赤字を計上するほか、主力のSNS利用者が3か月前から100万人も減少したことが、減益となった要因のようです。
一方、コロナ禍によるデジタルサービスの需要増を追い風にして売上高、最終(当期)利益とも過去最高を更新したのがAppleとGoogleです。
巨大物流企業のアマゾンは、コロナ禍によって物流網の混乱や人件費上昇など、物流コストが前年同期より20%も上昇して営業利益が半減するという逆風を受けました。しかし、新興電気自動車(EV)メーカーへの投資が奏功し、最終利益は過去最高を更新する結果となりました。
決算発表では明暗を分けることになりました。GAFAが世界中から注目を集める理由は、世界中でインフラとしての役割を担っているからです。
たとえばGoogleは検索エンジン、AmazonはECサイトです。Appleは2021年末時点での世界で利用されているApple製端末は18億台に達し、音楽配信サービスの有料会員は7億8,500万人と、それぞれが世界最大級のプラットフォームを持っています。
このプラットフォームから得られる顧客情報から、新しいビジネスやサービスを生み出せるため、GAFAはまさに“向かうところ敵なし” という存在になっているのです。
その一角が、ネット上の仮想空間「メタバース」事業に乗り出したことで10四半期ぶりの減益となりました。メタバースがこれからの成長分野となるかどうかの判断は、もう少し先になりそうです。
GAFAはデジタル時代の最先端を走り続けています。しかし、市場を独占していることが危険視され、規制の動きも広がっています。コロナによるパンデミックの後に、GAFA以上に社会に影響を及ぼすような企業が出てくるかもしれません。
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