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カーボンニュートラルの実現とエネルギーの安定供給確保には、エネルギー分野の取り組みが重要です。
実現するためには、政府、産業界、消費者などが総力を挙げて取り組むべき課題で、令和4年度税制改正の大綱にも、この点が盛り込まれています。
日本は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする“カーボンニュートラル”を目指しています。
この大きな目標を達成するためには、温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の取り組みが欠かせません。
電力部門には、再生可能エネルギーや水素・アンモニアを使った発電など、脱炭素技術を活用した国際的な競争力を高めることも求められています。
脱炭素への動きを加速させるため、電気供給業やガス供給業の収入金課税や法人事業税など、事業環境や競争状況の変化を踏まえた課税方式の見直しが検討されることになりそうです。
カーボンニュートラルの実現には、エネルギーの安定した供給体制の確保や、エネルギーコストの低減に向けた取り組みを進めなければなりませんが、日本のエネルギー需給構造が抱える課題の克服も重要となります。
資源のほぼすべてを輸入に頼る日本では、エネルギー・鉱物資源の安定供給を確保するとともに、国内外の持続的な鉱業活動や資源投資を促進していかなければ、カーボンニュートラルの実現も、エネルギー安定供給確保もできません。
そのため、海外投資等損失準備金制度の延長に加え、減耗控除制度の一部見直しを行った上での制度延長と、再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の特例措置の延長が盛り込まれました。
世界中で脱炭素化の動きが加速していますが、なかでも注目されているのが、環境に優しい電気や水素を燃料とするエコカーです。
エコカー製造には、自動車メーカーだけでなく、他業種からも参入する動きが広がっています。さらに自動運転などの技術革新も進み、自動車を取り巻く環境は、まさに大変革期を迎えているといえるでしょう。
しかしながら、製造コストの問題から、環境に優しいエコカーといっても庶民には手の届きにくい価格設定になっています。そこで、エコカー減税など自動車関係の課税についても、見直されることになりそうです。
ガソリン車と違って、排ガスゼロか限りなくゼロに近いエコカーの普及は、カーボンニュートラル実現への貢献度も高く、大きな期待が寄せられているだけに、エコカー減税は大いに歓迎したいところです。
経済のグローバル化によって浮上したのが、「国際課税原則」の抜け穴ともいえる問題です。つまり、その国に居住していない外国人や、恒久施設を持たない外国法人に対して、課税しないという共通のルールです。
このルールを利用した国際的な租税回避、いわゆるタックス・ヘイブンの問題が、「パナマ文書」の流出で世界的に大きな話題となったことは、記憶に新しいのではないでしょうか。法人税の引き下げや、そもそも課税をしない国も登場するなど、企業間の公平な競争条件が阻害されるといった状況になっています。
国際課税原則を見直し、国際合意に則った法制度の整備を進めると同時に、企業への過度な負担とならないように既存制度との関係などにも配慮しつつ、国・地方の法人課税制度を念頭に置いて検討することが盛り込まれています。
「税制改正」は、税金に関わる法律や制度を改めることですが、事業活動にも企業経営にも大きく影響するものです。ビジネスパーソンとしては、何がどのように変わり、それがどのように影響するのか見極める必要がありそうです。
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