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社外取締役はあなたの会社に設置されているでしょうか?
そもそも、社内取締役との違いを具体的に説明するのは難しいと感じている方も多いかもしれません。
そこで本記事では、社外取締役の概要から義務化される企業条件、要件、役割をはじめ、気になる報酬金額までを解説します。
社外取締役とは、会社とは利害関係のない「社外」から迎えられた取締役のことをいいます。「社内」出身の社内取締役とは異なる位置付けです。客観的な立場で、社内統制や経営の透明性の確保、経営戦略へのアドバイス、コーポレートガバナンス強化のために設置されています。
社外取締役として迎えられるのは、スカウトやヘッドハンティング、紹介などによるケースが多くみられるようです。また、客観的な経営視点が求められることから、属性としては経営経験者や弁護士、公認会計士/税理士、金融機関、学者などのバックグラウンドを持つ人物で占められています。
なお、2019年度に経済産業省が東証一部・二部上場企業の全社外取締役(延べ7,062人)を対象に実施したアンケート調査結果「社外取締役についての現状について*」によると、約7割は初めての就任であることがわかりました。
調査方法:郵送またはメール
調査期間:2019年1月25日~2020年1月31日
調査対象:東証一部・二部上場企業の全社外取締役(延べ7,062人)
2021年3月1日の改正会社法の施行により、上場企業には社外取締役を設置することが義務化されました。
遡ること6年前の2015年には、東京証券取引所内のルールとしてコーポレートガバナンスコードがすでに施行されていたこともあり、大半の上場企業はすでに社外取締役の選任を実施しています。
また、今後上場予定がある企業は、上場前に社外取締役を準備しておく必要があります。
その上で上場審査に臨めば、滞りなく手続きを進めることができます。
社外取締役の要件・義務は、会社法に定められています。
●要件:利害関係を有しない者
就任前の10年以内に、当該株式会社や子会社の業務執行取締役ではなかったことが要件です。会計参与または監査役も含まれます。また、透明性を確保するため就任予定の会社の親会社なども含め、配偶者や二親等内の親族は選任できません。
利益相反を回避するために、利害関係を有しない者を選任することが基本的な認識です。
●義務:損害を与えないこと
社外取締役は、就任した会社に損害を与えないよう、職務を遂行する義務が課せられています。万が一、法令違反を発見したにもかかわらず適切な対応をしなかったり、経営判断によって会社に損害を与えたりした場合、損害賠償責任を負わされる可能性も生じます。
「経営に関するアドバイス・指導」「コーポレートガバナンス強化」「株主と経営陣のつなぎ役」が社外取締役の主な役割です。具体的には、会社の取締役会への参加が挙げられます。
社外取締役を迎える企業としても、専門知識や知見を元に事業戦略などに対するアドバイスや指導に強い期待が寄せられています。また、社内経営陣に不正行為がないか、問題は発生していないかなど第三者の視点で経営陣を監督し、コーポレートガバナンスの強化に取り組むのも重要な役割・責任です。
さらに、会社と株主とのつなぎ役も期待されています。経営陣と株主からの意見を客観的立場から吸い上げ、双方に伝達する役割を担います。
先述の経済産業省が実施した調査によると、次のような結果が出ています。
●社外取締役の活動時間
取締役会の出席時間を除いた社外取締役の活動時間は、1カ月で10時間以下が64.3%、そのうち5時間以下が32.2%でした。社外取締役のバックグラウンドによっても、携わる時間は異なります。弁護士、公認会計士/税理士、金融機関では、1カ月で5時間以下との回答が一番多く得られました。一方で、経営経験者、学者、官公庁、コンサルティングでは、1カ月に10時間以下という回答が一番多くなっています。
企業サイドが社外取締役に期待するのは、企業経営の安定性であることが推測できます。
●社外取締役の報酬額
社外取締役の報酬相場は、年額600万~800万円未満のラインで、企業規模が大きいほど報酬額は高くなる傾向にあります。取締役会議長または指名委員会などの委員長を務める場合、さらに報酬額が高くなる傾向がみられ、約半数の報酬額は年額800万円~1,000万円未満という結果でした。社外取締役の8割は、現状の報酬額に対して概ね適当だと考えているようです。
社内取締役の対となる言葉として、社外取締役があります。上場企業には社外取締役を設置することが義務化されており、選出にあたり自社と利害関係を有しないことが要件です。社外から迎えられる立場のため、客観性をもった指導やアドバイスに強い期待を寄せられています。
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