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「終身雇用」「年功序列」が当たり前だった時代を経て、業種や職種のニーズが変化していく中、働き方について、個々の事情に応じた柔軟な考え方が認められるようになりました。その一つ、「休日」において、近年、「選択的週休3日制」を導入したり、検討したりする企業が増えつつあります。働き方の自由が叫ばれる時代に、自らのキャリアについて、考えてみませんか。
目次【本記事の内容】
「選択的週休3日制」とは、言葉どおり、1週間あたりの休日が3日ある働き方をいいます。現在のところ、企業規模や業種にかかわらず、厚生労働省による「選択的週休3日制」の義務化はされていません。
厚生労働省の調査では、「週3日以上」の週休制度を取り入れている企業数は、2020年時点で約8%となっています。リクルートやパナソニックのような大企業が導入しており、「働き方改革」の一つとして注目されています。
ちなみに、現在は、週休2日制が一般的で、厚生労働省「令和2年就労条件総合調査の概況」によると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は82.5%、「完全週休2日制」を採用している企業割合は44.4%となっています。
これを企業規模別にみると、従業員数が1000人以上では65.8%、300人~999人では55.2%、100人~299人では55.7%となり、100人以上の従業員がいる企業では、半分以上が週2回の休日で働いている結果になりました。
こういった現状の中、自社において、「選択的週休3日制」が、すぐに導入されるかはわかりませんが、自らに置き換えてみることで、キャリアビジョンを再認識するきっかけになりそうです。
2022年6月、内閣府は、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性を示す方針「経済財政運営と改革の基本方針2021」を発出しました。その内容において、「兼業・副業の解禁や短時間正社員の導入促進などの新しい働き方の実現」を挙げ、選択的週休3日制については「好事例の収集・提供等により、企業における導入を促し、普及を図る」と示しています。
また、基本方針の中で、週休3日制のメリットを「育児・介護・ボランティアでの活用、地方兼業での活用などが考えられる」としています。これまでは、社員教育や人材育成は、「年功序列」「終身雇用」といった雇用制度のもと、考えられてきました。現在、厚生労働省は、「キャリア」について、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものと説いています。また、「職業生涯」や「職務経歴」などとも訳されています。
キャリアという視点からも、今後、選択制週休3日制は、とくに若手従業員の資格習得やスキルアップとして有効利用でき、企業側は従業員の自律したキャリア開発を支える環境の一つとして整備できるかもしれません。
また、週休3日制を導入する企業が一般的になれば、結婚などの個人的なビジョンを包括した意味でのキャリアビジョンを描くうえで、給与や福利厚生などと同様に、働き方(週休)を検討項目にする人が増えてくることが想定されます。専門性を高める学びや子育てや介護などの家庭事情など、長期にわたりビジョンを描きたい人にとっては、週休3日制はワークライフバランスの一助になることが大いに期待できそうです。
週休3日制の利用条件や給与形態は、企業によってちがいますが、リクルートワークス研究所は、独自で、以下の四つのタイプに大別しています。「1日の労働時間を長くする圧縮労働型」「労働日数や週の労働時間、業務量を削減し、それに給与などを対応させる労働日数(時間)・報酬削減型」「労働日数や週の労働時間を削減するが報酬は維持させる労働日数(時間)削減・報酬維持型」「月または年単位の上限労働時間内で個人が閑散によって休日を決めるフレキシブル労働型」です。今後は、これら以外にも、企業独自のタイプが出てくるかもしれません。
厚生労働省「多様な働き方の実現応援サイト」では、多様な正社員制度の導入事例として、 140件が掲載されています。本記事では、一部をご紹介します。
味の素株式会社(製造業)
勤務日数・勤務時間を限定した正社員制度
会社りそな銀行(金融・保険業)
職務を限定した正社員制度
勤務地を限定した正社員制度
勤務日数・勤務時間を限定した正社員制度
正社員や短時間正社員への転換制度
株式会社ベネッセコーポレーション(教育・学習支援業)
勤務日数・勤務時間を限定した正社員制度
ぜひ、参考にしてみてください。
働き方を選ぶということは、自己管理が求められるともいえます。仕事への向かい方だけではなく、人生の在り方にも影響するかもしれません。メリットとデメリットを見極め、自分に合った働き方をアップデイトしていきましょう。
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