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連日のように報じられる値上げのニュースに、ため息をついているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。物価上昇に伴って賃金も上昇カーブを描いていくのであればいいのですが、どうやら賃金の伸び率は物価上昇に追いつきそうもなく、景気の腰折れリスクが一段と高まってきました。
総務省が発表した7月の全国消費者物価指数は総合指数(生鮮食品を除く)が102.2(2020年=100)となり、2014年12月以来の高水準となっています。
消費者物価指数は、国民の生活水準を示す指標のひとつであり、価格変動の大きい生鮮食品を除いた522品目の価格を集計したものを「生鮮食品を除く総合指数」として、消費者が購入するモノやサービスの価格の動きを把握するための統計指標です。
生鮮食品を除く522品目中376品目の価格が上昇し、毎日の生活に必要な食品が値上がりしています。加えて、電気代やガス代などの公共料金やガソリン価格も値上がりが続いていることは、生活をかなり圧迫していることは間違いないでしょう。
しかも、帝国データバンクの調査*によると、9月以降に値上げが予定されている食品は8,043品目、中でも10月は6,305品目の予定ということです。この秋に食品値上げラッシュのピークを迎えるという見通しを示していますから、何らかの生活防衛策を講じる必要もありそうです。
帝国データバンク「「食品主要 105 社」価格改定動向調査(8 月)」
物価の上昇に合わせて賃金も上がっていくのであれば、健全に経済も成長していることになります。しかし残念ながら、日本の賃金水準は物価上昇に追いついていないのが実態です。
「民間給与実態統計調査**」(国税庁)によると、2020年の日本人の平均給与は433万円で、男性正社員が532万円、女性正社員は293万円です。これを月収に換算すると男性の手取り額は約26~27万円です。
この手取り額で、この値上げラッシュに耐えられるのかといえば、やはり“厳しい”と言わざるをえないでしょう。しかも、世界の主要33か国の賃金上昇率を比較した「世界ランキング」で、日本の賃金上昇率は最下位となっています。
ではなぜ、日本では賃金水準が上がらないのでしょうか。多くのエコノミストやシンクタンクが指摘しているのは、非正規雇用者の増加や少子高齢化による生産人口の減少、労働組合の弱体化などです。
また、規制緩和の遅れが新規参入や事業拡大の芽を摘んでいること、さらに企業が内部留保をため込むことに走り、賃上げという社員に対しての利益分配意識が薄れているという指摘もあります。
いずれにしても、物価はどんどん上昇しているものの、残念ながらここ30年間の日本の賃金水準は横ばいのままということです。
つまり、賃金が上がることを待っていては、生活はますます苦しくなるばかりです。では、どうしたら良いのでしょうか。
まずは基本的なことですが、いくらの収入があり、いくらの支出があるのか全体を把握することです。収入を上回る支出があれば当然赤字となりますから、できるだけ支出を抑える工夫が必要になりそうです。
支出を抑えるカギとなるのが、毎月支払わなければならないスマホの通信費や光熱費、保険料などの固定費の見直しです。
一つ一つは微々たる節約にしかなりませんが、“塵も積もれば山となる”を実践することが、賃金がなかなか上がらない中では大切なのかもしれません。
また同じ会社で同じ仕事をしていても収入が上がらないなら、キャリアアップや副業などで収入を上げることも検討していくのが良いかもしれません。
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