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銀行のあり方が大きく変わる可能性、各地の銀行で広がる「昼休業」を検証する

公開日2022/11/04 更新日2023/01/19

現在地方銀行を中心に、昼休みの時間帯を「昼休業」として、1時間程度窓口業務を停止する動きが広がっています。顧客にとってはサービス低下にもなりかねない営業転換をなぜ行うのか、昼休業の背景と実態について解説します。

昼休業が始まったきっかけ

そもそものきっかけは、2016年9月に施行された「銀行法施行規則等の一部改正」でした。この改正により金融庁は銀行の営業時間に関する規制を緩和し、各銀行は原則午前9時から午後3時の営業時間中で、昼休みの導入や午前中のみの営業が可能になったのです。
またこの時に、当座預金に対する条件も撤廃され、手形や小切手の決済に必要な当座預金を取り扱っている銀行でも、営業時間の変更が認められるようになりました。金融庁の狙いは、利用者の減少が続く地方銀行の経営維持にあったようです。

昼休業の背景にあるものは?

実際に昼休業が広がり始めたのは2017年以降のことで、多くの地方銀行が正午前後の1時間を昼休業としたほか、平日1日を完全休業にする銀行もありました。また一部の都市銀行やメガバンクにも、同様の動きは広がっています。

この時期はすでに地方銀行の存続が危ぶまれており、多くの銀行が業績悪化に苦しむ中で、金融関係当局も地方での金融業務を維持するという必要性に迫られていました。人口減少と低金利政策により、地方銀行の体力は低下する一方だったのです。
さらに追い打ちをかけるように、2020年からは新型コロナウィルス問題により、社会全体で景気が低迷してしまい、銀行の業績にも大きな影響を与えました。

こうした状況下で、銀行では人件費を含めたコスト削減が必須となり、それが昼休業導入の一つの原因になったのかもしれません。

昼休業の現状と今後

現在昼休業を実施している銀行の間でも、その実施状況と今後の方針については対応が分かれています。関東圏の地方銀行の現状を見てみると、全店舗での昼休業導入に踏み切った銀行があるほか、ほぼ半数の店舗で実施している銀行などは、今後も現状維持を目指す方向のようです。
一方では、新型コロナウィルス問題の状況に合わせて、順次昼休業する店舗を減らしている銀行もあります。ただしその場合でも、Web取引などの拡大に力を入れて、店舗に足を運ばなくても済むような仕組みづくりを推進することになりそうです。

このような現状に加えて、社会における銀行のポジションも変化しており、近年は銀行窓口を訪れる客数も確実に減少傾向にあるようです。しかも企業や個人事業主の決済が電子化され、個人の支払いでもキャッシュレス化が進んでいるため、直接銀行窓口で現金をやりとりする機会は、今後ますます減少することになるでしょう。
とくに地方の銀行にとっては、窓口業務を運営するコストが、これから今まで以上に大きな負担になるはずです。その対策としてWebやスマートフォンで完結するシステムを拡充すると同時に、昼休業を継続するか、もしくは拡大する銀行が増加するかもしれません。

まとめ

キャッシュレス取引、インターネットバンキングなど、銀行に出向く必要のない仕組みは今や当たり前のことになっています。しかし一方では高齢化が進む地方のように、銀行の窓口業務が不可欠なケースもあります。

この状況を打開する戦略の1つが、銀行の昼休業なのでしょう。しかし顧客へのサービス低下を招くとしたら、銀行の存在意義そのものが問われることになります。ユーザーである我々も、今後の推移を注意深く見守る必要があるでしょう。

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