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電気・ガス代、日用品に加え、食品など、私たちの身の回りのものが相次いで値上げしています。
帝国データバンクの主要飲食料品メーカー105社を対象とした「価格改定計画調査」(2022年11月1日リリース)によると、11月の値上げは833品目でした。
来年は2,000品目を超える食品の値上げも予定されており、家計への負担がさらに増しそうです。
11月1日に発表された、帝国データバンクによる「価格改定計画調査(値上げ・実施済み含む)」によると、2022年の値上げは10月31日時点で累計2万743品目におよび、このうち11月には、833品目の食品が値上げしました。
約6,700品目の値上げとなった10 月ピークの約1割にとどまったものの、油やパン製品などが集中的に値上げした昨秋の約300品目と比べ、2倍超に達していることから、値上げラッシュといえる状況は続いているといえます。2023年の値上げも2,000品目を超えることがわかっており、帝国データバンクは2023年2~3月に値上げラッシュが再来する可能性が高いとしています。
11月に値上げとなった品目を食品分野別にみると、焼き肉のたれやだし製品などの「調味料」が338品目と最も多く、次いで牛乳やヨーグルト、乳幼児向け粉ミルク類などの「乳製品」の318品目、ジャム類や即席みそ汁、離乳食などの「加工食品」の128品目、キャンディ類やスナック類などの「菓子類」の35品目、ビール・発泡酒や炭酸飲料など「酒類・飲料」の7品目となっています。
価格改定率(各品目での最大値)は平均で14%となり、11月の値上げ率は平均より1pt増加の15%となりました。年内 11 カ月のなかでは9、10月の16%に次いで 3番目に高い値を示しています。
一連の値上げの背景には、異常気象による供給不足やコロナ禍からの回復で増えた需要増加を要因とする原材料価格の高騰があり、加えて2月に始まったロシアのウクライナ侵攻の長期化や6月以降に急激に進んだ円安による輸入コスト増加が拍車をかけています。
消費者の負担を考慮し、商品の内容量を減らして価格を据え置く企業がある一方で、材料調達先の見直しや製造工程の効率化など、企業努力だけでの収益改善は難しく、各メーカーが段階的にコストアップを行いながら、全面的な価格改定を余儀なくされているとみられます。特に、円安傾向は10月になってから価格に反映されはじめており、下半期から値上げに踏み切る企業が増えています。
<主な食品分野 価格改定の動向>
|
加工食品 |
調味料 |
酒類・飲料 |
菓子 |
乳製品 |
品目数 (年間) |
8,536 |
4,808 |
3,977 |
1,342 |
1,033 |
11月に値上げ |
128 |
338 |
7 |
35 |
318 |
値上げ率 年間平均 |
16% |
15% |
15% |
13% |
12% |
原因 |
水産品・食肉 物流・包装資材、円安 |
水産品・砂糖 物流・包装資材、円安 |
PETボトルなどの容器、価格の上昇、円安 |
ジャガイモ・砂糖・物流資材、円安 |
飼料価格上昇による生乳価格の引き上げ |
主な品目 |
ジャム類・ 即席みそ汁・離乳食など |
マヨネーズ・ドレッシング・だし製品、 |
甲類焼酎・チューハイ・ビール・発泡酒・炭酸飲料など |
キャンディ類・スナック類・せんべいなどの米菓類 |
乳飲料・牛乳・ヨーグルト・粉ミルク類 |
【出典】2022年の主な食品分野の価格改定動向(帝国データバンク調べ)
なかでも11月の値上げで注目されたのが、日常的に購入することも多いパック牛乳やヨーグルトなどの「乳製品」の値上げです。牛乳などの出荷価格は2.8~10.2%上昇し、店頭で190円台だった牛乳は、200円を超えるようになりました。
乳牛の餌となる輸入飼料が高騰し、原料である生乳価格が引き上げられたことや包装資材の上昇が要因となっています。
特に日持ちしないパック牛乳は、買いだめができず、購入頻度が高いため消費者への心理的な影響が大きいことが懸念されています。
また、削ることができない乳幼児向け粉ミルクも値上げしました。これにより、子育て世代にとっても大きな痛手になることが考えられます。
すでに年内で値上げが予定・計画された9割超が10月に実施され、値上げラッシュは峠を越えているとみられます。
しかし、帝国データバンクは、円安が急速に進行し、累積的なコストアップが大幅となってきている状況下のもと、電気・ガス代などの燃料費の再値上げによる騰勢の強まりが圧力となり、2023年2~3月以降には、値上げ予定品目は2,000品目を超えるとしています。
ここで2023年以降に値上げになる予定商品の一部をご紹介します。
<2023年値上げ予定商品>
・冷凍食品
・ワイン
・ウイスキー
・ふりかけ
・レトルトカレー
・レトルトみそ汁
・チャーハンの素
・家庭用パスタ製品
・パスタソース
・お好み焼き粉など
異常気象や不安定な世界情勢の影響を受け、国内では、これまで2万品以上におよぶ食品の値上げが実施され、今後もとどまる気配はありません。来年は2,000品目の値上げが予定され、家計だけでなく、企業も苦しい状況に立たされています。
今後、政府の早急な対策と一刻も早い事態の収束が望まれます。
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