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リスキリング(reskilling)という言葉は、近年インターネットでの検索数が急増しており、日本では流行語大賞でも注目されました。DX時代を迎えるための、人材育成法という面が強調されていますが、リスキリングの目的はもっと幅広いものです。今回はリスキリングの現状と今後について解説します。
目次【本記事の内容】
リスキリングの定義は、「技術革新や新規のビジネスモデルに対応するため、新しい知識やスキルを学ぶこと」もしくは、「新しい職業に就くため、または今の職業で必要なスキルの変化に対応するため、新たなスキルを獲得すること」とされています。
つまり、今ある知識やスキルに加えて、発展的なビジネスや別なビジネスに役立つ知識・スキルを学ぶことです。注目されるきっかけになったのは、2020年の世界経済会議(ダボス会議)で、「リスキリング革命」が宣言されたことでした。
企業にとっても、ビジネス環境の変化に対応するため、リスキリングを導入して人材を育成することは非常に重要です。また企業で働く従業員にとっても、自身のスキルアップやキャリアアップにつながる大きなチャンスだと言えるでしょう。
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2023年3月、パーソルイノベーションが展開するリスキリング支援サービス「学びのコーチ」は、全国の企業を対象にリスキリングに関するアンケート調査*を実施しました。この調査から、リスキリングを実践する企業側の取り組みの現状が分かります。
まず、直近1年間で従業員のリスキリングを実施したのは、大企業では60.5%で中小企業では28%、全体では39.1%が実施したと回答しています。企業規模により違いはあるものの、実施率はかなり高いといえるでしょう。
実施したリスキリングの内容では、DXとIT関連が多く、具体的には以下に挙げるようなスキルの取得が重視されていました。
・ITプロジェクトマネジメント
・データ活用
・クラウド活用
・業務プロセス設計
・マーケティング
企業にとっては新しいITをベースにして、業務のDX化を進める狙いがあるようで、主に情報システム部門、人事部門、経営企画部門などの人材がリスキリングの対象になっているようです。
また、日本独特のビジネス風土が影響しているのか、リスキリングの取り組みはトップダウン型で行っていると答えた企業が、全体の8割にも達しています。
実際に企業がリスキリングを推進することに、現実的なメリットはあるのでしょうか。それは今後訪れる業務変革と、密接な関わりがあるようです。
今後10年程度で、今まで人の手で行われていた業務が、AIに置き換えられる可能性があります。その前に、業務に携わる人材をDXなどの専門的なポジションに配置し直す必要があるのです。
将来を見越してリスキリングに力を入れることは、企業にとって経営の基盤になる人材確保に直結します。リスキリングを通じて、自社の業務に精通しハイレベルなスキルを身につけた人材は、経営戦略上、必要不可欠な存在になるでしょう。
それを証明するかのように、今回のアンケート結果では、全体の70%以上の企業がリスキリング後の昇給を前向きにとらえています。すでに実施しているという回答は33.1%で、検討中という回答は37.5%に上っているのです。
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日本では多くの場合、トップダウンでリスキリングが行われるようですが、それは従業員のスキルアップが、企業の経営基盤を強固にするというメリットがあるからでしょう。しかしリスキリングは、従業員それぞれにとっても、キャリアアップに結びつく大きなチャンスです。
今後はDXの伸展が予想されることからも、ITを活用したプロジェクト展開や、さまざまなデータ管理の分野を中心に、リスキリングの必要性が高まるはずです。企業は戦略的にリスキリングを進める必要があるでしょう。
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*【調査概要】
調査手法 : インターネットリサーチ Fastask(株式会社ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
調査対象 : 全国の企業にお勤めの方
調査期間 : 2023年2月16日(木)~2月18日(土)
対象人数 : 660
企業属性 :
※大企業:従業員数が300人以上の企業
※中小企業とスタートアップ:従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業。大企業の子会社やグループ会社は含まれない
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