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職場でのハラスメント行為の一つとして、新型コロナウイルス問題以降は、リモハラによるトラブルが指摘されるようになりました。しかし社会が徐々に落ち着きを見せるに従い、ハラスメントの問題にも変化が現れています。
この記事では最新の調査結果*をもとに、リモハラの実態と以前からの変化を紹介し、今後企業が継続するべき対策についても解説します。
*調査概要
就職・転職関連の調査を行うJob総研は、「2023年 リモハラの実態調査」と題して、全国の20~50代男女351人に対するインターネット調査を行いました。
調査は2023年3月8日~13日の期間に実施され、20人~1,000人規模の企業に所属し、1年~10年程度勤務している社会人が対象です。
リモハラとはリモートハラスメントのことで、テレワークハラスメントとも呼ばれる職場ハラスメントの一種です。在宅勤務中に、インターネットを介して行われる業務において、不適切な言動で相手に不快感を与える行為全般と考えればよいでしょう。
具体的には、業務時間外にもかかわらず連絡をしたり、Webカメラを常にオンにしておくことを強要したりするなど、状況によってパワハラやセクハラに該当する行為が含まれます。
今回の調査では、まずハラスメントに気を使う職場環境についての質問があり、77.1%が「対面環境」と回答し、22.9%が「リモート環境」と答えています。予想外かもしれませんが、実際に出勤して働いている場合のほうが、圧倒的にハラスメントを意識する割合が高いのです。
リモハラを受けた経験については、21.7%が「ある」または「どちらかといえばある」と回答しています。ただしこの割合は、以前に実施された調査結果と比較した場合かなり低めです。
今回の調査でも、リモハラの増減については、リモートワーク導入時にはかなり気になったものの、最近では以前に比べてかなり減少しているという意見が多く寄せられています。 リモハラそのものは徐々に減っているというのが、今の職場の実態かもしれません。
管理職にとってリモハラに該当する内容を把握しておくことは重要です。該当する内容を正しく把握しているかどうかについては、全体の15.5%が「正しく把握している」と回答しています。
一方、「なんとなく」もしくは「あいまいに」把握していると答えた人は、全体の62%にも達しており、これは予想外に意識が低いと言わざるを得ません。
また、リモハラを「正しく把握している」と回答した割合は、課長クラスが28.6%と最多であり、次に部長クラスが27.3%で続いています。ただし、部長クラスでは「まったく把握していない」と回答した人も36.4%という最多の数字になっています。
職場にリモハラ防止対策があるかどうかについては、「ある」が14.2%で「ない」が34.8%でした。それに対して、「知らない」と答えた人が51.0%に達しており、職場での意識の低さが明らかになっています。
職場でのリモハラ防止対策については、「不満足」が71.5%で、「満足」はわずか28.5%にとどまっています。快適な職場環境を提供するためには、企業には意識改革が求められ、具体的な対策を講じる必要があるでしょう。
日本では2019年に「改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」が施行され、職場でのハラスメントを防止することが義務づけられました。事業主と労働者それぞれに、以下のような責務規定が設けられています。
・ハラスメントに対する自社の労働者の関心と理解を深めること
・研修などを実施して職場の意識を高めること
・事業者自身がハラスメントに対して関心と理解を深めること
・ハラスメントに対する関心と理解を深めること
・事業者が講じる措置に協力すること
このようなハラスメント防止対策を整備すると同時に、大企業・中小企業を問わず、パワハラ防止法により相談窓口の設置が義務づけられています。窓口は社内に設けられ、社員が気軽に相談できる態勢をとる必要があります。
さらに、実際にリモハラなどのハラスメントでトラブルが生じた場合、事業主は適切で十分な対応をする義務があります。そうしたケースに備えて、平素から自治体の窓口や労働局などと連携する必要があるでしょう。 トラブルを解決する上では、弁護士や社会保険労務士など外部機関の協力が必要になるかもしれません。
新型コロナウイルス問題でリモートワークが増加して以来、新しい働き方の中でリモハラという問題が浮上しました。しかしコロナ問題が鎮静化しつつある現在、以前と比較してリモハラも減少傾向にあるようです。
ただし、企業などの事業者は、今後も各種ハラスメントを防止する対策を継続しなければなりません。法律によって義務づけられている通り、社内に相談窓口を設置して、労使が協力してハラスメントを防止することが求められているのです。
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