公開日 /-create_datetime-/
企業の意思決定においては、ボトムアップとトップダウンという二つの方法がよく知られています。強い組織をつくるためには、これからのビジネス展開を見越して、自社に最適な意思決定方法を選択しなければなりません。
では、どのように決めればいいのでしょうか? ここで、経営者と管理職を対象にしたある調査結果*を紹介します。そこから強い組織づくりのヒントを見つけてください。
その後、今回のアンケート調査をもとに、2023年1月には二次分析調査も実施しています。この調査結果をベースにして、意思決定の選択方法を検証してみましょう。
*調査の概要
今回の「システム導入の意思決定プロセスに関する実態調査」は、クラウドERPを提供する株式会社オロが、2022年12月1日~5日の期間にインターネットを介して行いました。
対象は全国の企業に所属する、1,000万円以上のシステム導入を経験したことがある、課長・部長・役員・経営者515名です。
目次【本記事の内容】
最初に、意思決定の基本的な二つの方法について整理しておきます。
直接現場などで働くチームが、業務に関する立案・提案を行い、それを上層部が承認する形でプロジェクトを進める方法です。業務の多様性や変化に強いというメリットがあります。
上層部が立案したプロジェクトに従って、現場まで階層構造になった仕組み全体が動くシステムです。意思決定は上層部が行うため、トラブルが生じにくく安定するというメリットがあります。
今回行われた調査では、対象を「ボトムアップ企業」と「トップダウン企業」との二つに分け、過去に行われたシステム導入における意思決定の流れを調査しました。
流れそのものをさらに2分し、まずはシステム導入に至るまでの意思決定と、さらにシステム導入時の意思決定について比較しています。 最初に、システム導入までのプロセスごとに、意思決定の違いを見てみましょう。
どちらのタイプの企業とも、きっかけの1位は「生産性向上の機運」で、2位は「既存システムやサーバの保守切れ」でした。
ボトムアップ企業の3位は「働き方改革の機運」で、4位は「人手不足」と続きます。トップダウン企業では3位が「事業規模拡大」で、4位が「働き方改革の機運」でした。
ボトムアップ企業のほうが、やや現場の意識に近い部分から、導入の検討を始めているようです。
この項目も上位は同じで、1位が「自社の事情に合ったシステムかどうか」で、2位が「課題が解決できるか」でした。
ボトムアップ企業の3位は「アフターサービス」で、4位は「費用対効果のデータ」となり、トップダウン企業では3位が「導入実績」で、4位が「製品の使い勝手」でした。
この結果も、ボトムアップ企業のほうが現場を意識して、導入後の実用性を重視しているように感じられます。
ボトムアップ企業とトップダウン企業で大きな違いが見られたのは、それぞれのプロセスに要した時間です。プロジェクトの立ち上げから情報収集、購入先の選定など重要な決定を下すまでにかかった時間は、どのプロセスでもボトムアップ企業のほうが長くなっています。
この結果だけで判断はできないものの、スピーディーな意思決定という点では、トップダウン企業のほうに分があるようです。トップが責任を持って物ごとを決められるトップダウンに比べて、上層部の承認を得てから動き出すボトムアップは、全体的にプロセス完了までに時間がかかるのかもしれません。
ところが、実際にシステムを導入してから、いざ稼働するタイミングになると、「スムーズに稼働できた」という回答はボトムアップ企業の71.9%に対して、トップダウン企業は55.2%にとどまっています。
稼働する段階になると効率的に作業をこなせるとしたら、システムの規模によっては、現場主導でシステム導入準備を進めたほうが、全体の工程を短縮できるかもしれません。 ボトムアップ企業とトップダウン企業で、どちらのほうが効率的にシステム導入を進められるかは、一律に決められるものではないようです。
今回の調査では、システムの導入というテーマについて、ボトムアップ企業とトップダウン企業との意思決定の違いを比較しました。その結果から見えてきたのは、いくつかのプロセスを順番に進める場合、トップダウンのほうがややスムーズであること。 しかし一方でシステム稼働という最終プロセスになると、ボトムアップのほうがやや効率的であるということです。
「ボトムアップとトップダウン、優れているのはどちら? 」という問いに対しては、互いに一長一短があるという、予想通りの答えに落ち着くことになるでしょう。 ただし、今後もビジネス環境は、まだまだ変化するかもしれません。それぞれのメリットをよく理解した上で、上手に使い分ける戦略が必要になるといえるでしょう。
<人的資本開示 初級編 > 企業が知っておくべき人的資本と捉え方
契約ライフサイクルマネジメント(CLM)ソリューションの導入に向けて
まだ間に合う!電子帳簿保存法とインボイス制度の対応ロードマップと成功事例
事務BPO事例のご紹介
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
若手経理担当者が直面するミスと失敗、それでも働きがいを感じる理由とは?
【経理がUSCPA(米国公認会計士)取得】メリットや平均年収など
WeWork Japanの民事再生手続きが廃止された理由とは?
中小企業診断士は年収1,000万円を狙える?資格取得~就職先まで紹介!
職場の働きやすさを左右する重大要素、若い世代が望む理想の上司像とは?
電子帳簿保存法Q&A【基礎編】
契約書のリーガルチェックの重要性と6つのチェックポイント
契約書作成の際に必ず押さえておきたい8つのポイント
工事請負契約書とは?作成時の注意点などを解説!
失敗しない! 産業医選任の手引き
「衛生管理者」の仕事を分かりやすく説明!難易度や試験内容なども
【税理士の転職情報】まとめページ
スシローなど外食チェーンが今年も一斉休業を実施、環境改善の一環 高島屋は正月営業日を見直し
「父親の仕事と育児両立読本~ワーク・ライフ・バランスガイド~」の活用法
管理職を対象に「ポストチェンジ制度」を導入の京王電鉄。ライフステージに応じた“柔軟なキャリア形成”を支援へ
公開日 /-create_datetime-/