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SDGsの目標8.働きがいも経済成長も

公開日2018/11/27 更新日2019/09/10
SDGsの目標8.働きがいも経済成長も

SDGsは2015年9月に、150を超える国の首脳によって採択された、2016年~2030年にかけての世界的な行動目標SDGs(エスディージーズ)の8番目に掲げられたのが、『働きがいも経済成長も』です。

ILO(国際労働機関)の調査によれば、2018年1月の時点で、世界には約1億9200万人の失業者がいるとされています。また、人身売買や強制労働といった「現代の奴隷制度」が、いまだ世界の各地に存在しているという現実もあるようです。

今回はこうした労働をめぐる世界の現状と、それを受けてSDGsがどのような指標を打ち出しているのかということについて解説していきます。

ディーセント・ワークとは何か?

ILO(国際労働機関)は、21世紀のおもな活動目標として「ディーセント・ワーク(Decent Work)」を提唱しています。

Decentは「まともな」という意味を持つ英単語であり、ディーセント・ワークには「働きがいのある人間らしい仕事」という意味合いがあります。この言葉がはじめて使用されたのは、1999年に第87回ILO総会で提出されたファン・ソマビア事務局長による報告の中ですが、そこではディーセント・ワークの概念について、「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味する。それはまた、すべての人が収入を得るのに十分な仕事があることである」と記述されています。

SDGsの目標8『働きがいも経済成長も』は、このディーセント・ワークと、技術革新や生産性の向上による持続的な経済成長を達成するための指標といえます。

ディーセント・ワークの裏にある世界の労働問題

その一方で、ILO(国際労働機関)が国際NGO(非政府組織)であるウォーク・フリー・ファンデーションとともにまとめた報告書では、2016年の時点で「現代の奴隷」のような状況に置かれている被害者が、全世界で4000万人を超えているというショッキングな事実も述べられています。この報告書によると、2016年に強要や脅しを受けて無理やり働かされた被害者は推定2500万人、結婚を強要された被害者は1500万人にのぼるとのことですが、同報告書では被害者の約7割が女性であることや、強制労働の被害者の約2割が子どもであることも報告されています。

また、ILOが2018年におこなった雇用情勢報告では、失業こそしていないものの、十分な社会保障などが受けられない不安定な状態で働いている人が2017年の推計で14億人近くにものぼることや、開発途上国ではワーキングプア(仕事をしていても貧困から抜け出せない就労者)が6割以上にのぼるという指摘もおこなわれました。

『働きがいも経済成長も』についての具体的な目標とは

こうした労働をめぐる世界の現状を受けて設定されたSDGsの目標8は、『働きがいも経済成長も』というテーマに沿った12のターゲット(より具体的な行動目標)で成り立っています。下記はSDGsの目標8に関するターゲットの一部です。

  • 各国の状況に応じて、一人あたりの経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国については少なくとも年率7%の成長率を保つ。
  • 2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男女の完全で生産的な雇用およびディーセント・ワークと同一労働同一賃金(※)を達成する。
  • 2020 年までに、就労、就学および職業訓練のいずれもおこなっていない若者の割合を大幅に減らす。
  • 強制労働を根絶し、現代の奴隷制や人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置を実施して、最悪な形態の児童労働を禁止・撲滅する。2025 年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。

※同一労働同一賃金…同じ仕事に従事する労働者に対しては、同じ水準の賃金が支払われるべきという考え方。たとえば性別や人種、国籍、正規雇用・非正規雇用といった条件で賃金に差をつけず、労働の種類と量で平等に賃金を支払うことなど。

さらに、SDGsの目標8のなかでは、2016年から2030年にかけて、全世界で新たに就労する4億7000万人に雇用を提供する必要があることや、中小企業が全世界の企業のうち9割以上を占めており、世界の雇用の5~6割をつくりだしていることも述べられています。

ほかにもSDGsの目標8に関するターゲットについては、若年雇用の創出や、地域文化・観光業の振興、開発途上国への貿易、移住労働者の保護など多岐にわたる指標が設定されていますが、これらを見ると「適正な労働」が飢餓や貧困の撲滅と同様に、人間の健やかな暮らしにとって欠かせないものであると言えるでしょう。

まとめ

不安定な雇用やワーキングプアの増加といった問題は、国内においても決して他人事ではありません。「7人に1人が貧困状態にあり、母と子のひとり親世帯では半数以上が貧困に苦しんでいる」といわれる日本でも、こうした問題を改善するための有効な対策が急務と言えるでしょう。

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