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2022年のキャッシュレス決済額が、ついに100兆円の大台を超えたことを、経済産業省が発表しました。買い物や食事だけにとどまらず、スマホのアプリによる国税の納付も始まり、現金文化が根強い日本でもキャッシュレス化が進むことになるのでしょうか。
2022年のキャッシュレス決済額は、日銀と日本クレジット協会などのデータを集計すると、約111兆円となりました。前年よりも17%増(16兆円)となり、100兆円の大台を超えるのは初めてで、決済比率でも36.0%と過去最高を更新しています。
キャッシュレス決済の比率が増えたのは、コロナ禍による感染防止対策から、非接触決済のニーズが高まったことが影響しているようです。また、外出自粛により巣ごもり需要や通販利用が拡大したことも、キャッシュレス決済増加の要因といえるでしょう。
経済産業省の調査によると、緊急事態宣言が発令された2020年3月以降、キャッシュレス決済の比率が増えたという回答は、47.7%と半数に迫る勢いで伸びています。
ところで、キャッシュレス決済比率36.0%と、日本は過去最高を更新しましたが、世界各国と比較すると、まだまだ遅れているというのが実状です。
キャッシュレス先進国である韓国の2018年の決済比率は94.7%で、この時点の日本は24.2%、他の国でも40%~70%台でした。日本は2022年になって、やっと40%台に届きそうな位置まで到達したというところです。
では、なぜ日本はキャッシュレス後進国となっているのでしょうか。決定的なのは、日本人は「現金を好む」という特性が考えられます。その背景にあるのは、日本は他国に比べて治安がよいことがあげられます。
また、駅や商業施設など利便性の高い場所にATMが設置され、いつでも現金を引き出せる環境が整っていることも、キャッシュレスの利便性を、それほど感じることなく生活できたた理由としてあげられるのではないでしょうか。
しかし、人手不足が深刻化しており、人員とコストを削減するため、小売店ではレジを廃止し、金融機関もATMの設置台数を減らすなど、キャッシュレス化による効率化を図る動きが広がっています。
キャッシュレスの普及が、人口減少に伴う人手不足や訪日外国人への対応などにも効果が期待されることから、政府は2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にする目標を掲げています。数年後にはキャッシュレス先進国のように、現金を持たずに生活することが当たり前になるかもしれません。
2025年の大阪・関西万博会場内では、支払いのすべてをクレジットカードや交通系ICカード、二次元バーコードなど、キャッシュレス決済にするそうです。ブロックチェーン技術を活用した、万博独自のスマートフォンアプリ「EXPO(エキスポ)デジタルウォレット」も導入する計画が公表されています。
では、スマートフォンを持っていなければ、大阪・関西万博会場には入れないことになるのか?という疑問もわきますが、スマホを持っていない人にはプリペイドカードの販売を検討しているようです。
現金に絶大な信頼を寄せている日本にも、着実にキャッシュレス化の波は押し寄せていることは確かなようです。 キャッシュレス決済比率を、キャッシュレス先進国並みに高めていくためには、 “安全と安心”を保証するセキュリティ対策の強化も求められるでしょう。
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