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2023年度から受験資格要件が緩和された税理士試験を詳しく解説

公開日2023/06/10 更新日2023/11/08


2023年度から税理士試験の受験資格要件が緩和されたことをご存じでしょうか。税理士は税務と会計のプロフェッショナルであり、資格試験は国家試験として位置付けられ、取得すると就職・転職時に圧倒的に有利です。


その資格要件が緩和されるということで、現在大きく注目されています。 そこで今回は、税理士試験が今年度からどのように変わるのかについて詳しくご紹介しましょう。


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税理士試験の概要

税理士資格を取得するには、必修科目である会計学(簿記論、財務諸表論)の2科目と、選択科目である税法の科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法もしくは酒税法、国税徴収法、住民税もしくは事業税、固定資産税)のうち3科目を選んで受験し、合格する必要があります。


科目合格制を採用しているので、受験者は5科目をすべて一度に受験する必要はありません。1科目ずつ順番に受験することも可能で、合格科目は生涯有効とされます。最終的に必須科目を2科目、選択科目を3科目合格すれば、税理士試験の合格者となるのです。会計事務所などで働きながら勉強している人も多く、1科目ずつ合格に向けて勉強を重ねていき、数年をかけて最終的な税理士試験合格を目指すケースが多く見受けられます。


国家資格である税理士資格には、厳格な受験要件が定められています。2023年度現在、税法科目の受験資格を得るためには、「学識」「資格」「職歴」のいずれかの受験要件を満たすことが必要です。会計科目の受験資格はありません。


学識にもとづく受験資格

・大学、短大、高等専門学校のいずれかを卒業し、社会科学の科目を1科目以上履修している人
・大学3年生以上で、社会科学の科目を1科目以上含めた62単位以上を取得している人
・一定の専修学校の専門課程を修了し、社会科学に属する科目を1科目以上履修している人
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格している人
※「社会科学の科目」は、法律学、経済学、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学が含まれます。


資格にもとづく受験資格

・日商簿記検定1級合格者
・全経簿記検定上級合格者


職歴にもとづく受験資格

・法人、事業を行う個人の会計に関わる事務を2年以上経験
・銀行、信託会社、保険会社等で、資金の貸し付け・運用の業務を2年以上経験
・税理士、弁護士、公認会計士などの補助業務を2年以上経験


受験要件の緩和のポイントは?

受験要件の緩和対象となったのは、以下の2つのポイントです。

「会計学」の試験科目の受験資格緩和

2022年度までは、会計学に属する「簿記論」「財務諸表論」についても、税法科目と同様に「学識」「資格」「職歴」のいずれかの受験資格を満たす必要がありました。しかし2023年度からは、「簿記論」と「財務諸表論」の受験資格は完全に撤廃されました。つまり、会計学の2科目については、大学1~2年生はもちろん、高校生でも受験できるようになったのです。


「学識」による受験資格の緩和

税法科目の受験については、従来通り「学識」「資格」「職歴」のいずれかの受験資格を満たす必要がありますが、このうち「学識」の要件が緩和されています。


2022年以前は、「大学、短大又は高等専門学校を卒業した人」「大学3年生以上の学生」「専修学校の専門課程を修了した人」が受験資格を得るには、「法律学又は経済学」の科目を履修している必要がありました。


しかし2023年度以降は「社会科学」とされ、法律学、経済学に加えて、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学等の科目でもよいとされています。


受験資格要件が緩和された理由

受験資格要件が緩和されたもっとも大きな要因は、税理士試験の受験者数の減少です。国税庁のデータによれば、税理士試験の受験者数は2014年度が4万1,031人、2019年度が3万850人、2022年度が2万7,299人です。ここ2年ほどはやや増えてはきましたが、それでも2014年から2022年までの間に、1万3,000人以上も減っています。


少子高齢化により若い世代が減少していることも影響していると考えられます。しかし、より大きな要因として指摘されているのは、「会計業界全体が人手不足により売り手市場となり、時間をかけて税理士資格を取得しなくても、就職・転職しやすいから」という点です。


税理士の受験期間は長くなるのが通例で、長い人では10年以上におよびます。そこまでして取得しなくても、たとえば日商簿記1~2級を取得していて、実務経験をしっかりと積んでいれば、会計事務所や企業の経理・会計部門などの転職市場で高評価を受けることは可能です。つまり、税理士試験は意図的に受験が敬遠されるような風潮が生じつつあるのです。


緩和により大学学部在学中に5科目合格も可能

今回の緩和により、若い世代が税理士資格を取得しやすくなったのは確かです。簿記論と財務諸表論はいつでも受験できるので、たとえば高校生のうちから簿記の勉強・資格取得をして、大学1~2年の段階で会計2科目の合格を目指せます。


大学2年までに2科目合格すれば、大学3~4年で集中して税法の勉強をして「学識」の受験要件(大学3年以上)で受験・合格することも可能です。在学中に税理士資格を取得すれば、就職はもちろん、社会人となってからの転職も有利に進められるでしょう。


まとめ

税理士は「税務代理」「税務書類作成」「税務相談」といった、法律上税理士にしか認められていない業務を担える専門職です。今回の受験要件緩和は、若い世代が税理士資格を目指しやすくするための内容といえます。ここ2年ほどは税理士試験の受験者数が回復していますが、受験要件の緩和により、今後さらに改善が見られそうです。


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参考サイト
国税庁|税理士試験の受験資格の見直しについて
国税庁|税理士試験受験資格の概要
日本税理士連合会|税理士試験の受験資格要件の緩和

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