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株式会社月刊総務が実施した「2023年の総務についての調査*」によると、総務として2023年に注力すべきテーマとしてもっとも多くあげられたのは「社内コミュニケーション」でした。調査結果からうかがえるのは、コロナ禍を経て生じたと考えられる総務の役割の変化です。どのように変化しているのか見ていきましょう。
*調査対象:株式会社月間総務、発行誌の読者等154名
調査期間:2023年1月12日~25日
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2022年の調査では、総務が積極的に取り組むべきテーマは「コロナ対策」でした。そのコロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、感染防止のための規制が撤廃されたことで、経済活動も日常生活もコロナ前に戻りつつあります。
5類移行による一番の変化は、オフィスに出社するビジネスパーソンの姿をみかけることが多くなったことです。コロナ禍で一気に導入が進んだリモートワークですが、多くの人が実感したのが、社内コミュニケーションが希薄になったことでしょう。そのため、社内コミュニケーションを充実させることが、総務が2023年に積極的に取り組むべきテーマのトップとしてあげられているようです。
2023年の2位には「オフィス環境」、3位には「DX」が続き、またその他として「メンタルヘルスの指針の社内展開」、「人材育成(リスキリング)」、「女性職員の管理職登用」なども、総務が取り組むべきテーマにあげられています。
一方、2022年は「コロナ対策」「オフィス環境」「社内コミュニケーション」がトップ3で、その他には「人事評価制度改定」や「コーポレートガバナンス」、「コンプライアンス意識の徹底」などがランクインしています。
その他の項目に、2022年と2023年の総務の役割の違いが表れています。女性職員の管理職登用やリスキリングは、まさに今が旬のテーマであり、総務が率先して取り組むべき課題でもあります。
ところで、総務といえば“なんでもこなす雑用係”といった、ネガティブなイメージをもつビジネスパーソンも多いのはないでしょうか。約8割の総務担当者も、現在の立ち位置を「なんでも屋」と思っているという結果です。
しかし、この調査で示された総務の役割を見ていくと、経営判断に影響する重要な役割を総務が担っていることがうかがえます。そのため、総務担当者の仕事の満足度は高く、やりがいを感じながら業務を行っているようです。
しかし、その割には賃金などの待遇面での評価が低く不満を抱いていることもわかりました。そして今後の立場として望んでいるのは「経営参謀」との回答が6割という結果が得られました。
経営参謀としての意識をもちながら業務を行っても、それが正当に評価されない状態が続けば、モチベーションを高く維持し続けることは難しいでしょう。
では、総務担当者が理想とする立ち位置を確保するためには、どのようなことに取り組むべきと考えているのでしょうか。身につけたいスキルとして多くの回答があったのは、「情報発信スキル」61.7%、「企画力」56.5%、「ITスキル」50.6%です。
戦略総務という概念も広がりつつあるため、総務の業務内容や評価制度などを見直すことも求められるのではないでしょうか。
総務の役割が重要なことは、多くの人が理解しているでしょう。しかし、その割に評価が低いことが総務業務に横たわる課題です。そんな中でも、総務担当者の多くはやりがいを感じて業務を行っていることが今回の調査結果からわかりました。その働きぶりに報いるためにも、評価制度を見直してはいかがでしょうか。
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■参考サイト
HR pro|約8割の総務が「経営判断への影響力がある」と実感。コロナ対策を経て、2023年の注力ポイントは“社内コミュニケーション”か
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