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スタートアップ(ベンチャー)のように急成長が見込める企業は、資金が少ない創業時に優秀な人材を確保するため、信託型ストックオプション制度を利用してきました。しかし今回国税庁が見解を改めたことで、税制面でのメリットが失われる可能性があり、ビジネス界に大きな波紋を広げています。
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ストックオプションとは、事前に決められた「権利行使価格」で会社の株式を取得できる権利のことです。スタートアップに就職した社員がストックオプションの権利を付与されると、企業が株式上場して業績が向上して株価が上昇した時に、大きな利益を得ることができます。 そのため、まだ高額の給与を保証できないスタートアップが、人材確保のインセンティブとして利用することが多いのです。
ところが株式売却時に税制上の優遇措置を受ける場合は、時価以上で株式を購入する必要があるため、ストックオプションのメリットが損なわれてしまいます。 その問題を回避するために、発行したストックオプションを一度信託会社などに預け、その後会社への貢献度を基準に権利を付与する仕組みが、信託型ストックオプション制度です。
ストックオプションは、主に新興企業が優秀な人材を確保して、業績アップを図るために利用されてきました。入社した社員にとっては、会社が成長して株価が上がると、給与に加えて大きな報酬が約束されます。
自分が会社の経営に貢献して、その結果が直接収入アップにつながるとしたら、社員のモチベーションは大幅に高まるでしょう。しかも信託型ストックオプションでは、社員の貢献度に合わせて権利を付与できるので、会社を成長させようという意識を強化することも可能です。
また信託型ストックオプションは税制面でもメリットがあり、新株取得時や権利行使時には課税されず、株式を売却するタイミングで、「譲渡所得」として課税されていました。つまり課税額を抑えながら、社員に高いインセンティブを提供できたのです。
ところが今回、国税庁は信託型ストックオプションを譲渡所得ではなく、「給与所得」として扱うという見解を示しました。給与所得になると累進課税が適用され、所得額が大きくなると今までよりも税額が上がる可能性があります。
さらに課税のタイミングも、株式取得時に変更される見込みです。この影響は非常に大きく、場合によっては過去にさかのぼって所得税を追加納税する必要も出てきます。会社にも社員にも大きな納税負担と、各種手続きの負担が生じる可能性があるのです。
今後、信託型ストックオプションへの課税が強化されると、税制面でのメリットが失われるだけでなく、過去の株式取得にも課税範囲が及び、追加で所得税の納付が必要になるかもしれません。
現在成長過程にあるスタートアップや、これからビジネスに参入する企業にとっては、経営戦略の見直しも必要になるでしょう。まずは国税庁の方針を分析し、今後はその動きに合わせて柔軟な対応が求められることになりそうです。
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