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帝国データバンクは災害などの緊急事態における「事業継続計画(BCP)」に対する企業の見解について調査を行った。企業には、緊急事態に備えた危機管理が強く求められているが、調査の結果からBCPを策定する意向が、3年連続で5割に届いていないことがわかった。
社会が安全・安心な状態を維持し続けているのであれば、BCP策定はそれほど重要ではない。しかし、ここ数年の気象状況をみると線状降水帯の発生やゲリラ豪雨、大型台風、そして日本列島の北から南まで頻発している地震など、自然災害の脅威は年々増大する一方だ。
たとえ自然災害に見舞われても、事業を継続できるように備えをしておくことが大事だが、企業に襲いかかるリスクは自然の脅威だけではない。サイバー攻撃や米中対立の激化、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻など、揺れ動く海外情勢も、事業継続を脅かす要因となっている。
そのようなリスクに対する備えについて、BCPを策定している企業は18.4%で、策定を検討している企業を含めると48.6%である。策定している企業は前年よりも微増となったが、検討中の企業の割合は、3年連続で5割を下回る結果となっている。
これを企業規模別にみていくと、大企業のBCP策定率は35.5%である一方、中小企業は15.3%と2割にも届いていないのが実態である。BCPを策定していない理由は、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が最多の42.0%で、「策定する人材を確保できない」が30.8%で続いている。
さて、企業が想定しているリスクについては、地震や風水害、噴火などの自然災害が最多の71.8%で、設備の故障が41.6%、コロナやインフルエンザなどの感染症が40.4%で続いている。
リスクへの備えのトップに挙げられたのは「従業員の安否確認手段の整備」の68.2%で、「情報システムのバックアップ」が57.1%、「緊急時の指揮・命令系統の構築」が41.0%となっている。
BCP策定にも、日本が抱える人材不足の影響がはっきりと出ている結果であった。緊急事態への備えが不十分であれば、企業業績へのマイナス影響も大きいと考えられるため、早めに備えておくのが賢明ではないだろうか。
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