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「定着」と「成長」 人手不足時代の人財育成と離職防止
ビジネス環境や人の価値観の変化に伴い、多くの企業はこれまでとは違った視点から 従業員とコミュニケーションをとっていく必要性が生まれています。このような時代の人材戦略とそのアプローチ方法に関して、プロが具体的な指針を示します。働き方の変化に伴い、退職の進め方も変わりつつあります。その中で、企業が退職した社員との関係を良好に保つ「オフボーディング」が求められています。なぜいま、オフボーディングが重要なのでしょうか?
目次【本記事の内容】
新入社員が職場に順応して、業務をこなせるまでに育成することを「オンボーディング」と呼びます。その反対に、退職するまでの手続きを適切に進めるプロセスが「オフボーディング」です。
昨今、退職は定年によるものだけではなく、転職によるものも一般的になりました。
このように退職の機会が増えると、退職時の対応が企業に対する一つの評価になります。「オフボーディング」が適切でない場合、転職の口コミサイトやSNSで情報が広がり、人材採用にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
人材が流動化した現在、退職者のことを、企業の卒業生という意味で「アルムナイ」と呼ぶ企業が増えています。
退職者が同業や取引先に転職するケースも多く、企業と退職者との関係が続くことが少なくありません。再度その企業に就職し直すケースも増えています。また、企業が知らないうちにアルムナイ同士が情報を共有するネットワークを構築していることもあります。
人事・採用等に関するコンサルティング企業が行った調査によると、退職経験者の55.4%が、退職意思を伝えてから退職日までの間に不快な思いをしたと答えています。しかも、そのうちの56.9%は不快な経験により、会社にネガティブな思いを抱いたまま退職したと回答しました。
不快な経験で最も多かった事例は、「怒られる」「辞めないように圧力をかける」「退職の意思を否定される」などであり、退職手続きに不満が残ったり、急に待遇が悪くなったりしたという事例も目立ちます。
こうしてマイナスの感情を抱いたまま退職したアルムナイは、当然その企業とのつながりも否定します。アルムナイから"悪い退職"が評判になってしまった企業では、今後優秀な人材を採用できる可能性を失ってしまうといえるでしょう。
オフボーディングで、企業がはじめに大切にするべきことは、社員の立場を理解することです。そして、退職の意思が固まった社員に対して、退職の意思を尊重し、退職するまでの手続きを適切に進めることが大切です。
アルムナイとの良好な関係を構築していくことが、企業の人材採用の好循環につながります。適切にオフボーディングを実施することは、アルムナイとの関係構築の上で重要です。
オフボーディングの一環として、アルムナイも参加可能な定期イベントを開催する企業もあるようです。人事担当者は他社の取り組み事例をチェックするとよいでしょう。
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