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世界的に愛読者が多い経済誌・フォーブスが、毎年「世界長者番付・億万長者ランキング」を発表していることをご存じの方も多いでしょう。世界一の金持ちは誰かというシンプルなランキングで、発表されるたびに世界中で注目を集めています。2023年版も発表され、日本でも注目されました。
今回はフォーブスが発表した2023年版の「世界長者番付・億万長者ランキング」の内容と、こうしたランキングが抱える問題点について解説します。
目次【本記事の内容】
2023年4月4日、フォーブス誌は2023年版の世界長者番付・億万長者ランキングを発表しました。
それによると、世界第1位はフランス人のベルナール・アルノー氏で、総資産額は2,110億ドルでした。発表された当時に近い2023年3月頃の為替レート(約132円)で計算すると、日本円で約27兆8,500億円です。
1億円は1万円札を積み重ねると約1メートルの高さになるので、アルノー氏の資産を1万円札で積み上げると27万8,500メートルです。
アルノー氏は日本でも愛好家が多いブランド「ルイ・ヴィトン」などを扱うLVMHグループの会長兼CEOです。フランス人がフォーブスの世界長者番付・億万長者ランキングで1位となったのは、1986年に同ランキングが始まって以来、初めてのことです。
2位は、2022年に1位となって話題を集めたイーロン・マスク氏で、総資産額は1,800億ドル(約23兆7,600億円)、3位は「Amazon」の創業者であるジェフ・ベゾス氏で、資産額は1,140億ドル(約15兆500億円)でした。
なお、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏(67歳)は6位で総資産額1,040億ドル(約13兆7,300億円)でした。Googleの共同創業者であるラリー・ペイジ氏(50歳)は12位で総資産額792億ドル(約10兆4,500億円)、セルゲイ・ブリン氏(50歳)は14位で総資産額760億円(約10兆300億円)、フェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏(38歳)は16位で総資産額644億ドル(約8兆5,000億円)、という結果です。
フォーブス誌によると、総資産額10億ドル以上の資産を保有している億万長者の数は、2022年から28人減となる2,640人で、国別で見ると、最も多いのがアメリカの735人、2位が中国(香港、マカオ含む)の562人、3位がインドの169人でした。
なお、日本人は39人が億万長者としてカウントされ、日本人最上位はユニクロなどを経営するファーストリテイリングの会長兼CEOの柳井正氏で、総資産額は326億ドル(約4兆3,000億円)です。
なぜフォーブス誌は「世界長者番付・億万長者ランキング」を毎年発表しているのでしょうか。同誌の1987年10月5日号に、その理由を記した記事が掲載されています。
記事によると、10億ドルは「金持ち」と「大金持ち」を区別する上での最良の境界線であり、ランキングを公表することで、誰がどのようにして10億ドルを稼ぎ、保有するようになったのかを知ることで、世界経済の仕組みを学べるから、という理由が説明されています。
実際、世界長者番付・億万長者ランキングの上位には、ルイ・ヴィトンやGoogle、Amazon、マイクロソフト、フェイスブックなど、世界的に知らない人はいない企業の創業者・会長兼CEOの名前が連なっています。
今の世界経済を動かしている人物が、そのまま世界長者番付・億万長者ランキングにランクインしているわけです。世界経済の現在地を知るという点において、このランキングからわかることは多いといえるでしょう。
実は日本にも、国内の長者番付と呼ばれていた「高額納税者公示制度」がかつてありました。これは税務署が1947年から2005年まで導入していたもので、所得税額が1,000万円を超える納税者の氏名、住所、税額について、税務署で公示するという制度です。
所得税は累進課税で徴収され、高所得者であるほど納税額が増えます。所得税を多く納めている人は、それだけ所得が多い=お金持ちである、というわけです。
日本全国のランキングトップ100には、芸能人、アーティスト、スポーツ選手などが名を連ね、マスコミでも大いに取り上げられましたが、2006年度から高額納税者公示制度は廃止されました。
税制調査会が述べた廃止理由は、「高所得者が公表されることで犯罪や嫌がらせの誘発の原因となっているから」、さらに「個人情報保護の観点からも、行政機関が保有する情報は適正な扱いが求められているから」という内容でした。
実際に1997年には、ある自動車学校の元理事長が、高額納税者公示に名前が記載されるのを嫌がって所得税を過少申告し、税務署から加算税の賦課が要求される、という事態も起こっています。高額納税者の側からすると、メリットはあまりない制度であったといえます。
フォーブス誌に掲載されるような億万長者クラスになると、防犯意識・対策も十分であるとは思われます。しかし、氏名と資産額が公表されることで、「犯罪・嫌がらせの標的にされる可能性が高まる」というマイナスの側面が生じることは否定できないでしょう。この点は世界長者番付・億万長者ランキングがもつ負の部分、といえそうです。
フォーブス誌の日本版には、「日本の富豪50人・日本長者番付」も掲載されています。「日本のお金持ち」の氏名と資産額が公表されているので、関心のある方は世界版と合わせてチェックしてみるとよいでしょう。現時点の日本経済をけん引している企業の創業者・CEOの名前が連なっています。
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