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高校時代、私は物理が大好きでした。物理の問題を解くのであれば、三度の飯を抜いてでも徹夜してでも構わないほどでした。設定された条件のもとで回答が一つしかない、そのたった一つの回答にピシッとたどり着くことが快感だったのです。
逆に嫌いだったのは英語、それも英作文。何通りもの回答があることが許せなかったのです。こういう解釈もありますね、こちらの構文を使ってもいいですね、みたいな。
それでは国語は?これが大好きで、テストはいつもトップクラスでした。
なぜか?今の教育カリキュラムがどうなっているかはわかりませんが、昔は国語の回答は「一つ」だったのです。ある意味国語の先生の素晴らしいところで、いろいろな条件を定めて答えが一つしかないように設問されていたわけです。物理と一緒です。条件さえ整えば回答は一つになるのです。私はこう考えます!という自由な意見が許容されていなかった時代でした。
その昔、上場審査では産能大方式で書いたフローチャートが必須でした。しかしこのフローチャート、書くためのルールがとても複雑なのです。一見ではルールを読み取ることができなかったため、産能大式フローチャートを作成するだけでコンサルティング料が取れたほどでした。その代わり一度習得したら業務記述書がまったく必要ないレベルで、ピシッとフローチャートが出来上がるのです。
このフローチャートはまさに日本人の思考回路「細則主義」の代表たるものです。ルールの中で一つだけの回答を求めていきます。それに対して日本の内部統制のベースになったSOX法は、アメリカ発祥の法律です。根本的な考え方がPrincipleベースすなわち原則主義と呼ばれるものです。
「中学生らしい服装をする」が原則主義、「女子のスカートは床から○○㎝以上」これが細則主義、日本人的にいえば細則主義の方が楽です。何も考えなくていいわけですから。しかしSOX法は原則主義、本質を理解して何を作るか自分で考えてください、というのがベースです。
そのようなわけで、業務フローチャート、業務記述書、RCM(リスク・コントロール・マトリクス)いわゆる俗称3点セットに関しても、必ず作りなさい、とは誰も一言も言っていないのです。(実施基準のサンプルには入ってますけど)
POINT:誰も3点セットを作らなければいけないとは言ってない
【関連コラム】 内部統制(J-SOX)の3点セットとは?概要と作成のポイント
そもそも内部統制とは何でしょう。
記事提供元
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