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IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験には、IT技術者を目指す人材のスキルを認定する、「基本情報技術者試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」という2つの基本的な試験があります。近年は若手の人材が多く受験しており、情報処理関係では最も人気がある試験となっているようです。
IPAが発表した2023年4月度の合格者数は、基本情報技術者試験(FE)が受験者10,513人中5,928人で合格率は約56.4%でした。合格者の平均年齢は25.1歳と若く、最年少合格者は何と8歳の小学3年生で、最高齢は87歳というから驚きです。
もう1つの情報セキュリティマネジメント試験(SG)の合格者数は、受験者2,770人に対して2,111人となり、合格率は約76.2%でした。この試験の合格者平均年齢は36.0歳で、最年少は8歳の小学3年生でした。
どちらの試験も人気が高く、FEの合格者累計総数は約119万人で、過去の応募者総数は約926万人にも上ります。SGの合格者累計総数は約11万人であり、ともに企業のDX化などを背景に受験者が増加しています。
IPAによるとFE認定の対象者は、「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」と定義されています。簡単に言うと、ITに関わる人材のベースになる部分を認定するための試験です。
受験資格はとくになく、もちろん年齢制限もありません。試験は科目Aが60問の多肢選択式で90分、科目Bは20問の多肢選択式で100分という内容です。ABともに1,000点満点で、それぞれ600点以上が合格ラインです。
筆記試験は4月と10月との年2回ですが、現在はCBT方式の試験が導入されたため、基本的には年間を通じて随時受験することができます。難易度の高い国家試験ではないものの、出題範囲が広く専門用語も多いため、十分な学習期間が必要なことは間違いないでしょう。
一方のSGは、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善に関わる人材に対する、基本的なスキルを評価・認定する試験です。ますます情報を守ることが重要になっているため、今後のニーズの高まりが期待される資格といえるでしょう。
FEと同様に受験資格などの条件はなく、試験は科目AとBを合わせて実施し、全体で60問(A:48問、B:12問)を120分で解く多肢選択式の試験です。やはり1,000点満点中600点以上で合格できます。CBT方式による通年受験と、年に2回の筆記試験がある点もFEと同じです。
合格率が高いことからもわかるとおり、この試験はIT初心者から中級者向けです。それでも情報セキュリティ全般と、テクノロジーやマネジメントなどの基本的な知識が幅広く問われます。必要な学習時間は200時間が目安とされているので、十分な学習期間が必要なことは言うまでもないでしょう。
IT技術者への登竜門といわれることからも、基本情報技術者試験と情報セキュリティマネジメント試験とは、情報技術に関する基礎的な知識やスキルを問われる試験です。さらに高いレベルの情報系国家資格を取得するためにも、やはり基本から始めることが重要です。これからIT関連業務を検討する皆さんは、まずこの2つの資格取得を目指し着実に勉強していきましょう。
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