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グロース市場とは、2022年4月の東京証券取引所(以下、東証)の市場再編により、旧市場区分における「マザーズ市場」と「JASDAQグロース市場」が集約される形で誕生した市場です。
※市場再編の詳細はこちら
東証が公表するグロース市場のコンセプトは次の通りです。
グロース市場は、高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場です。
出典)日本取引所グループ,「2023 新規上場ガイドブック(グロース市場編)」
つまりグロース市場のコンセプトは「高い成長可能性を有する企業向けの市場」です。高い成長可能性を有する企業とは、たとえばスタートアップなどの新興企業を指しています。そのような企業に早期の段階で資金調達の機会を提供することで、国内経済への発展や新たな産業の育成を目的としています。
グロース市場の特長として、以下の2つの内容が挙げられます。
(1)「高い成長可能性」を重視、上場審査基準では経営成績・財政状態は問わない
グロース市場は、企業の「高い成長可能性」に着目している市場です。そのため、スタンダード・プライム市場に設けられている収益基盤・財政状態に関する基準がありません。
IPO時点では事業実績が十分でなくとも、その事業内容に関して高い将来性が見込めるのであれば、IPOを実現できる可能性がある市場です。
(2)リスクを前提とした市場
グロース上場企業は、 成長段階であるがゆえに、ガバナンスの懸念や十分とは言えない実績などから、相対的にリスクの高い投資先と言えます。
投資家保護の観点から、東証は「事業計画及び成長可能性に関する事項」を継続的に開示することを求めています。グロース上場企業は、一事業年度に1回以上の頻度で、会社の置かれた状況や事業計画の進捗状況について開示を行います。
出典:日本取引所グループ,「グロース市場における「事業計画及び成長可能性に関する事項」の開示について」
グロース上場に向けた準備期間中に発生する費用として、一般的には以下の費用が挙げられます。
・人材補強費用
・利益管理制度構築費用(IT整備費用※必要に応じて発生)
・監査法人の監査費用
・証券会社への上場準備指導料(コンサルティングフィー)
・証券取引所への新規上場に係る料金
・上場申請書類の作成費用
・その他 (会社説明資料の印刷費用、新聞広告費用、ビデオ制作料など)
上記の中で最も負担が大きいのは、人材補強費用です。IPO準備期間中に社内管理体制の見直しや準備作業を進めるため、人材の補強が必要です。必要となる人員は、企業規模・業種などにより異なりますが、IPOに向けた牽制組織(経営と財務の分離)を確立するためには相当の人数が必要であり、人件費は大幅に増加します。
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