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「選んだ道を正解に」 Visionを体現する”自立型”管理部門へ【CFOインタビュー 株式会社Hajimari コーポレート・ファイナンス室 GM 飯島 光修氏】

公開日2023/12/20 更新日2023/12/25


株式会社Hajimari(はじまり)は、「自立した人材を増やし、人生の幸福度を高める」をビジョンに掲げ、起業家、フリーランス、学生等、人々の自立を創造する事業を展開する企業です。


今回は、コーポレート・ファイナンス室でGMを務める飯島 光修氏に、監査法人でのご経験や事業会社を選んだ理由、コーポレート部門に求められていることについて伺いました。

【プロフィール】

飯島 光修

株式会社Hajimari コーポレート・ファイナンス室 GM

上智大学在学中に公認会計士試験に合格。 大学卒業後は、有限責任あずさ監査法人に入所し、上場企業の法定監査業務、IPO支援業務に従事。

2020年6月株式会社Hajimariに入社。
経理財務・経営企画業務を中心に、バックオフィス業務全般を行う。
その傍ら、経理・財務のプロ人材と企業のマッチング事業「ファイナンスプロパートナーズ」を立ち上げ、2020年度下期全社MVPを受賞。事業立ち上げから2年間、経理財務責任者・ファイナンスプロパートナーズ事業責任者として、バックオフィス側・事業側両方の業務に取り組む。

現在は、コーポレート・ファイナンス室のGMとして、経理・財務・経営企画・総務・労務業務を管掌している。

何もできない自分に気づいてから目指した会計士の道

──まずは飯島さんのご経歴を教えていただけますか?


茨城県鹿嶋市出身で、大学入学を期に上京しました。

上智大学入学後は、いわゆるどこにでもいるような大学生活を送っていました。大学2年生まではサークル活動に懸命に取り組み、3年生になってから、就職活動を始めました。サークルの先輩方・同期は、財閥系のメーカー金融や、大手企業・コンサルにいく方ばかりでした。私も同じような企業に行くだろうと漠然と考えていました。


──そこから会計士を目指されたのには、どのようなきっかけがあったのでしょうか?


就職活動がきっかけです。

普通の就職活動をする中で、「自分という人間は、どんな人生を歩みたいのか」と考える機会がありました。そこで「何が幸せと感じて生きてきたのか」「どのように生きていたいのか」「何を成し遂げたいのか」を見つめていった結果、私の出生・ルーツが、自分に与えている影響が大きいことに気付きました。

祖父は会社を興し、父親が2代目として会社を継いでいました。

茨城県という田舎なので、普通なら家業を継いでほしいと言われるような環境でしたが、私を気遣ってか、父から「会社を継いでほしい」とは言われたことはありませんでした。しかし、そんな父からも、私の将来に関して唯一言われた言葉がありました。「鹿嶋のこの土地だけは守ってほしい」。その言葉はずっと頭に残っていました。

その言葉を思い出させてくれたこと、私自身の人生の1つの指針であること、それらに気付かせてくれたのが就職活動です。土地を守るために、自分自身には何ができるのか、初めて真剣に考えました。

その結果、今の自分には何もできないことに気付きました。それと同時に、土地を守るためには、事業を創れる人間にならなくてはいけないと感じました。

事業を創れる人間になるにはどうしたらいいか。独立して、鹿嶋の土地を守るためには何をすればいいのか。20歳の私にとって、それらの悩みを解決してくれるものが公認会計士でした。

公認会計士の合格を通して、会計・経営の知識をつけることができる。事業を創る・経営する経験を得ることができる。そして、会計士・税理士として独立することもできる。

そのような考えから、一度就職活動をやめて、大学3年生の秋から会計士試験の勉強を始めました。


──地元で何かしら起業したいとの想いは、今でもお持ちなのですか?


その気持ちは持っています。

歳を重ねていくにつれて、地元に対する愛着が増していっていますね。街全体を盛り上げていきたい。祖父が創業した会社は、現在53期目を迎えていますが、100期目まで存続させていきたいとも思っています。

今はHajimariに携わっていますが、いつかは地元を盛り上げていくことをやりたいというWillはあります。そのために「事業を創れるCFO」になりたいと考えています。

調査力とヒアリング力を磨いた監査法人時代

──監査法人は2年半の在籍のようですが、どのような経験をされましたか?



公認会計士試験に合格後は、有限責任あずさ監査法人に入所し、2年半在籍しました。

法定監査とIPO支援の業務に携わりました。それぞれ、業種・規模問わず、複数社の法定監査・IPO支援業務に携わることができました。法定監査では東証一部、今でいうプライム上場の企業を数社監査していました。IPO支援では、非上場の会社に対しての監査業務を提供していました。業種も規模もさまざまでしたね。


──監査時代に得た経験は、実際に役に立っていると思われますか?


非常に役立っています。

2年半という短い時間なので、知識量というよりも、仕事のスタンスとして身についた部分が役に立っていると思っています。監査法人時代に身についた、調査力やヒアリング力を中心とした仕事の進め方は、現在の仕事の基礎にもなっています。

監査業務というのは、監査すべき項目に対して、膨大な資料の閲覧や、分析、質問などの監査手続を通して、監査項目の確からしさを確認していく業務です。何も考えずに手続きを進めていっても、自分自身の時間や、クライアントの方の時間を無駄にしてしまいます。

会社の状況・前期の資料を、自分自身の手で調査して、あらかじめ論点を整理し、問題を洗い出してから、監査手続を実施する。監査法人では、このような仕事をするうえでのスタンスを身につける経験ができました。


──最近、CFOを目指したり、経営管理ではなく事業企画に携わりたいという会計士の方が増えている印象があります。そのような目標を持つ後輩会計士さんにアドバイスはありますか?


監査業務を通して、もっとクライアントの事業自体の理解を深めることができればよかったと思っています。

財務諸表やKPI資料に目を通し、「この事業を伸ばすために重要な数字は何か、そのためにどんな組織構成になっているのか」「何が投資対象で、その結果どの数字を伸ばそうとしているのか」など、数字と事業の繋がりを自分の頭で解釈することはとても重要です。

担当者に直接ヒアリングもできる立場でもあり、生の声も聞くこともできます。クライアントの立場にたって、事業理解を深める努力をすることは、将来事業会社に転職を考えられている人にはとてもおすすめです。


──日々の業務に忙殺されがちではありますが、そういう視点を持てれば資料を見る意識も変わりますし、すごく勉強になりますよね。


はい。競合企業の分析までできたら、なお良いと思います。

競合と比較して、自分のクライアントの優位性は何か、その原因は何なのか。自ら事業を手掛けたり、コンサルタントの立場になったりすれば、競合との比較は非常に重要です。

普段の監査業務では行わない作業ですが、事業に携わることを志している方にとっては、監査法人勤務であっても、意識的に行うべき業務だと考えています。

「自立した人材を増やし、人生の幸福度を高める」というビジョンに強く共感してHajimariに入社

──監査法人の次は転職先として事業会社を探されたのですか?


はい。特にIPOを目指している会社を、転職の1つの軸としていました。事業成長に携わりたいという想いが強かったのと、IPO支援こそ自分の能力が活きると考えていたんです。

その中でも、主体性を持って業務に取り組める環境かどうかは、自分の成長につながる重要な要素だと思います。人数や体制が整っている大きな企業よりも、「自分がやられたらもうダメになる」という背水の陣で仕事に臨める小規模な企業を探していました。自ら行動して情報を集め、課題を解決していくことこそが、成長につながると考えていました。


──Hajimariを選ばれたのは、どのようなきっかけだったんですか?


先ほど、転職先の候補は、IPOを目指している小規模の会社と言いましたが、HajimariはIPOを目指していないので、実は当初の思惑とは外れていています。

転職活動中は何十社とコンタクトを取ったのですが、唯一「うちはIPOを目指してるわけじゃないよ」と言われたのがHajimariでした。


──それなのになぜHajimariに入社したのですか。


実は、Hajimariのホームページを初めて見たとき私の目にはとても魅力的に映り、瞬間的に「ここに入りたい」って思えたんです。

「自立した人材を増やし、人生の幸福度を高める」というビジョンが自分の経験と重なって深く共感できました。

「世間の雑音を振り払って、内なる声を聴こう」「正解を選ぶんじゃない。選んだ道を正解にするんだ」という“自立”に対する考えにすごく納得しまして。こうした世界観を作っている会社に入りたいと強く思いました。


──たしかにHajimariの掲げるビジョンは、飯島さんが歩まれてきたキャリアやお考えとすごく一致していますね。


そうなんですよね。自立によって人生の幸福度を高めるというのも、私の会計士受験と繋がっています。

大学3年生のとき、自分自身の人生を考えた結果、公認会計士になることこそが、今の自分にとっても最適解だと考えました。

しかし、その選択肢が本当に正解かどうかは、当時は分からなくて。

ふと横を見れば、大手の企業に行き、キャリアを進めている先輩・同期がいました。このまま会計士に合格できなければ、自分の人生はどうなってしまうのかと、不安に苛まれることもありました。

そんな不安の中でも、自分自身の考えを信じ、自分の選んだ道を正解にするべく日々やり抜きました。そして、公認会計士に合格することができ、この経験こそ私にとっての自立でした。

この会計士試験の経験を通して、本当に人生の幸福度が高まりました。そういう実体験があったからこそ、HajimariのホームページにかかれているHajimariのビジョンを理解でき、このビジョン実現のために自分にできること、求められることをやっていきたいと思えました。


──ビジョンに共感できるのは重要ですね。軸をしっかりとするというか。


はい。もちろんビジョンが一致するだけでなく、会社から期待された役割を果たせることも重要です。当時のHajimariは事業規模が拡大していく中、経理財務の責任者がいなかったため、私もHajimariに貢献できる部分があると確信したため、Hajimariへの入社を決めました。

管理部責任者とファイナンスプロパートナーズの立ち上げという2つの顔

──Hajimariに入られたのが2020年ということですが、この3年間いかがでしたか。


この3年間、私にはふたつの顔がありました。ひとつは管理部の責任者、もうひとつはファイナンスプロパートナーズの責任者という顔です。

管理部の責任者としては、経理財務の責任者として、月次決算の処理や銀行借入などに携わりました。またコーポレートの人材も不足していたため、事業計画作成や予実分析業務から、労務や総務の担当まで行っていました。


──もうひとつのファイナンスプロパートナーズというのは?


ファイナンスプロパートナーズ事業は、経理・財務のプロ人材と企業をマッチングする事業です。

もともとHajimariは、起業家・ITフリーランスと企業をマッチングするITプロパートナーズ事業を中心に事業運営をしていました。Hajimariの事業戦略として、フリーランス領域の職種展開を掲げており、現在では、人事・マーケティング・社外メンターなど、幅広い職種のフリーランスと企業のマッチング事業を提供しております。

そのような事業展開の中、もし経理財務領域のプロパートナーズ事業を立ち上げるなら、私自身が1番の適任者だと感じていました。そのため、管理部業務の傍ら、自分自身で事業を立ち上げようと画策し、その事業が、経理財務領域のプロ人材と企業のマッチング事業がファイナンスプロパートナーズです。


──事業企画に携わるチャンスを引き当てましたね!ただ、両立は大変だったと思いますが、そこで経験したことを教えてください。


そうですね。事業をサービス化して軌道に乗せるところまでは非常に大変でしたが、自分から始めたからには、この攻めと守りの2つの顔を両立させてやろうという感情が強いモチベーションになりました。

サービスを立ち上げた当初、このサービスが世の中に提供できる価値は何かを徹底的に考えました。

ファイナンスプロパートナーズは立ち上げ当時、社外CFOを紹介するサービスでした。Hajimariの創業当初、Hajimariには社外CFOがいて、代表の木村が財務関連で困ったときには、その社外CFOにコーポレート業務をお願いしていました。その木村の実体験から、社外CFOという存在に大きな価値を感じていて、それで事業としても支援していこうと考えていました。

しかし、事業グロースするためには、社外CFOを必要とする会社を継続的に開拓し、適切なCFO人材をマッチングさせ続ける必要があります。1~2社/月の契約はイメージができたのですが、10~20社/月の契約はイメージができず、このまま事業をグロースし続けるのは難しいと感じました。

そのため、社外CFOだけでなく、経理部長レイヤーで価値貢献できることを考え始めました。

四半期決算時にリソースが不足していたり、開示資料の作成や会計処理の検討の際に、適切なスキルを持った人材が不足している企業と、経理部長レイヤーのフリーランス人材をマッチングすることを通して、事業がグロースしていきました。サービスで提供できる価値を考え、実際に行動にうつして、価値を感じて対価をいただく。失敗を繰り返しながら、このプロセスを経験できたことは私にとって大きな成功体験になりました。


──飯島さん自身が実際に管理部門の統括もしていらっしゃるから、大変さを熟知されていますもんね。だからこそ、お客さんの要望もちゃんと理解できたいるんだと思います。


おっしゃる通りです。営業に行って、営業先の企業が抱える課題を伺うのですが、その企業様の悩みを本当の意味で理解できるのが私の強みだと思います。「本当にキツイですよね」って心底共感して、その共感した悩みを解決したいと強く思えるんです。


──経理財務人材をスポットで求める企業や、フリーランスで働きたいと願う求職者のニーズ自体はありそうだなと思いつつも、まだまだ顕在化できていなかったと思うんですね。それを実際に事業化されてみて、実感はいかがでしたか?


まだ、企業側の業務委託活用は広がっていないと感じています。経理財務人材の採用を考えたら、正社員の採用を考える企業がほとんどです。

しかし、経理財務人材が市場に多くない中、採用できていない企業も少なくないですし、採用しても社風に合わずに退職してしまうリスクもあって、経理財務部門をしっかり作れている企業も多くありません。

企業の課題・悩みをヒアリングし、正社員採用という解決手段ではなく、「週3日・経理財務・業務委託採用」という解決手段を提案して、多くの企業様から価値を感じていただけました。ファイナンスプロパートナーズを事業化してからおよそ2年が経ちますが、ようやく経理財務領域の業務委託活用の認知が広がってきたと感じています。

管理部門といえども「求めに応えられるか」が問われている

──これからHajimariのなかでどのようなことをされていきたいですか?



一言でまとめると、Hajimariらしいコーポレート部門を作っていくことです。

自立した人材が人生の幸福度を高めるというビジョンに共感し、それを推し進められるような管理部門を作っていきたいなと思っていて、そこを一緒に進められるようなメンバーと一緒にやっていけたらなと思っています。


──理想的ですね。ただ、それを実現するためには、目標設定がなかなか難しそうだなと。そのあたりはどうされていますか?


現状、管理部門に正社員のメンバーがおらず、まだそうした評価制度はありません。今後数カ月以内に正社員の方にジョインしていただくので、そこからチーム・目標・評価を作っていけたらなと思っています。

与えられた役割に対しての成果をしっかり評価するとともに、ビジョンとのつながり度合いのようなところも評価として組み込んでいきたいですね。

一般企業でいうValueを、HajimariではCompassと呼んでいるのですが、自分に与えられたスコープだけでなく、どこまでCompassを体現して組織に良い影響を与えられるか。それらを評価設計して、一緒に管理部を作っていきたいです。

新しいメンバーとこの会社にあった価値観の組織を一から作っていくというのは、自分がやるべきことで、半年から1年くらいかけて頑張っていきたいなと思ってます。


──現在の正社員は飯島さんお一人ということですね。


はい。ただ業務委託は多く活用していて、経理、労務、総務、経営企画、会計士、メンターと、全6名で構成されています。今後の管理部門のあり方として、会社のビジョンを深く理解したコアメンバー中心でチームを固める一方、プロ人材の力も借りるハイブリットな組織が求められるのではと感じています。

そういう実体験があるため、ファイナンスプロパートナーズを営業する際も、自分自身の実体験を通して、フリーランス人材の最適な提案をしています。


──飯島さんのお考えや価値観をもとに、これからの管理部門人材はどのようなスタンスで仕事に臨むべきなのか、メッセージをいただけますか?


抽象化していえば、「求められたことに応えられるか」。それに尽きると思います。「求められたこと」には、経理処理などのルーティン業務だけでなく、企業が向かっている方向性やビジョンの実現も含まれています。

自分自身ができることだけをやるのではなく、「求められたこと」をしっかり理解した上で、実際に成果を出さなくてはいけません。管理部門という専門職といえどビジネスマンですから、顕在的・潜在的問わず、企業に「求められていること」は何なのかの理解に努めることが非常に大事だと私は思っています。


──最後に読者もすぐに実践できる学びとして、推薦できる書籍を教えてもらえますか?


監査法人経験のみの会計士が、事業会社に勤める前に、「読んでおいてよかったな」と思った書籍が2冊あります。

1冊目は『コーポレートファイナンス 戦略と実践』という本です。ファイナンスの基礎を理解でき、事業会社で会計・ファイナンスの知識をいかす方法を教えてくれる本です。 2冊目は『「経理」の本分』です。経理部門の意義を教えてくれた本です。単なる仕訳屋になるのではなく、経理として企業成長にどのように携わるのか、どのように企業を守るのかを教えてくれます。

事業会社に挑戦してみたい方は、基礎を学ぶためにこの2冊を読んでおくことをおすすめします。


──ありがとうございました。


同じ管理部門・士業領域の組織作り、キャリア支援に携わる身として、当事者としてCFOを努めつつ、人材事業を立ち上げた飯島さんのお話は共感できるところがたくさんありました。

より柔軟に円滑に企業と人のマッチングが進むよう、弊社も私も貢献していきたいという気持ちが強まる良い機会でした。

インタビュアー
清水 悠太(しみず ゆうた)/ マーケティングDivision / 執行役員


2005年3月法政大学卒業後、株式会社MS-Japanに入社。
ベンチャー・IPO準備企業を中心とした法人営業を経験した後、キャリアアドバイザーとしてCFO、管理部長、会計士、税理士、弁護士を中心に延べ5000名のキャリア支援を経験。
現在はマーケティングDivision長/執行役員として、マーケティングと新規事業・新規サービスの開発を担当。


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