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経済産業省は、2025年までにキャッシュレス決済比率を4割にするという方針のようだが、各種世論調査をみても、キャッシュレス化には消極的な声の方が多いのが実情のようだ。政府は、キャッシュレス化を後押しする目的と、消費税増税対策の一つとして、キャシュレス決済に5%のポイントを還元するという方針まで示している。
さて、消費者の反応はどうか。スマートサウンドラボ(SSL)が、キャッシュレス社会に対する意識調査を実施したところ、58.8%が10年以内、17.5%が10年より先に「キャッシュレス社会になる」と回答。つまり、75%がやがてキャッシュレス社会になることを実感しているようだ。
ところが、「キャッシュレス社会になって欲しい」は28.2%で、33%が「なって欲しくない」、38.8%が「わからない」という回答を寄せている。時代の流れとして、キャッシュレス社会となるだろうと受け止めているものの、3人に1人がキャッシュレス化に反対というのが消費者の本音とも言える。
さて、その理由だが、「震災時の不安」、「なりすましの不安」、「個人情報流出の不安」という、キャッシュレス社会につきまとう3つの“不安”が、大きく影響しているようだ。
とくに、この調査で浮き彫りになったのが「30〜40代の働きざかり世代がキャッシュレス社会の到来にネガティブな印象を持っている」ということだ。
昨年、地震や豪雨など自然災害が多発したが、ATMが使えなくなるなどのトラブルも発生し、クレジットカードの番号や暗証番号などの漏洩から、不正利用被害額も177億円(前年比の2倍)に達している。
政府の目論見通りにキャッシュレス社会を実現するためには、災害時の対応やセキュリティ対策が先決のようだ。キャッシュレス化の流れは、ビジネスにも大きな影響を及ぼすことから、企業としてもキャッシュレス社会に備え、早めの対策を講じる必要がありそうだ。
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