2026.02.02

新着 行政書士のダブルライセンスおすすめ3選|年収・相性を比較!稼げる組み合わせと実務戦略

「行政書士は食べていくのが難しい」

こんな声をネット上で見かけることがあるかもしれません。
しかし、その原因の多くは業務の「単発性」にあります。安定した事務所経営を実現するには、顧客と長期的な関係を築く「ダブルライセンス」戦略が極めて有効です。

本記事では、現役の視点から行政書士と相性抜群の王道資格や、ニッチ市場を狙う新時代の組み合わせを厳選。年収モデルや実務での相乗効果を比較解説し、稼げる行政書士になるための具体的な戦略を提案します。

目次

資格取得の目的は「経営の安定化」にある

ネット上では「行政書士は食べていくのが難しい」という意見が散見されますが、その背景には行政書士業務特有の構造的な課題があります。それは、多くの業務が「単発(スポット)案件」になりがちであるという点です。

例えば、営業努力の末に「会社設立」の案件を受任したとします。定款作成等の業務を行い報酬を得ますが、設立完了とともにその業務は終了します。その後、顧客が必要とする税務顧問や社会保険手続きといった継続的な業務は、税理士や社会保険労務士へと移行していきます。

行政書士は顧客との最初の接点を作る重要な役割を担っていますが、その後の長期的な関与においては、他士業へバトンタッチせざるを得ないのが現状です。

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行政書士がダブルライセンスを活用するメリット

ダブルライセンスの価値は、単に資格が増えることではなく、行政書士ビジネスの「収益構造」の弱点を補完できる点にあります。

単発型業務から継続型業務への転換

行政書士の主力業務である許認可申請は、許可取得により業務が完了するケースが大半です。そのため、毎月の固定収入(ストック収入)を積み上げにくい側面があり、売上の波を安定させるためには、継続的な営業活動が必要となります。

ダブルライセンスを取得することは、この「不定期な売上の波」を、毎月の顧問料などの「定額収入」で平準化し、経営基盤をより盤石にするための有効な手段となります。

ワンストップサービスによる機会損失の防止

1社の顧客から得られる収益を比較すると、ダブルライセンスの効果は明確です。

【ケース1:行政書士資格のみの場合】

会社設立報酬:10万円
設立後の税務・労務・登記:他士業へ紹介(紹介料0円※)
結果:単発の売上のみで関係性が終了しやすい

※士業間の紹介料(キックバック)の授受は、弁護士法第27条(非弁提携)や各士業の倫理規定に抵触する恐れがあるため、原則禁止されています。

h4>【ケース2:ダブルライセンス(行政書士×社労士)活用の場合】

会社設立報酬:10万円
労務顧問・社会保険手続:月3万円×12ヶ月=36万円 (社労士業務)
初年度合計売上46万円

このように、「ワンストップサービス」を提供することは、顧客の利便性だけでなく、自社の利益率を劇的に改善する最強の手段となります。

【王道編】実務上の相乗効果が高いおすすめ資格3選

数ある資格の中で、実務における親和性が高く、収益確保に繋がりやすい3つの資格を紹介します。

1.行政書士×社会保険労務士(社労士)

【特徴:許認可を足がかりに顧問契約を獲得する】
相性度:★★★★★
勉強時間目安:800〜1,000時間

行政書士と非常に親和性が高く、経営安定化に寄与するのが社労士です。企業の設立から成長(採用・組織化)までを、一貫してサポートできる最も汎用性の高い組み合わせです。

実務連携フロー

  1. 行政書士として
    株式会社や合同会社の「設立手続き」を受任します。創業時の経営者は手続きに追われており、窓口を一本化したいという強いニーズがあります。
  2. 社労士として
    法人が設立されれば、社会保険・労働保険への加入義務が発生します。設立の流れでそのまま加入手続きを行い、毎月の給与計算や労務相談を行う「顧問契約」へと移行します。

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2.行政書士×司法書士

【特徴:法人設立から登記までを完全自社完結】
相性度:★★★★☆
勉強時間目安:3,000時間以上

会社設立依頼において、行政書士は定款認証までを担当し、最終的な登記申請は司法書士に依頼する必要があります。この分断を解消できるのが最大のメリットです。

  • ボトルネックの解消
    司法書士資格があれば、会社設立から役員変更、本店移転、増資、そして解散・清算まで、法人のライフサイクルを自社完結できます。
  • メリット
    会社設立、役員変更、本店移転、増資、解散・清算まで、法人のライフサイクル全てを自社で完結できます。
    近年増加している「相続案件」において、遺産分割協議書の作成(行政書士)から不動産の名義変更(司法書士)までを一気通貫で受任可能です。
  • 注意点
    司法書士試験は非常に難関であり、合格には長期間の学習が必要です。費用対効果と長期的な学習計画を慎重に検討する必要があります。

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3.行政書士×宅地建物取引士(宅建)

【特徴:許認可申請と不動産取引を連動させる】
相性度:★★★★☆
勉強時間目安:300〜400時間

書類作成業務に加え、不動産取引という商流そのものに関わることが可能になります。

  • 実務連携フロー
    1.農地転用(行政書士): 農地を宅地に変更する許可申請を行います。
    2.土地売買仲介(宅建): 許可が下りた土地の売買を仲介します。
  • 収益への影響
    例えば3,000万円の土地売買を仲介した場合、仲介手数料の上限は約105万円(税込)となります。許認可業務と比較して、1件あたりの単価が高いのが特徴です。
    その他、民泊許可申請(行政書士)と物件管理・仲介(宅建)の組み合わせも、需要が高まっている分野です。

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【差別化編】ニッチ市場を独占する「新時代の組み合わせ」

王道資格はライバルも多いため、特定の成長市場に特化して「第一人者」のポジションを取る戦略も有効な戦略です。

国際業務特化(入管法 × 語学・外国人雇用管理士)

  • ターゲット:人手不足の建設、介護、飲食業界
  • 戦略:就労ビザ申請(行政書士)に加え、「登録支援機関」としての支援業務を行います。
  • 強み:外国人材の生活サポートや定期面談など、義務付けられた支援業務をパッケージ化し、継続的なサポート契約を結びます。

ドローン・先端技術特化(航空法 × ドローン操縦者国家資格)

  • ターゲット:測量会社、空撮業者、インフラ点検業者、ドローンスクール
  • 戦略:ドローンの飛行許可申請(行政書士)に加え、国家資格制度への対応支援やスクール運営のサポートを行います。
  • 強み:技術的な知識と法的知識の両方が不可欠な分野です。許可申請から安全管理体制の構築まで、コンサルティング要素の強い業務が可能です。

相続・終活特化(民法 × FP・終活関連資格)

  • ターゲット: 富裕層、資産家、経営者。
  • 戦略:遺言書作成の依頼を待つのではなく、FPとしてライフプランや資産承継の相談段階から関与します。
  • 強み:生前から信頼関係を築くことで、相続発生時の遺言執行や遺産整理業務といった専門業務をスムーズに受任できます。
  • 【注意】ダブルライセンスで「失敗する人」の共通点

    「資格が多ければ良い」というわけではありません。以下の点に注意が必要です。

    資格取得がゴールになっていないか

    資格を複数保有していても、それだけで集客ができるわけではありません。顧客は「何でもできる人」よりも「自分の特定の悩みを解決してくれる専門家」を求めています。「行政書士・社労士・宅建士事務所」と羅列するだけでは専門性が埋没し、何が強みなのか伝わりにくくなる恐れがあります。

    実務経験の重要性

    資格を増やすことは、法改正の追跡や実務知識の習得にかかる労力が倍増することを意味します。まずは行政書士として核となる専門分野を確立し、その業務を補完・強化するために2つ目の資格を取得するのが堅実なアプローチです。

    学習ロードマップと試験の相性

    試験科目の重複と学習負担

    行政書士試験の学習経験を活かせるかどうかで、学習負担は変わります。

    資格 行政書士との科目重複 推奨タイプ 備考
    司法書士 大(民法、憲法、商法) 長期計画・専業受験 科目名は同じでも出題の深さが異なります。
    長期的な計画が必要です
    宅建士 中(民法が重複) 短期集中・独学可 民法の基礎があれば、宅建業法などの暗記で短期合格が可能です
    社労士 小(ほぼ無し) 実務並行・講座利用 労働法・社会保険法が中心のため、ほぼゼロからのスタートになります。

    【戦略別】いつ取るべきか?

    • 短期集中型(宅建など)
      行政書士試験の直後、民法の知識が鮮明なうちに取得するのが効率的です。
    • 長期計画型(司法書士・社労士)
      難易度が高いため、まずは行政書士として開業し、実務と並行して数年計画で挑むのが現実的です。
    • 他士業との提携(パートナーシップ)
      ご自身で資格を取得する以外にも、信頼できる社労士や司法書士と提携し、相互に案件を紹介し合う体制を作るのも一つの経営判断です。

    まとめ:資格は「ゴール」ではなく「最強の武器」になる

    ダブルライセンスの目的は、顧客の課題をより深く解決し、事業としての持続可能性を高めることにあります。

    ご自身の目指す行政書士像が、書類作成の代行にとどまらない「顧客の事業パートナー」であれば、ダブルライセンスはその実現を助ける強力な基盤となるでしょう。

    今後の指針

    • 事業モデルの検討
      自身が目指すのは「安定的な顧問収入(社労士等)」か、「単価の高い専門業務(司法書士・宅建等)」か、方向性を整理する。
    • 必要な資格の選定
      方向性が定まれば、取得すべき資格やスキルはおのずと決まります。
    • 具体的な行動
      学習を開始するか、あるいは補完関係になれる他士業のパートナーを探すか、具体的な一歩を踏み出しましょう。

    Manegy Learning

    Manegy Learningは管理部門・士業の皆さまに向けて、実務に役立つTIPSや資格取得のためのスクール取得などの情報を発信し、みなさまの学びをサポートします。

    MS-Japan

    https://www.manegy.com/learning/

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