2025.04.09

【実務研修費用の調査】自費受講者は6割、払える金額は「1万円未満」

新年度の始まりは「何かにチャレンジしたい」と考える時期でもあります。特にビジネスパーソンのなかには、スキルアップに向けて勉強に取り組む人が多いようです。学習方法として、「研修」「講座」「セミナー」などの受講を検討する人も少なくないでしょう。これらは主に、会社の主導で受けるパターンと受講者自身が自発的に受けるパターンがあります。前者は会社が受講費を負担することが多いようですが、後者は受講者の自己負担が一般的です。

マネジーではこのたび、当サイトを利用するユーザーを対象に「実務研修の費用」に関する実態調査を実施しました。仕事に役立つ研修などを自己負担で受講する際、費用や重視するポイントについてどのように考えているのかをアンケートで尋ねてみましたので、ぜひご参考になさってください。

【調査概要】
調査テーマ:「実務研修の費用」に関する実態調査
調査実施日:2025年2月12日~2月18日
調査方法:Webアンケート
調査対象:マネジー会員ユーザー
有効回答数:440人

目次

自費での実務研修受講経験者は約6割。自費での実務研修受講に積極的な結果。

まず、これまでに業務スキル向上のために自己負担で講座や研修を受講したことがあるかを質問。結果は、「はい(年に1回以上定期的に)」が22.0%、「はい(不定期)」が37.7%、「いいえ」が40.2%でした。

定期的もしくは不定期に講座や研修を自己負担で受講している人は、全体の約6割という結果になりました。受講費を自ら出して講座や研修を受講するということは、学ぶ意欲がより高いと言えます。回答者の皆さんはビジネスメディア(マネジー )の読者であるため、自己研鑽に努める傾向があるのでしょう。

実務研修受講費用、払ってもよいと思える金額と実際に支払った費用にギャップ?

先ほどの質問で「はい(=受講したことがある)」と回答した人を対象に、自己負担で支払った1回あたりの受講費用を聞きました(複数回答)

結果は、受講経験者のなかでの最多が「3,000円未満」で26.2%、以下「5,000円~9,999円」21.9%、「10,000円~19,999円」17.7%と続きました。多くの人は、比較的手頃な費用で受講しているようです。なお、10,000円未満で区切ってみるとおよそ6割の人がこちらに選択していました。

また、「30,000円~50,000円」7.7%、「50,000円以上」は16.2%となり、高額でも自己負担で受講している人が2割以上いるのは興味深いところです。

次に、業務スキル向上のために個人で講座を今後受講する場合、どのくらいの費用なら自己負担で支払ってもよいかを尋ねました。

結果は、最多が「10,000円未満」28.4%、2位は「3,000円未満」27.5%、3位は「5,000円未満」20.5%でした。「3,000円未満」「5,000円未満」「10,000円未満」の合計で75%超えとなり、大半の人は「業務スキル向上のために学びたいけれど、費用は抑えたい」というのが本音のようです。

一方で1つ前の「1回の受講費用で実際に支払った金額」と比較すると、実際に10,000円未満で研修を受講した人は60.4%という結果となりました。さらに30,000円以上の研修を受講すると回答した人は10.7%と、実際に同等の金額を支払った人の半分程度の割合となりました。

このことから、受講したいと思った実務研修が、予算を超えていたとしても受講を決断する傾向があることが伺えます。

受講を決めるポイントは内容。さらに、実務経験に役立つ講座に興味がある傾向

さらに、講座を受講する際に重視するポイントを聞いてみました。その結果、最も多くの回答を得たのは「内容の実務への活用度」で70.9%でした。ほか「受講時間・日程の柔軟性」43.2%、「企業ではなく、個人でも受講しやすい価格」38.4%と続きます。仕事に生かせる内容であること、忙しくても受講しやすいこと、学びたい気持ちに応えてくれる良心的な価格設定であることが重視されているようです。

時間とお金が限られているビジネスパーソンだからこそ、講座や研修は内容最優先、かつ「タイムパフォーマンス(タイパ)」と「コストパフォーマンス(コスパ)」が優れていることが求められています。

最後に、どのような実務講座があれば個人で受講を検討するかを自由記述による回答方式で聞いてみました。数多く集まった回答のなかから、いくつかご紹介しましょう。

  • 税務知識
  • 法務関連
  • FP&A(ファイナンシャルプランニング&アナリシス)
  • IT技術
  • 労働法、租税法
  • ビジネス実務法務検定
  • コンプライアンス研修
  • 英語
  • 伝える力を養うトレーニング
  • 生成AI関連、AI活用セミナー

そのほか、管理部門関連に特化したものからビジネス全般で使える知識のものまで、幅広いジャンルにわたって回答が寄せられました。

まとめ

今回の調査で、「実務研修の費用」について以下のことがわかりました。

  • 業務スキル向上のために、費用を自己負担して講座や研修を受講したことがある人は約6割。
  • 自己負担で支払った1回あたりの受講費用、最多は「3,000円未満」で、全体的に低額傾向。
  • 今後、自己負担で受講する場合の支払許容額、最多は「10,000円未満」。
  • 講座や研修を選ぶ際の重視ポイントは「実務で活用できる内容、タイパ、コスパ」。

上記から、費用を自分で支払ってでもスキルアップのために講座や研修を受講したい人が数多くいる一方で、受講料は低額傾向と言えます。“自腹を切る”からこそ、実務で活用できる内容や費用対効果などへの期待値が高く、学ぶことへのモチベーションになっていると言えそうです。

なお、マネジー ではこれからも働く皆さんのお役に立てる情報を発信してまいりますので、ぜひご注目ください。

Manegy Learning

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