2025.04.14

ビジネス実務法務検定2級の難易度は?合格率や勉強時間を詳しく解説

ビジネス実務法務検定(通称:ビジ法)は、東京商工会議所が主催する法律系の資格試験で、企業活動に必要な法律知識を幅広く学べることが特徴です。実務に即した内容が中心で、企業法務の基礎知識から、契約、知的財産、労働関係法など、日々の業務で直面する可能性のある法律問題に対応する力を養うことができます。

レベルは3級、2級、1級と分かれており、2級は中堅社員〜法務担当者レベルを想定した内容です。法律系のキャリアを志すビジネスパーソンであれば、取得しておいて損はない資格といえるでしょう。

目次

ビジネス実務法務検定2級の難易度は?合格率と必要な勉強時間の目安

難易度の目安

「ビジネス実務法務検定2級 難易度」は、法律初学者にとってやや高めとされています。3級に比べて専門性が増し、契約書の具体的な条文や、ケーススタディ形式の設問も出題されるため、知識だけでなく実践的な判断力も問われます。

法律に馴染みのない方にとっては、専門用語の多さや文章の読解に苦戦することもあるでしょう。とはいえ、しっかりと計画的に学習すれば、独学でも十分に合格可能なレベルです。

合格率の推移

ビジネス法務検定2級の合格率は、年によって多少のばらつきがありますが、概ね40%前後で推移しています。参考までに、直近で行われた2024年度第56回試験の合格率は約41.9%でした。

また、直近2年分の合格率推移については、以下の通りです。

2024年度 試験結果 (全国分)

シーズン・試験回 受験者数(人) 実受験者数(人) 合格者数(人) 合格率
第1シーズン 第55回 2級 6,383 5,454 1,828 33.5%
3級 9,227 8,285 3,348 40.4%
第2シーズン 第56回 1級 587 445 74 16.6%
2級 7,695 6,586 2,759 41.9%
3級 10,358 9,338 4,321 46.3%
2024年度 合計 1級 587 445 74 16.6%
2級 14,078 12,040 4,587 38.1%
3級 19,585 17,623 7,669 43.5%

2023年度 試験結果 (全国分)

シーズン・試験回 受験者数(人) 実受験者数(人) 合格者数(人) 合格率
第1シーズン 第53回 2級 6,037 5,218 1,523 29.2%
3級 8,027 7,344 3,511 47.8%
第2シーズン 第54回 1級 589 467 49 10.5%
2級 7,301 6,351 2,455 38.7%
3級 8,999 8,259 4,392 53.2%
2023年度 合計 1級 589 467 49 10.5%
2級 13,338 11,569 3,978 34.4%
3級 17,026 15,603 7,903 50.7%

参照:東京商工会議所公式サイト

この合格率からもわかるように、決して簡単な試験ではありません。しかし、一定の学習時間を確保すれば十分合格を狙える試験です。

勉強時間の目安

ビジネス実務法務検定2級を合格するために必要な勉強時間は、一般的に60時間〜90時間程度と言われています。法律に関する前提知識がある方であれば、もう少し勉強時間を抑えて合格するケースもありますが、初学者の場合は100時間前後を見込んでおくと安心です。
例えば、1日1時間の勉強をした場合、2〜3ヶ月ほどで合格を目指せる計算になります。

出題範囲と問題形式は?ビジネス実務法務検定2級の試験内容を解説

試験の形式

ビジネス実務法務検定2級はマークシート形式の四肢択一式で、全40問出題されます。試験時間は90分、100点満点中70点以上で合格です。

出題分野

出題分野は以下のとおり、多岐にわたり、主な分野は以下の8つになります。

  • 企業取引の法務
  • 債権の管理と回収
  • 企業財産の管理・活用と法務
  • 企業活動に関する法規制
  • 株式会社の組織と運営
  • 企業と従業員の関係
  • 紛争の解決方法
  • 国際法務(渉外法務)

また、3級の内容も併せて出題されるため、基礎的な部分の復習も行っておくと、より安心です。

ケーススタディ問題も出題

ビジネス実務法務検定2級の特徴のひとつに、実際のビジネスシーンを模した事例問題(ケーススタディ)が多く出題される点があります。問題文が長く、選択肢の表現も細かいため、読解力や状況判断力も必要とされます。

より実務に即した内容が問われるため、条文暗記だけではなく、実際のビジネスシーンを想定した応用的な理解が求められます。

ビジネス実務法務検定3級と2級の違いを比較!どちらから受験すべき?

難易度の差

公式サイトには、各級の基準として以下のように記載されています。

3級
ビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基礎的法律知識を有し、問題点の発見ができる。(ビジネスパーソンとして最低限知っているべき法律実務基礎知識を想定)

2級
企業活動の実務経験があり、弁護士などの外部専門家に対する相談といった一定の対応ができるなど、質的・量的に法律実務知識を有している。(知識レベルのアッパーレベルを想定)

参考:東京商工会議所公式サイト

ビジネス実務法務検定3級は「法律初学者向け」として設計されており、基本的な法的知識や用語の理解が中心です。対して、2級ではより実務に即した内容と、複雑な判断が求められるため、難易度に大きな差があります。

出題内容の違い

3級は基礎知識中心で、各法律の条文や制度を広く浅く学ぶ構成になっています。2級は応用力重視かつより実務的な内容になっており、実際の取引や契約に関わる判断、トラブルへの対応など、現場感のある設問が多いのが特徴です。

たとえば、契約書の一部を示して、「この条文に問題はないか」「どのように修正すべきか」といった問題も出されるため、知識の定着だけでなく、活用スキルも求められます。

受験のステップとして

ビジネス実務法務検定2級は、受験資格を設けていないません。したがっていきなり2級から受験をすることも可能です。

とはいえ、初めて法律を学ぶ方は、まず3級を受験して基礎を固め、その後2級にステップアップするのが一般的です。ただし、すでにある程度の法律知識がある方や、実務経験がある方は、最初から2級にチャレンジしてみてもよいでしょう。

独学でも合格できる!ビジネス実務法務検定2級のおすすめ勉強法

テキストと過去問を併用する

ビジネス実務法務検定2級の学習では、信頼できるテキストと過去問題集の併用が基本です。まずはテキストを通読して全体像を掴み、各分野のポイントを押さえましょう。その後、過去問を繰り返し解くことで、出題パターンに慣れ、実力を養えます。

スキマ時間を活用する

通勤や休憩時間を活用し、スマホで法令用語をチェックしたり、単語帳アプリでキーワードを復習するのも効果的です。条文の細かな表現に慣れるには、反復学習がカギになります。

模擬試験を解いて時間配分を確認

試験本番では90分の時間配分も重要です。特に事例問題は読むだけで時間がかかるため、模擬試験で時間を計りながら練習することで、実戦力を高めましょう。

法務関連の実務経験を活かす

日頃から契約書のチェックや法的相談に関わっている方であれば、実務経験がそのまま学習に活きます。実務とリンクさせながら学ぶことで、理解も早まり、記憶にも定着しやすくなります。

もちろん、上記を全て自分でこなすことも可能です。しかし、

  • どれが信頼できるテキストか分からない
  • スキマ時間をうまく活用できる自信がない
  • 模試ってどうやって受ければいいの?

などの不安や疑問をお持ちの方は、資格講座の受講を検討してみてもよいかもしれません。
下記の記事でおすすめの資格講座を3つに絞って紹介しています。
ぜひチェックしてみてください。

ビジネス実務法務検定2級に合格したいなら?オススメの資格講座3選をピックアップ

ビジネス実務法務検定2級はしっかり勉強をすれば独学で合格可能!実務にも活かせる資格

ビジネス実務法務検定2級は、法律の知識を実務に活かしたいビジネスパーソンにとって、非常に有用な資格です。難易度は中程度ながら、合格率は40%前後と、決して高くはない数字です。

しかし、60〜90時間の学習時間を確保し、テキストと過去問を活用した計画的な勉強をすれば、十分に合格は狙えます。

法律知識はどの業種にも求められる普遍的なスキルです。昇進や転職におけるアピールポイントとしても強力な武器となるビジネス実務法務検定2級、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

おすすめ記事:
ビジネス実務法務検定2級に合格したいなら?オススメの資格講座3選をピックアップ

Manegy Learning

Manegy Learningは管理部門・士業の皆さまに向けて、実務に役立つTIPSや資格取得のためのスクール取得などの情報を発信し、みなさまの学びをサポートします。

MS-Japan

https://www.manegy.com/learning/

この講師の他の授業