新着 司法書士試験の難易度は?合格率・年収・勉強法まで徹底解説!

司法書士とは、不動産登記・商業登記・裁判所提出書類の作成などを担う法律の専門家です。合格率はわずか5%前後で難易度の高い資格と言われています。
この記事では、司法書士試験の難易度について、試験の概要、必要な勉強時間、独学と講座受講との比較、合格後のキャリアなどをわかりやすく解説します。これから司法書士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
司法書士とは?基本と仕事内容
司法書士はどのような資格で、その仕事内容はどういうものがあるでしょうか? ここでは、「司法書士とは何か」について解説します。
司法書士とは
司法書士とは、法務局や裁判所などに提出する書類の作成および提出手続きを行う専門職で、国家資格です。法律知識に基づき、不動産や法人に関する登記業務、裁判関連書類の作成、成年後見制度の手続きなどを取り扱います。登記業務の一部は司法書士の独占業務とされており、他の士業では取り扱えない重要分野です。合格すれば独立開業も可能で、“法律事務の専門家”として自らの事務所を構えることもできます。
司法書士の仕事内容
商業登記
商業登記とは、会社の商号や所在地、役員などの情報を法務局に登録し、一般に公開すること。商業登記をしなければ法人として認められないため、会社を設立する際には登記の手続きが欠かせません。この商業登記に関する書類の作成や申請代理などを、司法書士は行います。また、M&A(合併・買収)に関する登記手続きも業務のひとつです。
不動産登記
不動産登記では、土地や建物などの不動産に関する権利や所在地、所有者などの情報を公的に記録・証明します。主に、不動産の売買や相続、贈与があった際に発生し、司法書士はその登記を代行します。2024年に相続登記の義務化が施行され、司法書士の需要は高まっているのです。
裁判所提出書類の作成
自己破産、個人再生、過払い金請求など、裁判所へ提出する書類を作成します。認定司法書士の場合は、簡易裁判所での訴訟代理業務もできます。また、債務整理の相談対応や消費者トラブルに対する法的アドバイスなども、大事な任務です。
成年後見制度に関する手続き
認知症などで判断能力が低下した人の生活や財産を守るための「成年後見制度」において、後見人の役割を果たすこともあります。依頼人の家族の支援が難しい時や財産管理において専門知識が必要なとき、司法書士のサポートは大きな力となります。
以上が、司法書士の主な仕事です。
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司法書士試験の概要
司法書士の資格試験は毎年1回、筆記試験と口述試験の2段階で行われます。実施するのは法務省で、筆記試験の実施日は例年7月、口述試験は同10月です。
筆記試験
筆記試験は1日のなかで午前の部と午後の部に分かれており、以下の形式で構成されています。
- 択一式(マークシート)試験:午前の部35問+午後の部35問=計70問
- 記述式:計2問(事例問題形式)
出題科目は、午前の部が憲法・民法・刑法・商法(会社法)の4科目、午後の部が民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法・供託法・不動産登記法・商業登記法の7科目で、計11科目となります。法律知識を幅広く問われる試験となるため、しっかりと準備をしたうえで臨みましょう。
口述試験
筆記試験の合格者のみが受けられます。主に筆記試験と同じような内容のことを面接形式で問われ、基本的な知識確認が中心です。合格率は非常に高いため、筆記試験が実質的な関門とされています。
筆記試験と口述試験のどちらも合格したら、司法書士登録を行い、司法書士として正式に活動を始めることができます。
成年後見制度に関する手続き
認知症などで判断能力が低下した人の生活や財産を守るための「成年後見制度」において、司法書士が後見人として選任されることもあります。高齢化社会である現代に、ますますニーズが高まっている分野です。成年後見制度は、家族の支援が難しい時や財産管理に一定の専門性が必要な場合に、司法書士が法的サポートを担います。
司法書士試験の難易度は?
この項では司法書士の資格試験の難易度について、他の士業とも比べながらご紹介します。
受験者数と合格者数の最新データ
令和6年度(2024年)実施の司法書士試験は以下のとおりでした。
- 受験者数:13,960人
- 合格者:737人(合格率 約5.2%)
このように、司法書士試験の合格率は非常にも低く、「難関」と位置づけられています。弁護士や税理士等と並んで8士業という呼ばれ方もすることがあります。
司法書士の資格試験が難しい3つの理由
合格率が約4~5%という難関資格である司法書士。ここでは、合格が非常に難しい理由を解説します。
1.出題範囲が広い
司法書士試験は計11科目から出題され、登記に関する専門知識も必要です。幅広い分野を網羅的に勉強し、知識を身に付ける必要があります。
2.科目ごとにバランスよく学ぶ必要がある
司法書士試験は、全11科目において基準以上の点数を取らなければなりません。得意科目で高得点を取り、苦手科目分をカバーする、という対策を講じることができないのです。苦手科目が複数あるような状態だと合格に近づけないため、全科目バランスよくまんべんなく学ぶ戦略が求められます。
3.相対評価で合否が決まる
択一式では知識の正確性、記述式では実務力と表現力が試されます。また、司法書士の試験は、一定の点数以上で合格が決まる「絶対評価」ではなく、他者と比較して評価される「相対評価」で合否が決まります。成績上位5%程度に入らなければならないため、目標を定めにくい難しさがあります。
3.相対評価で合否が決まる
択一式では知識の正確性、記述式では実務力と表現力が試されます。また、司法書士の試験は、一定の点数以上で合格が決まる「絶対評価」ではなく、他者と比較して評価される「相対評価」で合否が決まります。成績上位5%程度に入らなければならないため、目標を定めにくい難しさがあります。
合格までの勉強時間とスケジュール一例
司法書士試験の合格までに必要な勉強時間についても、気になるところでしょう。この項でご説明します。
合格に必要な勉強時間
司法書士試験の合格に必要な勉強時間は3,000時間程度と言われています。まずは基本的な法律知識を習得するための勉強が必要で、過去問や模擬試験にしっかり取り組み、試験の形式に慣れることが効果的です。
勉強方法は、独学を選ぶ人もいますが、一般的には通信・通学・オンラインなどの講座受講で勉強する人が多い傾向があります。
合格に必要な勉強時間の目安
3年間で合格を目指す場合であれば、、仕事がある平日は2時間、時間を取りやすい週末は5時間程度を目安続けると3,000時間に到達します。または、毎日3時間の勉強を3年間続けても計3,000時間以上となります。<> ご自身の目標から逆算して、1日あたりの勉強時間を算出して計画的に勉強を進めましょう。
司法書士試験は独学で合格できる?講座との比較
ここでは、独学と講座(通学・通信・オンラインなど)のそれぞれのメリットとデメリットをあげてみました。
独学のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
教材費のみで費用が安い | 情報収集が必要 |
自分のペースで勉強できる | モチベーション維持が課題 |
独学のメリットは、勉強のコストが低く、自分のペースで進められること。一方で、法改正をはじめとしたあらゆる最新情報を自らキャッチアップする必要があり、また、勉強のモチベーション維持にも努めなければなりません。司法書士試験を独学で合格する人はゼロではないですが、はほとんどの人が、資格講座を利用して合格を目指します。
講座のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
効率的かつ体系的に学べる、本番形式の模試を受けられる | 自分のペースで進めにくい |
質問や相談への対応がよい、法改正など最新情報を得やすい | 通学やオンラインは時間の拘束がある、受講費用が高め |
通学・通信・オンラインなどの講座を受講するメリットは、最新の出題傾向や法改正などへの対応をしっかりできること。特に、筆記試験の記述式問題では実務レベルの応用力が求められるため、講座を利用したほうが効果的です。また、質問や相談などのサポートが万全な点も、受験生にとっては心強いです。ただし、費用は大きくかかり、通学やオンラインの場合は時間の制約もあります。
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一般的に士業は高年収というイメージがありますが、司法書士はどうでしょうか?
まず、司法書士の全国平均年収は765.3万円となっています(厚生労働省 職業情報提供サイトjob tagの情報に基づく)。
東京都に限って見ると934.4万円で、地域差があることがわかります。一般的に、大都市圏では案件数が多く高収入を期待できますが、地方では案件数が限定されるため収入が低めの傾向があります。ただし、地元密着型で住民からの支持を得られれば、案件数を確保できて収入も上がるでしょう。
司法書士としてのやりがいは、依頼者の信頼を得て、生活やビジネスの重要な面をサポートできることです。資格の受験には高度な法的知識と試験対策が求められますが、資格取得後は開業や企業勤務など自分に合った働き方を選び、充実したキャリアを築くことができるでしょう。司法書士の資格取得を目指すのは、いつでも始められます。もし興味があったら、ぜひチャレンジへの第一歩を踏み出してみてください。
資格取得後の転職とダブルライセンスについて
司法書士の資格を得ても、すぐに司法書士として働かず、資格をアピールして企業の法務部や金融業界などに転職をするという道もあります。
また、さらに他の資格を取得したいわゆる「ダブルライセンス」保有者となり、活躍の場を広げるという方法も。例えば、行政書士なら、会社設立などで業務の幅が広がるでしょう。
まとめ
司法書士試験は合格率4~5% 程度と非常に難易度が高い試験です。しかし、しっかりとした対策を立てて計画的に勉強を続ければ、合格に近づくことができます。
独学は自分のペースで自由に勉強できる分、最新情報を押さえたり、勉強へのモチベーションを維持したりするうえでは大きな努力が必要です。特に、司法書士のように高度な専門知識が必要な資格試験では、講座のサポートが非常に心強い存在になります。
自分に合った勉強方法を選び、司法書士というプロフェッショナルなキャリアをぜひ目指してみませんか?
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