新着 【ダブルライセンス】司法書士の価値を最大化!相性の良い資格8選とおすすめの理由を解説

司法書士として日々の業務をこなし、専門性を磨く中で、ふと「5年後、10年後も第一線で活躍できているだろうか」という将来への問いが頭をよぎることはないでしょうか?
司法書士の登録者数は増加傾向にあり、さらに、AIの進化は、定型的な業務のあり方を根本から変えようとしています。このような環境下で安定したキャリアと収入を得るには、学び続けることが大切になります。
そうした中でキャリアの可能性を高めるための戦略として「ダブルライセンス」に興味がある方は少なくないでしょう。
今回は、数ある選択肢の中から司法書士と特に相性の良い資格を8つ厳選してご紹介します。あなたのキャリアを明るくする「次の一手」を見つけるきっかけとして、ぜひ参考にしてください。
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司法書士と相性の良いダブルライセンス資格8選
まずは、司法書士とのダブルライセンスで特におすすめの選択肢を8つご紹介します。ぜひご自身のキャリアプランと照らし合わせながらチェックしてみてください。
資格名 | 相性 | 特徴 |
---|---|---|
行政書士 | ★★★★★ | 業務範囲が隣接し、特に独立開業時に強力な武器となる。 |
税理士 | ★★★★★ | 相続・事業承継分野で最強のシナジー。難易度は最高峰。 |
土地家屋調査士 | ★★★★★ | 不動産登記を完全ワンストップ化。高収入が期待できる。 |
社会保険労務士 | ★★★★☆ | 企業法務の専門家へ。顧問契約による安定収入が魅力。 |
宅地建物取引士 | ★★★★☆ | 不動産業界との連携を強化し、集客と実務の幅を広げる。 |
FP(1級/CFP®) | ★★★☆☆ | 相続・財産管理のコンサルティング能力を強化する。 |
中小企業診断士 | ★★★☆☆ | 経営視点をプラスし、法務の枠を超えたアドバイスを実現。 |
隣接業務をカバーする行政書士や宅建士は、試験科目に重複があるため挑戦しやすい資格といえます。
土地家屋調査士や税理士は難易度が高いですが、大きなリターンが期待できるでしょう。
また、英語力は、特定の分野でキャリアを切り拓くための強力な武器となります。
例えば、海外クライアントとの円滑な意思疎通や書類作成を可能にし、国際相続や外資系企業の日本法人設立といった、専門性が高く高単価な業務の受注に不可欠です。グローバルな活躍を目指すための重要なスキルと言えるでしょう。
なぜ司法書士にダブルライセンスが必要なのか?
司法書士という高い専門性を持つ資格だけではなく、なぜ「次の一手」が必要なのでしょうか。その背景には、2つの大きな環境変化があります。
理由1:AI時代の到来と「コンサルティング能力」の重要性
近年、法務省は登記事務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進しており、不動産登記・商業登記のオンライン申請はすでに広く普及しています。今後、AI技術が進化すれば、単純な書類作成や形式的なチェックといった定型業務は、より自動化されていく可能性が指摘されています。
このような時代において司法書士に求められるのは、単なる「手続きの代行者」ではなく、複雑な権利関係の整理、個別具体的な事情に応じた最適な法的解決策の提案、そして顧客の不安に寄り添うといった、高度なコンサルティング能力です。
ダブルライセンスは、このコンサルティング能力に別の専門性という武器を加えることができます。例えば、相続登記に税務の知識が加われば、単なる名義変更だけでなく、二次相続まで見据えた節税対策を提案できるようになります。
理由2:司法書士の競争激化と「専門性」による差別化戦略
司法書士を取り巻くもう一つの現実は、競争の激化です。日本司法書士会連合会のデータによると、司法書士の会員数は年々増加傾向にあります。
2015年は21,658人だった登録者数は、2025年4月時点で23,387人となっており、10年で1700人以上の増加となっております。
会員数が増えれば、当然、顧客獲得競争は激しくなります。その中で価格競争に陥らず、顧客から選ばれる存在になるためには、専門性による差別化が不可欠です。
司法書士がダブルライセンスを目指すメリット・デメリット
ダブルライセンスには大きな可能性がありますが、その決断を下す前には、メリットとデメリットを客観的に把握しておくことが重要です。
司法書士の価値を高める5つのメリット
年収アップが期待できる
複数の専門性を持つことで、より高単価な案件や顧問契約の獲得が可能になり、年収向上に直結します。
対応できる業務範囲が広がり、顧客単価が上がる
ワンストップでサービスを提供できるため、他士業に流れていた業務も受注でき、結果的に顧客一人当たりの単価アップに繋がります。
「〇〇専門」という強力な武器で差別化できる
「相続専門」「企業法務専門」といった看板に、他資格が加わることで説得力が生まれ、競合との差別化が明確になります。
紹介に頼らない「集客力」が身につく
対応範囲が広がることで、様々なニーズを持つ顧客に直接アプローチでき、集客の幅が格段に広がります。
他士業との人脈が広がり、ビジネスチャンスが増える
複数の資格を持つことで、異なる分野の専門家との交流が生まれ、新たなビジネスチャンスのきっかけになる可能性があります。
知っておくべき3つの注意点
学習時間と費用の負担
資格取得には相応の時間と費用が必要です。例えば、社会保険労務士の合格に必要な学習時間は800~1,000時間、資格予備校を利用する場合の費用は20万円前後が一般的です。
登録費用・年会費のランニングコスト
資格を維持するには、各資格ごとの登録料や年会費が発生します。例えば、東京都の場合、行政書士会の登録料・入会金で30万円弱、年会費が約8万円程度かかります。(※各都道府県会により変動)
業務が複雑化し、かえって非効率になるリスク
対応範囲が広がることで、業務管理が煩雑になる可能性があります。
【資格別】主要ダブルライセンスのメリットを解説
ここでは、一覧でご紹介した選択肢と司法書士業務が、具体的にどのように結びつき、どのような価値を生むのかを解説します。
行政書士|独立開業の手続きをワンストップで対応
メリット
会社法に基づく設立登記(司法書士)を完了した後、事業に必要な建設業法上の「建設業許可」や、食品衛生法上の「飲食店営業許可」といった各種許認可申請(行政書士)まで、一気通貫でサポートできます。これにより、顧客は複数の専門家を探す手間が省け、起業家から絶大な信頼を得ることができます。
税理士|相続・事業承継分野で協力な組み合わせ
メリット
相続案件において、相続登記や遺言書作成(司法書士)と、相続税法に基づく相続税申告(税理士)は不可分の関係です。これを一人で対応できれば、申告期限を見据えたスムーズな遺産分割協議の進行や、二次相続まで考慮した最適な節税対策の提案が可能になります。
土地家屋調査士|不動産登記のプロとして唯一無二の存在に
メリット
不動産登記は、土地の物理的状況(地目、地積など)を記録する「表示に関する登記」(土地家屋調査士の独占業務)と、所有権などの権利関係を記録する「権利に関する登記」(司法書士の独占業務)の両方が必要です。この2つの資格を持つことで、不動産登記に関する全ての手続きを一人で完結でき、顧客や不動産会社に最高レベルの利便性を提供できます。
社会保険労務士|「企業の法務・労務」を支える専門家へ
メリット
会社設立や役員変更といった商業登記(司法書士)に加え、労働保険・社会保険の手続き、就業規則の作成、助成金申請といった人事・労務管理(社会保険労務士)まで、企業のバックオフィス業務をトータルで支援できます。
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宅地建物取引士|不動産業界に深く食い込み、集客の幅を広げる
メリット
宅地建物取引業法に基づき、不動産の売買・仲介を行うことができるようになります。例えば、相続登記で名義変更した不動産を「売却したい」という顧客のニーズに対し、そのまま売却査定から仲介まで対応可能になります。これにより、顧客満足度を高めると同時に、仲介手数料という新たな収益源を確保できます。
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FP(1級/CFP®)|顧客のライフプランに寄り添う財産管理のプロへ
メリット
相続登記や遺言作成、成年後見といった法律手続き(司法書士)に、顧客の家計や保険、年金、資産運用といったライフプランニング(FP)の視点を加えることで、より顧客の人生に寄り添った総合的なコンサルティングが可能になります。
中小企業診断士|経営コンサルティングの視点を持つ法務アドバイザー
メリット
会社法務(司法書士)の知識に加え、中小企業支援法に基づく経営診断・助言(中小企業診断士)のスキルを持つことで、法務の枠を超えた経営戦略レベルでのアドバイスが可能になります。資金調達の際の事業計画書作成支援など、具体的な経営サポートを提供できます。
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まとめ
本記事では、司法書士がダブルライセンスを目指すことの戦略的な重要性と、具体的な8つ資格について、解説しました。
変化の激しい時代において、司法書士が新たな専門性を身につけることは、単なる資格の追加ではありません。自身の市場価値を高め、顧客の多様なニーズに応え、AIには代替できない価値を提供するための、未来への「戦略的投資」です。
重要なのは、人気や流行に流されるのではなく、ご自身のキャリアプランに合った資格を主体的に選択することです。
まずは、この記事を参考に「自分の場合はどの選択肢か?」という仮説を立ててみましょう。 次に、その資格の公式サイト、資格予備校の無料講座などで、より具体的な情報を集めることから始めてみてください。
未来の自分への最高の投資として、最初の一歩を踏み出しましょう。

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