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システムの開発やWebサイトの制作は、金額的に大きな投資となることも多く、会社にとって慎重に進める必要があるプロジェクトです。さらに、契約内容をよく確認しないまま進めると、知らないうちに著作権侵害等、著作権に関連するトラブルに発展することがあります。
今回はシステム開発やWebサイト制作などを外注する場合の著作権に関する問題と、契約書において著作権に関連しどんな内容を定めておくべきかを解説します。
システム開発やWebサイト制作の外注では、著作権の問題について理解しておく必要があります。
まずは概要を確認していきましょう。
著作権とは、著作物を創作した著作者に対し、法律上認められる権利で、他人が「無断で○○すること」を止めることができる権利といわれます。著作者の権利は大きく分けると「著作者人格権」と「著作権(財産権)」の2つで構成されており(著作権法17条1項)、「著作者人格権」は著作者の精神的利益を守る権利であり、一身専属、つまり他人に譲渡できない権利です。一方「著作権(財産権)」は著作者の財産的利益を守る権利で、他人に譲渡することが可能です。また著作権は、申請や登録などの手続きは必要なく、創作した時点で自動的に発生します(著作権法17条2項)。
なお、著作権法には「著作権」という名称の権利は規定されておらず、複製、上演、演奏、公衆送信、翻訳・翻案といったように利用形態ごとに権利が規定されています。この多数ある権利のうち、システム開発やWebサイト制作においては、例えば下記の①~④の権利などが問題となります。
①送信可能化権(著作権法2条1項9号の5):著作物を他人に無断でインターネット上にアップロードされない権利
②複製権(著作権法21条):著作物を他人に無断でコピーされない権利
③翻案権(著作権法27条):著作物を他人に無断で修正されない権利
④同一性保持権(著作権法20条):自分の著作物の内容や題号を、自分の意に反して無断で「改変(変更・切除等)」されない権利
なお、①~③は「著作権(財産権)」で他人に譲渡可能ですが、うち③27条翻案権(及び28条の権利)は著作権譲渡の契約において、”27条、28条の権利を譲渡する旨を特記“していない場合は元の著作者に留保されることとなっています。また④同一性保持権は著作者人格権であり、他人に譲渡することはできません。具体的な対応方法など詳しくは後述します。
システム開発やWebサイト制作において、開発されたシステムのソフトウェアや、Webデザイン及び当該Webデザインを構成する画像、文章、音楽、動画といったコンテンツは、「著作物」に該当することが一般的です。そこで、外注によるシステム開発やWebサイト制作では、これら成果物の著作権の帰属が重大な問題となります。
委託料を支払って制作してもらい、納入された成果物であっても、著作権は当然に自社に譲渡されるわけではないことが重要なポイントです。原則として著作権は著作物を創作した人に帰属するため、外注で制作されたシステムのソフトウェアやWebサイトのコンテンツの著作権は依頼を受け制作した側(つまり外注先)に帰属します。この著作権について適切に処理しておかないと、発注した企業としては、自社のシステムやWebサイトであるにもかかわらず、自由に公開、コピー、修正などの利用をすることができない(著作権侵害する)こととなってしまいます。
まずは、システム開発の場合について解説します。
◆WRITER
弁護士 小野 智博
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
企業の海外展開支援を得意とし、日本語・英語の契約をレビューする「契約審査サービス」を提供している。
また、ECビジネス・Web 通販事業の法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約等作成・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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