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正論ハラスメント(ロジハラ)とは|職場で起きやすい事例や対策を解説

公開日2025/09/23 更新日2025/09/22 ブックマーク数
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正論ハラスメント(ロジハラ)とは|職場で起きやすい事例や対策を解説

近年、職場におけるハラスメントの形態が多様化しており、その中でも「正論ハラスメント(ロジハラ)」が新たな問題として注目されています。
正論ハラスメントは、一見すると正当な指摘に見えるため発見が困難で、被害者が声を上げにくいという特徴があります。

企業の管理部門として、適切な対応策を理解し、健全な職場環境を維持することは重要な責務です。
本記事では、正論ハラスメントの定義から具体的な対応方法まで、実務に必要な知識を体系的に解説します。

[ 目次 ]

正論ハラスメント(ロジハラ)とは

正論ハラスメント(ロジハラ)とは、内容的には正しい指摘や論理的な主張を、相手の人格を否定するような方法で行うハラスメントを指します。
「正論だから問題ない」という考え方が背景にありますが、伝え方や頻度、タイミングによっては相手に精神的苦痛を与える行為となります。

厚生労働省が定めるパワーハラスメントの定義では、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」とされており、正論ハラスメントもこの範疇に含まれる可能性があります。

正論とハラスメントの境界線

適正な業務指導は、業務上の必要性に基づき、相手の成長を促す建設的な内容であることが特徴です。
伝え方も相手の立場や感情に配慮し、改善に向けた具体的な方法を提示します。

さらに、指導のタイミングや頻度も適切で、相手が受け入れやすい状況を整えたうえで行われます。
一方、正論ハラスメントは、内容自体が正しくても、相手の人格を否定する言動や威圧的な態度を伴う点に特徴があります。
公の場での執拗な追及、改善の機会を与えない一方的な批判、相手の感情や状況を無視した発言などが典型例です。

職場で起きる正論ハラスメントの事例

実際の職場で発生している正論ハラスメントの具体例を理解することで、早期発見と適切な対応につなげることができます。
以下に典型的な事例を示します。

事例①:会議での過度な論理追及

月次報告会において、営業目標を達成できなかった理由を説明した社員に対し、上司が「その分析は甘い」「論理的思考が足りない」「君には営業の適性がない」といった発言を繰り返すのは、正論ハラスメントに該当するケースとなり得ます。

指摘内容そのものは業務上妥当な視点を含んでいても、他の社員が同席する場での執拗かつ威圧的な追及は、相手の尊厳を傷つけ、心理的安全性を損なう典型例です。

このような場面では、「伝え方」と「状況への配慮」が何より重要です。
適切な指導とするには、個別面談で冷静に話し合い、相手の立場を尊重しながら改善策を共に検討することが望まれます。

職場での信頼関係を維持し、過度な心理的負担を防ぐためにも、指導者にはタイミング・場所・表現方法に十分な配慮が求められます。

事例②:メールでの感情的な正論

経費申請に不備があった社員に対し、上司が送った指導メールに「経費規程を理解していないことが明らか」「基本的なミスは社会人として失格」「会社の損失につながることを自覚せよ」といった表現が含まれている場合、正論ハラスメントに該当するケースとなり得ます。
申請ルールの周知という目的は正当でも、文面が感情的かつ攻撃的であり、人格を否定する表現となっていたためです。

このようなケースを適切な業務指導とするためには、いくつかの配慮が必要です。
まず、指摘内容は冷静かつ具体的に伝え、感情的・断定的な言い回しや人格否定につながる表現は避けなければなりません。
たとえば「社会人として失格」といった評価的な言葉ではなく、「経費規程の○条に基づき、再確認をお願いします」といった事実ベースの指摘が望ましいです。

事例③:新人への過度な教育指導

新入社員に対して、書類作成の進捗が遅いことを理由に「なぜこんな簡単な作業に時間がかかるのか」「大学で何を学んできたのか疑問だ」「このままでは会社に迷惑をかける」といった発言を毎日のように繰り返す行為は、正論ハラスメントに該当するケースとなり得ます。

業務効率の向上という目的があっても、新人の成長段階を無視した過度な要求や人格を否定する表現は、適切な指導の範囲を逸脱します。
新人のミスや遅れの背景には、知識不足や業務への不慣れがある場合も少なくありません。

そのため、指導者は具体的な助言や段階的な目標設定を提示し、着実にステップアップできる環境を整えることが重要です。
頭ごなしの否定や断定ではなく、支援と対話を重ねる姿勢が、新人の成長を促す建設的な指導につながります。

職場で起きる正論ハラスメントの対応マニュアル

正論ハラスメントの相談を受けた際の対応は、通常のハラスメント対応と同様の慎重さと専門性が求められます。
以下に実務的な対応フローと注意点を示します。

相談受付から事実確認までの実務フロー

相談を受けた際は、まず相談者の心理的安全を確保することが大切です。
内容を否定せず傾聴し、守秘義務や今後の流れを説明して安心感を与えます。

初期対応では、日時・場所・関係者・言動・目撃者の有無・影響などを可能な範囲で記録しますが、無理に詳細を問い詰めてはいけません。
その後、相談者の同意を得て関係者への聞き取りを行います。
被申告者への確認は先入観を排し、事実把握に徹する姿勢が必要です。

適正な処分判断と就業規則への反映

正論ハラスメントに対する処分判断では、行為の悪質性、継続性、被害の程度、行為者の反省の態度などを総合的に評価します。
その際、処分の根拠となる就業規則の規定が明確に定められていることが不可欠です。

多くの企業では、就業規則にパワーハラスメントの禁止規定を設けていますが、正論ハラスメントについて明示しているケースは少ないのが実情です。

そのため、規定の見直しや新設が求められる場合があります。
改定例としては、「業務上の指導において、相手の人格を否定する言動や過度に威圧的な態度を禁止する」といった具体的な表現を盛り込むことが考えられます。
また、指導方法に関するガイドラインを別途整備し、管理職研修に反映させることも有効です。

正論ハラスメントを防ぐための予防策

正論ハラスメントを防ぐには、事後対応だけでなく日常的な予防策が重要です。
管理職の育成、職場環境の改善、評価制度の見直しなど組織的な取り組みが求められます。

まず有効なのが管理職向け研修です。適切な指導法やコミュニケーション、ハラスメントの境界線を事例で学びます。
冷静な対応や建設的なフィードバック、相手に配慮した指導などを習得し、定期的なフォローアップで定着を図ります。

次に、職場環境の改善です。オープンな対話を促し、相談しやすい仕組みを整えることが基本です。
定期1on1や匿名意見収集、メンタル相談窓口の設置などが効果的です。

さらに、評価制度も重要です。
管理職評価に「コミュニケーション能力」「指導力」を組み込み、結果だけでなくプロセスを重視する体系を導入することで、健全な指導を促せます。

FAQ|正論ハラスメントに関するよくある質問

Q. 正しい指摘であればハラスメントにならないのでは?

A. 内容が正しくても、伝え方や態度が不適切ならハラスメントと判断され得ます。
労働施策総合推進法では「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」をパワハラと定義しており、適切な指導には人格尊重や受け入れやすい伝え方が必要です。

Q. 「ロジハラって何が悪いの?正論を言って何が問題?」と管理職に反発された時の説明方法は?

A. まず「改善点を伝えるのは大切な役割」と共感を示してから、正しい内容でも伝え方次第でハラスメントになる点を説明します。
威圧的だと心理的安全性を損なう一方、受け止めやすい伝え方は信頼関係や生産性向上につながると伝えると効果的です。

Q. 就業規則にはどのように記載すべきですか?

A. 既存のパワハラ規定に「人格を否定する表現」「執拗な追及や威圧的指導」「反論機会を与えない批判」などを禁止行為として明記します。
懲戒事由には「ハラスメントで職場環境を悪化させた場合」といった包括規定を設けると柔軟に対応できます。
併せてガイドラインや研修で周知すると実効性が高まります。

まとめ

正論ハラスメント(ロジハラ)は、発言内容が正しくても、伝え方が一方的・威圧的になることで、相手の自尊心や心理的安全性を損ない、職場の人間関係や組織の信頼性を揺るがす課題です。

とくに現代の職場では、心理的安全性の確保が生産性や離職率低下に直結するため、重要な経営課題となっています。
バックオフィス担当者には、被害者の安心感を重視した丁寧な対応と、感情に偏らない客観的な事実確認の両立が求められます。

予防策としては、管理職へのコミュニケーション研修、相談窓口やフィードバック体制の整備、評価制度の見直しなど、組織的な取り組みが効果的です。

ロジハラは単なる個人間の衝突ではなく、従業員の健康や企業全体のパフォーマンスに関わる経営上のリスクであり、安心して働ける職場づくりに向けて積極的な対応が不可欠です。

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