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経理としてキャリアを積んで10年。
日々のルーティン業務をこなす中で、将来に漠然とした不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
しかし、ただの経理経験者ではなく、「内部統制・監査対応」の経験を積んだ30代経理は、今、転職市場で非常に高い評価を受けています。
では、なぜ内部統制の経験がこれほどまでに求められているのでしょうか。
本記事では、内部統制の経験が求められる理由と、内部統制の経験を最大限に活かす方法について解説します。
経理の業務範囲は、もはや会計処理や決算業務に留まりません。
企業経営の透明性と信頼性を確保する「統制の担い手」としての役割が、経理担当者に強く求められているからです。
その背景には、2006年に施行されたJ-SOX法(金融商品取引法)や、近年のコーポレートガバナンス強化の流れがあります。
かつての内部統制は、「チェックリストを埋めて監査法人に提出する」という受け身の業務が中心でした。
しかし、現在は「業務プロセスをどう設計すればミスや不正を未然に防げるか」を考え、現場のフローに落とし込む役割が期待されています。
たとえば、経理部門が主導して、売上計上ルールの曖昧だった部署に対し、承認フローを明文化し、システム上で自動化することで、統制と効率を両立させたといったような事例は、まさに経理の役割の変化を象徴しています。
また、ガバナンス強化の流れの中で、内部統制は経理部門だけでなく、業務部門やIT部門、人事部門を巻き込む「全社横断プロジェクト」へと進化しました。
経理は「会計的なリスク視点」を持つため、プロジェクトの中核に入りやすいポジションにいます。
グループ会社全体での会計システム導入プロジェクトにおいて、経理が「内部統制要件」を定義し、監査法人との調整役を担うケースも増えています。
このような主体的かつ戦略的な役割を担える30代の経理担当者が、今、高く評価されています。
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内部統制・監査対応において、30代経理が果たす役割は極めて重要です。
統制フローの設計から運用、さらには改善までを一貫して主導できるリーダーシップが求められるからです。
しかし、その道は平坦ではありません。多くの人が直面するのが、現場部門からの抵抗感です。
「余計な手間が増える」という声に対して、いかに調整力を発揮できるかが鍵となります。
また、J-SOXの要件を「実務に落とし込む」際の、理論と現場のギャップに悩むことも少なくありません。
これらの課題を乗り越えるためには、部門間を巻き込む「説明力」と「折衝力」が不可欠です。
転職市場で高く評価されるのは、単なる法令遵守ではなく、「統制と効率化」を両立させた実績です。
たとえば、「売上承認フローの整備を現場と交渉し、紙承認からワークフローへ移行。
結果、監査指摘がゼロになっただけでなく、部門の負担も削減できた」といったエピソードは、課題解決能力と人間力を明確に示します。
このような経験は、企業の透明性を確保し、ステークホルダーからの信頼を守る上で不可欠なスキルであり、若手では担うのが難しい重要なポジションだからです。
企業が内部統制・監査対応の経験を持つ経理人材に期待するのは、単なる知識だけではありません。
「課題を発見し、解決に導いた」具体的な実績と、それを周囲に広めるリーダーシップを評価するからです。
企業が求めているのは、単なるチェック対応ではなく、不備指摘から改善策立案、そして運用定着まで一貫して携わった経験です。
なぜなら、「改善しました」という結果は一過性のものでしかないからです。
企業が評価するのは、経理担当者が持つ「課題把握力」「改善策を実行に移す力」「関係者を巻き込むリーダーシップ」といった、再現性の高いスキルです。
職務経歴書には、統制不備への対応や改善実績を具体的に記述することが重要です。
定量的な成果と定性的な成果の両方を盛り込むことで、貢献度を説得力を持って伝えられます。
このような具体的な実績こそが、実務経験を裏付け、転職活動を有利に進めるための強力な武器となります。
後編では、内部統制の経験を活かしたキャリアアップの方法を実際の事例を踏まえて紹介します。
後編は、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」のサイトにて公開中です。
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