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企業が知っておくべき「ラブハラ」対策 職場恋愛トラブルが生む新たなハラスメントの実務リスクと防止策

公開日2025/11/21 更新日2025/11/20 ブックマーク数
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企業が知っておくべき「ラブハラ」対策 職場恋愛トラブルが生む新たなハラスメントの実務リスクと防止策

職場での恋愛感情や恋愛観を背景としたトラブルが、「ラブハラ(ラブハラスメント)」として問題視されるケースが増えつつあります。
一見、個人的なやり取りのようでも、放置すれば精神的な負担や職場環境の悪化など、企業全体のリスクにつながりかねません。

本記事では、ラブハラの定義や具体的な事例、防止・相談対応のポイント、また管理部門が担うべき役割を解説します。

[ 目次 ]

ラブハラ(ラブハラスメント)とは

ラブハラスメント(ラブハラ)とは、恋愛に関する話題や価値観を相手に押し付けることや、交際状況・恋愛経験・結婚の有無を執拗に聞き出すことなどにより、相手に精神的苦痛や不快感を与える職場ハラスメントです。

その対象には、「彼氏・彼女いないの?」「いつ結婚するの?」といった発言をはじめ、恋愛・結婚に関する個人的な価値観やライフスタイルを押しつける言動全般が含まれます。​

セクハラとの違い

ラブハラとセクハラは表面的には似ていますが、根本的な違いがあります。

セクハラは、相手の意に反する性的な言動(身体的接触や性的発言など)によって職場環境を悪化させる行為です。
具体的には、性的な冗談、容姿や身体への言及などが含まれます。

対してラブハラは、恋愛感情やそれにまつわる価値観(結婚観や交際状況など)の押しつけが主な背景にあります。
性的な要素の有無や、加害意図の強弱を問わず、恋愛や結婚を強要したり価値観を押しつけたりする行為がラブハラのポイントです。​

ラブハラは何が問題なのか

ラブハラは、一見すると軽い会話や冗談のように見えても、受け手にとっては強い精神的負担となり、自己否定感や孤立感を引き起こします。
その結果、職場環境の悪化や生産性の低下、最悪の場合は離職や組織全体の信頼失墜にも直結するため、看過できない重大な問題だといえます。

精神的負担と職場環境の悪化

恋愛や結婚事情への無遠慮な言及は、当事者に強いストレスや自己否定感、社会的孤立をもたらします。
場合によっては、職場内の信頼や安心感が損なわれ、生産性やコミュニケーションも低下していきます。

こうした心理的負担は個人の問題にとどまらず、チーム全体の雰囲気や協働意識にも悪影響を及ぼします。​

コンプライアンス・法的リスク

2019年に改正され、2020年に施行された「パワハラ防止法」(正式名称:改正労働施策総合推進法)や男女雇用機会均等法の適用を受け、ラブハラは実効性のある社内措置が求められる領域と位置づけられています。
企業が対応を怠ると、行政指導の対象となったり、損害賠償責任を負ったりする可能性があります。

さらに、労働契約法や民法に基づき、精神的損害に対する賠償請求が認められるケースもあります。
法令遵守の観点からも、ラブハラは軽視できないリスク要因といえるでしょう。​

組織風土への悪影響

ハラスメントを放置すると、チームの一体感や信頼が失われ、社員のモチベーションや定着率の低下など、組織力の根本的な毀損につながります。
その悪影響は当事者だけでなく、周囲の職場全体に広がっていきます。

結果的に、組織の健全性や企業イメージまでも損なうおそれがあり、早期の対策と意識改革が不可欠です。

職場でのラブハラ発生シーン例

ラブハラは、明確な悪意がなくても、何気ない会話や冗談の中で相手に不快感やストレスを与えることがあります。
ここでは、職場で起こりやすいラブハラの発生シーンを取り上げ、どのような言動が問題となるのかを具体的に見ていきましょう。

  • 上司が部下に恋愛や結婚の状況をしつこく尋ねたり、交際や結婚、離婚歴を繰り返し話題にしたりする
  • 同僚間で、恋愛をしていない人や独身の人をばかにしたり、恋人がいないことを責め立てたりする
  • 顧客や取引先に対して、不適切に恋愛感情を示したり、私的なアプローチを行ったりする
  • 社内SNSやチャットで、プライベートな恋愛情報を収集・共有する

ラブハラを防ぐために企業が取るべき対策とは

ラブハラ(ラブハラスメント)は、発生の背景に「恋愛感情」や「価値観の違い」があるため、他のハラスメントと比べても線引きが難しいケースが少なくありません。
以下では、実務的なラブハラ防止策を3つの観点から解説します。

コミュニケーションの範囲を明確にする

職場内での会話や連絡は、「業務に必要な範囲にとどめる」という基本ルールを定めましょう。
特に、社内チャット・メール・SNSなどでのプライベートな誘いや恋愛を匂わせる発言は、本人が軽い気持ちであっても相手に負担を与える可能性があります。

過度に制限しすぎるとチームワークが損なわれるおそれもあるため、「業務目的外のやり取りを控える」など、線引きが判断しやすい基準を設けることがポイントです。

研修で“恋愛とハラスメントの境界”を共有する

ハラスメント防止研修では、パワハラやセクハラに加えて、ラブハラ特有のケースを具体例で示すことが効果的です。

たとえば、

  • 「好意を伝えただけ」と本人が思っていても、相手が断りづらい関係性ならハラスメントに該当する
  • プライベートな交際状況をしつこく尋ねる行為は、“恋愛相談”ではなくハラスメントに分類される

といった事例を共有すると、社員の理解が深まります。

社内での周知と相談体制を整える

就業規則や社内ポータルサイト、掲示板などを活用し、ラブハラを含むハラスメントの種類・注意点・相談窓口を明確に共有しましょう。
匿名で相談できるチャネルや外部窓口を設けることで、「相談しづらい」「誤解されたくない」といった不安を軽減できます。

また、恋愛や私的な交際を完全に制御することは現実的ではありません。
だからこそ、問題が起きた際に早期に声を上げられる環境づくりが重要です。

まとめ

職場恋愛や好意の表明は必ずしも違法ではありませんが、度を超えた干渉・押し付けや、拒否・無視された後の嫌がらせは明確なラインオーバーです。

管理部門は規則の整備・相談体制・社員教育を率先し、安全で公正な職場環境の構築に努めることが、ラブハラ予防・早期解決の鍵となります。

恋愛の自由と職場の秩序・人権尊重、その両立を目指す意識を、管理部門から現場、管理部門から現場への浸透が今後ますます求められるでしょう。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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