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現代法務の役割は、契約・訴訟対応といった事後的な対応に留まらず、企業の持続的な成長を支える「経営リスクの予防」に直結する戦略的な機能を果たすことにあります。
特に、事業のスピードとリスク評価の両立を図る「攻めの法務」こそが、現代の経営層が求める役割です。
従来の法務は、発生した問題の火消し役や、契約書のリーガルチェックが主な役割であると認識されがちでした。
しかし、現代ビジネスの多様なリスク、すなわち新規事業立ち上げ時の法的リスク設計、海外展開時の現地規制整理、データ利活用・AIガバナンス整備、サプライチェーン監査対応などは、従来の枠組みでは対応しきれません。
経営層が法務に期待するのは、これらの分野での「スピードとリスク評価の両立」です。
そのため、企画段階から関与し、意思決定を加速させる動きが不可欠となりました。
実際、転職市場では、上場企業でも専任法務と併用する形で「事業部直属の法務/コンプライアンス担当」を求める企業が急増しています。
これは、法務が事業部門の最も近くでリスクを把握し、迅速かつ柔軟な判断を下すことで、事業の実現可能性を高める体制を求めている証左です。
この戦略的な関与こそが、経営リスクの予防に直結し、企業の未来を担保する重要な機能となります。
この記事は二部構成になっています。こちらの記事は前編です。
経営層が法務人材に最も求めるのは、法律の専門知識を前提としつつ、「数字・事業戦略に即した判断や提案ができること」であり、具体的にはリスクや貢献度を定量化し、ビジネスを加速させる対話ができるプロフィットセンター的な視点です。
経営層は、企業の利益最大化と持続的成長に責任を負っており、法務の活動に対してもコストセンターではなく、企業価値向上に貢献する視点、すなわち貢献度を求めます。
「数字に強い」と評価される法務人材の具体的な行動は以下の通りです。
単に「法的にできません」とノーを突きつけるだけでは、事業のスピードを落とすボトルネックになりかねません。
評価される法務人材は、事業初期段階から会議に参加し、KPIや利益構造を理解したうえで、禁止ではなく「代替案」を提示します。
リスクの優先度を明確に示す“対話型”の関わり方をすることで、事業部門との共通理解を深め、事業戦略の実現に貢献する経営のパートナーとして認識され、高く評価されます。
企業価値向上に直結する法務リスクマネジメントの実務は、M&A、IPOなどの重要な成長局面において、法務がリスク分類や審査プロセスを再設計し、事業のスピードを落とさずに信頼性を高めることで、結果(期間短縮・コスト削減)という具体的な成果を出すことにあります。
企業の成長を大きく左右する局面では、法務部門の「戦略的実務能力」が試されます。
デューデリジェンス(DD)において、リスク分類・審査基準を再設計し、審査期間を半減させた例があります。
これにより、クロージングまでの時間を短縮し、買収価値の毀損を防ぐことに貢献しました。
重要契約の適切な見直しや審査指摘を回避するための体制を早期に整備し、上場準備期間の短縮を実現した事例は、経営層から極めて高い評価を得ています。
ベンチャー企業が海外法務リスクを社内法務人材に求めるのは、スピード、コスト効率、知見の蓄積、そして現地事情を踏まえた柔軟な判断を重視しているためです。
外部弁護士依存による意思決定の遅延というリスクを回避することが、海外展開における重要なリスクマネジメントです。
これらの実務において、法務リスクマネジメントの成功体験を「リスク分類・審査基準を再設計し、審査期間を半減」のように、結果(期間短縮・コスト削減)を数値で示して語れる人材は、転職市場で極めて高い評価を獲得しています。
後編では、経営層から高く評価される法務人材の特徴や、リスクマネジメント分野の求人動向、そして戦略的法務として成長するための具体的な行動指針を解説します。
後編は、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」のサイトにて公開中です。
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