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旬刊『経理情報』2026年1月10日・20日合併号(通巻No.1765)情報ダイジェスト①/税務

公開日2026/01/22 更新日2026/01/21 ブックマーク数
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旬刊『経理情報』2026年1月10日・20日合併号(通巻No.1765)情報ダイジェスト①/税務

目次本記事の内容

  1. 【税務】令和8年度与党税制改正大綱、公表─自民党・日本維新の会
  2. 【会計】期中会計基準等に関する財規改正案等、公表─ 金融庁
  3. 【金融】有価証券届出書の提出免除基準の引上げ等、報告案取りまとめ─金融審議会ディスクロージャーWG
  4. 【金融】サステナビリティ情報の開示・保証に関する報告書案、検討─ 金融審議会サステナ情報開示・保証WG
  5. 〈旬刊『経理情報』電子版のご案内〉

【税務】令和8年度与党税制改正大綱、公表─自民党・日本維新の会

去る2025年12月19日、自民党・日本維新の会は「令和8年度税制改正大綱」を公表した。令和8年度以降の税制改正の方向性を示したもの。
企業実務にかかわる主な改正事項は次のとおり。

■特定生産性向上設備等投資促進税制の創設

一定の規模の生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物およびソフトウエアで、特定生産性向上設備等(仮称)に該当するものの取得等をし、事業の用に供した場合に、特別償却(即時償却)とその取得価額の7%(建物、建物附属設備および構築物は、4%)の税額控除との選択適用ができる規定を創設する。
ただし、税額控除税額は当期の法人税額の20%を上限とし、控除限度超過額は3年間の繰越しができる。

■研究開発税制の見直し

AI、量子、半導体等に関して認定を受けた重点産業技術試験研究費の額の40%の税額控除ができる制度を創設する。
一般試験研究費に関しても、控除率の上限は維持しつつ、試験研究費の増加を促す観点からの見直しを行う。

■賃上げ促進税制

大法人向けの措置や、教育訓練費増加の上乗せ要件を廃止する。

■企業グループ間の取引に係る書類保存の特例の創設

内国法人が関連者との間で特定取引を行った場合において、その取引に関して、取引関連書類等にその取引に係る対価の額を算定するために必要な事項の記載または記録がないときは、その記載または記録がない事項を明らかにする書類を取得または作成し、保存しなければならないこととする。

■外国子会社合算税制等の見直し

租税回避と関係しない場合等の企業負担を軽減するため、解散した部分対象外国関係会社または外国金融子会社等に係る特例の創設、ペーパーカンパニー特例に係る資産割合要件について、BSに計上されている総資産の額がゼロの場合、資産割合要件の判定を不要とする措置などを講じる。

■適格請求書等保存方式に係る経過措置の見直し

適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置における控除可能割合について、次のように緩和する。

・2026年10月1日~2028年9月30日…70%

・2028年10月1日~2030年9月30日…50%

・2030年10月1日~2031年9月30日…30%

■各種手当の所得税非課税限度額の見直し

所得税非課税限度額について、マイカー通勤における通勤距離が65キロ以上の場合の引上げ、および駐車場料金の加算を行う。また、使用者から従業員への食事支給に関する経済的利益について、所得税が非課税とされる使用者の負担額の上限を月額7,500円(現行:月額3,500円)に引き上げる。

【会計】期中会計基準等に関する財規改正案等、公表─ 金融庁

去る2025年12月19日、金融庁は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等を公表した。コメント期限は2026年1月23日。

■財規等の改正案

ASBJが公表した企業会計基準37号「期中財務諸表に関する会計基準」等および実務対応報告公開草案72号「防衛特別法人税の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(案)」に伴い財務諸表等規則等について所要の改正を行うもの。
中間(連結)損益計算書の規定に「切放し法の適用に関する注記」を新設するとともに、条文中の「地方法人税」を「地方法人税、防衛特別法人税」に改正する。
2026年4月1日以後開始事業年度(連結会計年度)または中間(連結)会計期間から適用される。

■指定告示の改正案

また、「財務諸表等規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」等の一部改正(案)も公表された。
期中会計基準等を、財務諸表等規則等に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準とする改正を行うもの。
公布日より施行される。

【金融】有価証券届出書の提出免除基準の引上げ等、報告案取りまとめ─金融審議会ディスクロージャーWG

去る2025年12月18日、金融庁は第4回金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ(座長:神作裕之・学習院大学法学部教授)(以下、「本WG」という)を開催した。
これまでの議論を踏まえた報告案が示され、議論された。
主な審議事項は次のとおり。

■有価証券届出書の提出免除基準の見直し

⑴ 引上げ後の提出免除基準

スタートアップ企業等への成長資金の供給の促進という政策効果の実現を図る観点から、少額募集制度の利用可能額を引き上げたうえで存置することを前提として、提出免除基準を1億円から5億円に引き上げることが提案された。
また、提出免除基準のあり方については、継続的に検討していく旨が示された。

⑵ 少額募集制度の見直し

⑴の対応に伴い、投資者保護と開示負担のバランスに配慮した段階的な開示制度を整備するため、通常の様式に比して簡易な様式による有価証券届出書の提出を可能とする少額募集制度の利用可能額を、発行価額の総額を5億円から10億円に引き上げたうえで、同制度を存置することが提案された。

委員からは賛意が聞かれた一方で、提出免除基準をさらに引き上げるよう、「できるだけ早期に検討してほしい」との意見も聞かれた。
また、「年1回程度、政策効果の検証をしてほしい」との意見が聞かれた。

■セーフハーバー・ルールの検討

⑴ セーフハーバー・ルールの効果

民事責任に加え、課徴金納付命令や訂正報告書の提出命令もセーフハーバー・ルールの対象となる(故意犯処罰を原則とする刑事責任は対象外)。なお、民事責任については法律改正、課徴金納付命令については開示ガイドライン改正により整備する。

⑵ セーフハーバー・ルールの適用範囲

非財務情報のうちの将来情報、見積り情報、統制の及ばない第三者から取得した情報(以下、「将来情報等」)が対象となる。ただし、財務諸表に密接に関連する情報は除く。

⑶ セーフハーバー・ルールの内容・適用要件

セーフハーバー・ルールの内容・適用要件については、明確性・予見可能性を重視する観点から、非財務情報のうちの将来情報等の「合理性が確保されていると認められる場合」にはセーフハーバー・ルールが適用され、虚偽記載等の責任を負わないこととし、「合理性が確保されていると認められる場合」としては、情報開示に係る体制の整備と開示の要素を考慮し、次のように考えることが適当であるとした。

・有価証券報告書:将来情報等の前提となる事実、仮定および推論過程、情報の入手経路等に関する社内での検討・評価手続等を開示事項に追加

・確認書:経営者が非財務情報を含む開示手続を整備している旨とその実効性を確認した旨を記載事項に追加

委員からは、「過度な開示要求とならないよう配慮を」、「記載事項の真実性の担保について、引き続き具体的な検討が必要」との意見も聞かれた。

■その他

次の対応も審議された。

・株式報酬に係る開示制度

企業が自社および子会社の役員・使用人に対し、株式を交付する際の勧誘を行う場合は、上場・非上場にかかわらず、有価証券届出書の提出を不要とする。

・特定投資家私募制度

特定投資家向けの資金調達に係る勧誘対象範囲を拡大する。

■今後の方向

本WGの取りまとめの結果は、金融審議会総会で報告される。
事務局からは、この報告書案を踏まえ、来年の通常国会に改正法案の提出を予定している旨、および、有報の記載事項の整理等について、相対的に有用性が低下している事項の有無を検証し、投資者の利便性向上、企業の作成負荷軽減、両者の対話の充実などの観点から、必要に応じて、来春以降の本WGで議論するとの方向性が示された。

【金融】サステナビリティ情報の開示・保証に関する報告書案、検討─ 金融審議会サステナ情報開示・保証WG

去る2025年12月22日、金融庁は第11回金融審議会サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ(座長:神作裕之・学習院大学法学部教授)を開催した。
2025年7月に公表された中間論点整理を踏まえ、本年中を目途に結論を出すことが適当とされていたサステナビリティ情報の第三者保証制度のあり方を中心に、中間論点整理で残された論点についての検討結果を取りまとめた報告書(案)が示され、審議が行われた。
報告書案の主な内容は次のとおり。

■サステナビリティ情報の開示

中間論点整理において、引き続き検討するとしていた株式時価総額1兆円未満5,000億円以上の企業に対するSSBJ基準の適用開始時期については、2029年3月期とし、第三者保証の導入時期はその翌年(2030年3月期)とする。

■有報の提出期限の延長

中間論点整理で引き続き検討するとされていた有報の提出期限の延長については、延長を実施しない。
ただし、やむを得ない理由により、事業年度経過後3カ月以内に提出できないことも想定されることから、開示ガイドラインの改正により、有報に関する延長承認の制度を柔軟に活用できるようにする。

■サステナビリティ情報の第三者保証

⑴ 保証業務実施者に関する基本的な考え方

わが国におけるサステナビリティ情報の保証は国際基準(ISSA5000、IESSA(サステナビリティ保証に関する国際倫理基準)や国際品質マネジメント基準(ISQM1))と整合性が確保された基準に準拠して実施するものとし、こうした保証を実施できる者が監査法人であるかどうかにかかわらず保証業務実施者とすることを制度設計の基本的な考え方とする。

⑵ 保証範囲・水準、保証基準

保証範囲は、当初2年間はスコープ1・2、ガバナンスおよびリスク管理に対する第三者保証を義務づける(3年目以降は国際動向等を踏まえ今後検討)とし、保証水準は、限定的保証(合理的保証への移行の検討は行わない)とする。
保証基準等の基準のあり方については、企業会計審議会において審議し、結論を出す。

⑶ 登録要件

保証業務実施者に求められる体制整備について次のような事項を登録の要件として求めるべきである。

・業務執行責任者の設置などの人的体制整備

・品質管理部門の設置など必要な業務体制の整備

・一定の資本金や出資金などの財産的基礎

⑷ 行為規制

財務諸表監査において監査法人に求められる公認会計士法の規定を参考としながら、次のような規制を課す。

・守秘義務

・一定の非保証業務との同時提供禁止

・業務執行責任者のローテーションルール 等

⑸ 検査・監督等

保証業務の質をモニタリングする必要があることから、当面は金融庁において登録業者への検査・監督を行い、その間に自主規制機関のあり方を検討する。

⑹ エンフォースメント

 ① 行政上のエンフォースメント

保証業務実施者の法令違反等に対する行政処分(課徴金、業務改善命令等)を規定する。
また、とくに虚偽保証の場合においては課徴金制度を設けるなど、虚偽証明を行った監査法人に対する課徴金納付命令と同様の制度を設ける。

 ② 民事上のエンフォースメント

監査法人に関する虚偽証明責任と同様に、サステナビリティ情報について虚偽保証を行った場合、故意または過失がなかったことの立証責任が保証業務実施者に転換された民事責任を規定する。
なお、企業にセーフハーバー・ルールが適用される場合、保証業務実施者においても金商法上の民事責任(立証責任が転換された民事責任)を負わないものとする。

 ③ 刑事上のエンフォースメント

公認会計士法で規定されている重要な行為規制の違反に科される罰則と同様の罰則規定を設ける。

委員からは特段異論は聞かれなかった。
また、委員から、「引き続き検討するとされている時価総額5,000億円未満の企業へのSSBJ基準の適用と第三者保証の導入については、いつ頃から検討するのか」との質問に対して、事務局から「5,000億円以上の企業の適用状況をみてから検討したい」との回答があった。

■今後の方向

今後は、今回聞かれた意見を踏まえて修正したものを各委員にメール等で諮り、正式に取りまとめたものを金融審議会総会において報告する。

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