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レンタル料の勘定科目の考え方|賃借料・地代家賃・雑費の使い分けと仕訳例

公開日2026/02/01 更新日2026/01/30 ブックマーク数
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レンタル料の勘定科目の考え方|賃借料・地代家賃・雑費の使い分けと仕訳例

事業で機材や備品、会議室、車両などをレンタルする機会が多い一方、経理担当者は「どの勘定科目で処理すべきか」と迷うこともあるのではないでしょうか。
レンタル料は名称が同じでも、借りる対象や利用目的、契約期間によって適切な処理が異なります。

本記事では、レンタル料の基本的な考え方を整理したうえで、賃借料・地代家賃・雑費の使い分け、ケース別の仕訳例、実務で判断する際のポイントをわかりやすく解説します。

[ 目次 ]

レンタル料とは?

レンタル料とは、事業で機材や設備、施設などを第三者から借りて利用した際に支払う料金のことを指します。

例えば、会議用プロジェクターやイベント用音響機材の利用、車両のレンタルなどが該当し、支払ったレンタル料は原則として経費(賃借料)として処理できます。

会計上は一般的に「賃借料」などの勘定科目で費用計上し、契約期間が短期(1日〜数ヶ月程度)のものが多いのが特徴です。
状況によっては「旅費交通費」や「地代家賃」などの勘定科目を使い分けるケースもあります。

レンタルとリースの違い

レンタルとリースはどちらも物品や設備を借りる点では共通しますが、契約の性質や会計処理においていくつか重要な違いがあります。

契約期間と利用形態

レンタルは短期間(たとえば日単位・週単位・月単位)での利用を前提としており、必要な期間だけ手軽に借りられる点が特徴です。
これに対して、リースは一般に中長期(数年〜10年程度)の契約が多く、OA機器や工場設備など長期利用を目的としたものが多いです。

所有権と契約条件

レンタルではレンタル会社が物品を保有し、利用者は返却するのが基本です。
一方、リース契約では借主が指定した物品をリース会社が購入し貸し出す形となるため、契約期間中の保守・修繕義務や中途解約の可否など条件が異なります。

リースは原則として途中解約ができないケースが多いのに対し、レンタルは柔軟に解約できます。

会計処理の違い

会計処理面では、レンタル料は支払い時点で全額を費用計上するのが基本です。
一方で、リース(特にファイナンス・リース)では資産計上や減価償却が必要になるなど、処理方法が異なる場合があります。
企業がどちらを選ぶかは、資産管理や税務・財務戦略を踏まえて適切に判断することが重要です。

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レンタル料で使われる主な勘定科目一覧

レンタル料は一律に同じ勘定科目で処理するものではなく、「何を」「どの目的で」借りたのかによって使い分けます。

物品なのか、不動産なのか、会議や出張に付随するものなのかによって適切な勘定科目が異なり、処理を誤ると費用区分が不明確になるおそれがあります。
ここでは、レンタル料の処理で実務上よく使われる主な勘定科目を整理します。

賃借料

賃借料は、事業に必要な物品や機材を一時的に借りて使用する場合に広く用いられる勘定科目です。
OA機器、測定機器、イベント用備品、業務用車両(出張目的以外)など、形のある資産をレンタルするケースで使われるのが一般的です。

購入せずに一定期間だけ利用する点が特徴で、契約期間が短期である場合が多く、支払時にそのまま費用処理します。
レンタル料の中でも最も汎用的な科目といえます。

地代家賃

地代家賃は、土地や建物、スペースそのものを借りる場合に用いる勘定科目です。
レンタルオフィス、貸倉庫、月極駐車場、作業場など、不動産的な性質をもつ対象を利用する場合は、レンタル契約であっても地代家賃として処理します。

「レンタル」という名称が付いていても、実態が場所・空間の利用であれば賃借料ではなく地代家賃となる点が、実務上の判断ポイントです。

会議費

貸し会議室やセミナールームなどを会議や打ち合わせを目的としてレンタルした場合は、会議費で処理することができます。
勘定科目は支出の「目的」で判断するため、場所を借りていても、その目的が会議であれば会議費とする点が特徴です。

なお、会議に付随する軽微な飲食代を含めて処理する場合もありますが、内容や金額によっては交際費との区分が必要になることがあります。

旅費交通費

出張時に利用するレンタカーのレンタル料は、移動手段としての利用であるため、旅費交通費で処理するのが一般的です。
交通機関の利用と同様に、出張に直接関連する費用としてまとめて管理します。

一方、日常業務で使う社用車のレンタルなど、出張目的でない場合は賃借料とするなど、利用目的による切り分けが重要です。

雑費

雑費は、他の勘定科目に明確に分類しにくい少額・臨時的なレンタル料を処理する際に使われる補助的な科目です。
例えば、突発的に必要となった小型備品の短期レンタルなど、金額や頻度が少ない場合に用いられることがあります。

ただし、雑費の使用が多くなると費用の内訳が不透明になるため、継続的・金額が大きいレンタルについては、できる限り賃借料など適切な科目で処理することが望まれます。

ケース別|レンタル料の仕訳例

レンタル料は「何を借りたか」「何のために使ったか」によって勘定科目が変わります。
ここでは代表的なケース別に、実際の仕訳例で整理します。金額はわかりやすい例示として設定しています。

備品・機材をレンタルした場合

業務で必要なプロジェクター、工具、OA機器などの備品をレンタルしたケースです。
事務棚や作業機材等、形ある物品を借りて使う場合には「賃借料」で処理するのが基本です。

例:プロジェクターを1日レンタルし、税込22,000円を現金で支払った場合

借方 貸方
賃借料 22,000円 現金 22,000円

貸会議室を利用した場合

貸し会議室やセミナールームなど、会議・打合せ目的で場所を借りた場合の仕訳です。
勘定科目は「会議費」で処理するのが一般的です。

例:貸会議室利用料として税込11,000円を振込で支払った場合

借方 貸方
会議費 11,000円 普通預金 11,000円

出張でレンタカーを使った場合

出張時の移動手段としてレンタカーを利用した場合、費用は「旅費交通費」で仕訳します。
ガソリン代や駐車場代も出張に関連するなら同じ科目でまとめることが多いです。

例:出張でレンタカーを利用し、税込33,000円を現金で支払った場合

借方 貸方
旅費交通費 33,000円 現金 33,000円

レンタル料の勘定科目を判断する実務上のポイント

レンタル料は「レンタル=賃借料」と決め打ちせず、取引の実態(対象物・使い方・期間)から勘定科目を選ぶのが実務の基本です。
特に、同じ“レンタル”でも「場所を借りる」のか「物を借りる」のか、また「出張の移動手段」なのかで、科目が変わります。

レンタル対象・利用目的で判断する

まずは、何を借りたか(対象)と何のために使ったか(目的)で切り分けます。たとえば、同じ費用でも以下のように考えると判断がブレにくくなります。

レンタル内容 具体例 勘定科目
物品・機材を借りた場合 ・OA機器
・イベント機材
・工具
・業務用備品
賃借料
土地・建物・スペースを借りた場合 ・事務所
・倉庫
・月極駐車場
・作業スペース
地代家賃
会議のために場所を借りた場合 ・貸会議室
・セミナールーム
・打ち合わせ用スペース
会議費
出張の移動手段として借りた場合 ・出張時のレンタカー
・業務出張中の車両利用
旅費交通費

このように「レンタル料」という名前に引っ張られず、支出の性格(何の費用か)で勘定科目を決めると、月次の比較や費用分析もしやすくなります。

短期利用か継続利用かで考える

次に、利用期間・利用頻度の観点でチェックします。レンタルは日・週・月などの短期利用が多い一方、リースは年単位の中長期で利用する取引として整理されます。契約期間の性質によっては、勘定科目の選び方や「雑費で処理してよいかどうか」の判断にも影響します。実務上は、次の2点を押さえると判断しやすいです。

短期利用 継続利用
・イベントでの機材レンタル
・スポットでの会議室レンタル
・毎月同じ機材をレンタル
・レンタル倉庫を継続的に利用
勘定科目 賃借料、会議費 賃借料、地代家賃

短期・単発の利用の場合、原則は支払時に費用処理を行います。
勘定科目は、「賃借料」「会議費」など、目的に合わせて選びます。

一方、継続・反復して発生する利用の場合は、「雑費」でまとめると費用の中身が見えにくくなるため、内容に合う科目(賃借料・地代家賃など)を利用します。

レンタル料の処理で注意したいポイント

レンタル料は「経費にできる」だけでなく、勘定科目の選び方や期間がまたがるときの処理でつまずきやすい費目です。
後から内容が追えない・年度の費用がずれる、といった事態を防ぐために、次の観点は押さえておきましょう。

雑費に寄せすぎない

レンタル料を「雑費」で処理すること自体は問題ありませんが、頻繁に発生する支出まで雑費にまとめてしまうと、費用の中身が分かりにくくなります。

また、会計処理には一度採用した処理を継続するという考え方(継続性)があるため、継続利用が見込まれるレンタルについては、賃借料や地代家賃など、内容に即した勘定科目へ寄せて運用するのが無難です。
「頻繁に使う支出は雑費を避ける」という意識を持つことで、費用管理や説明のしやすさが高まります。

摘要(メモ)を必ず残す

レンタルは対象となる物品やサービスの幅が広く、同じ勘定科目の中でも内容が混在しやすい費用です。

後日の照会や内部管理、分析に備え、「何を」「どこで」「何の目的で」借りたのかを摘要に残しておくことで、帳簿の再現性が高まり、実務上の確認もスムーズになります。
特に賃借料や会議費で処理する場合は、摘要の記載が判断根拠として重要になります。

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年をまたぐ・前払いのときは「期間対応」を意識する

レンタル料の支払時期と利用期間が一致しない場合は、費用の帰属に注意が必要です。
例えば、利用期間が翌期にかかるにもかかわらず、当期に全額を費用計上すると、期間対応が取れず、損益が歪むおそれがあります。

原則としては、未経過分を前払費用として処理し、利用期間に応じて費用化する考え方が基本です。
なお、一定の要件を満たす場合には、短期前払費用として支払時に損金算入できる整理が認められるケースもあります。

付随費用の扱いも「中身」で判断する

レンタル料とあわせて、消耗品の購入費やオプションサービス料などが発生することも少なくありません。

このような付随費用については、明細の内容を確認したうえで、レンタル料とは別の勘定科目で処理した方が、実態に合う場合があります。
一括で処理せず、「何に対する支出か」を基準に科目を分けることで、費用の内訳が明確になり、後からの説明もしやすくなります。

まとめ

レンタル料は、名称だけで勘定科目を決めるのではなく、「何を」「どの目的で」「どの程度の期間」借りているのかという取引の実態に基づいて判断することが重要です。

物品の一時利用であれば賃借料、土地や建物であれば地代家賃、会議や出張に付随する場合は会議費や旅費交通費など、目的に応じた整理が求められます。

また、雑費は補助的な科目であり、継続的なレンタルには適しません。
期間が年をまたぐ場合の処理や摘要の記載にも注意し、説明可能性の高い会計処理を心がけましょう。

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