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経理や営業担当が日常的に扱う「領収書」ですが、その扱いを誤ると刑事事件に発展するおそれがあります。
特に「少し数字を直すだけ」「別の人の名義で発行する」といった軽い気持ちの改ざんでも、刑法上の「私文書偽造罪」や「詐欺罪」に該当する重大な犯罪です。
本記事では、領収書偽造に該当する行為例から、刑罰内容、見破り方、防止策、発覚時の対応まで、経理・総務担当者向けに詳しく解説します。
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領収書の偽造は、「作成」「改ざん」「使用」の3段階で成立します。
偽造というと「完全な自作」をイメージしがちですが、既存の領収書の一部を修正する、他者の名前を借りて発行する行為も同様に犯罪です。
それぞれ具体的な事例を確認しましょう。
実際には支払っていない取引について領収書を自作する行為は、「架空取引の証明書」を作ることになり、私文書偽造罪の典型例にあたります。
特に、店舗名や会社名を勝手に使用して「~御中」と記載するケースでは、他人名義文書を偽造したとみなされます。
経費の水増しや補助金申請で用いられることがあり、摘発事例も少なくありません。
実体のある領収書でも、金額、日付、宛名などの内容を変更すれば偽造行為になります。
たとえば、営業経費を増やすために「3,000円」を「30,000円」に書き換える、白紙領収書に自分で金額や日付を記入する行為も同様です。
金額修正が軽微でも、行為自体が犯罪とされる点に注意が必要です。
偽造や改ざんされた領収書を使って経費精算を行うと、「詐欺罪」に問われる可能性があります。
特に「虚偽と知りながら」申請や税務申告に使用した場合、会社や国を欺いたとみなされます。
個人ではなく法人の経理担当者が関与した場合、組織的な犯行としてより重く扱われる傾向があります。
領収書の偽造は軽微な違反ではなく、刑法で明確に「犯罪」として処罰の対象となります。
虚偽の文書を作るだけでなく、改ざん・使用した段階でも罪が成立します。
ここでは代表的な罪名と刑罰を整理します。
私文書偽造等は一般に“行使の目的”を要し、必ずしも“だます”に限らず、提出・提示して権利義務・事実証明に用いる意図が問題となります。
領収書の偽造を自分の利益のために行った場合でも、十分に犯罪が成立します。
さらに、偽造した領収書を実際に会社や税務署などへ提出して金銭的利益を得ようとすると、刑法246条の「詐欺罪」に問われる場合があります。
私文書偽造罪(刑法159条)は、文書が“有印/無印”などの類型により法定刑が異なります。
一般に領収書は押印や署名の有無等により、3ヶ月以上5年以下の拘禁刑となる類型(有印)に該当し得ます。
偽造・変造した領収書を提出するなどして“行使”すると、刑法161条(偽造私文書等行使)により、原則として偽造・変造と同一の刑で処罰され得ます。
詐欺罪が重なればさらに加重され、実刑判決が下るケースもあります。
金額の大小ではなく「社会的信用を害する行為」であることが重視されるため、「少額なら大丈夫」と考えるのは危険です。
組織ぐるみで領収書偽造が行われた場合、個人だけでなく会社も民事・行政上の責任を問われます。
企業法務の観点からは「共犯」や「使用者責任」が発生し、内部統制上の重大な欠陥として監査指摘を受ける可能性があります。
税務面では追徴課税(本税の更正等)や加算税等のリスクがあり、加えて業種・許認可・補助金・取引契約上の条項等によっては、取引停止や行政処分等の影響が出る場合もあります。
経理実務では、不自然な領収書をいち早く見抜くことが求められます。
最近はAI-OCRや電子処理が進んでおり、わずかな不一致でも検知できる環境が整いつつあります。
ここでは紙・電子両面でのチェックポイントを紹介します。
筆跡や印影が複数混在している、金額だけ書体や筆圧が異なる、印鑑がにじんでいるなどは要注意です。
特に日付と発行印のバランスに違和感がある場合、他の領収書から転写した可能性があります。
印刷領収書ではフォントやレイアウトのずれ、電子領収書では署名情報やQRコードの欠落を確認します。
電子データ(電子取引等)では、真実性(改ざん防止)と可視性(検索・表示)を満たす保存が必要です。
タイムスタンプや訂正削除履歴が残るシステム、または事務処理規程の整備など、複数の方法で要件を満たし得ます。
参考:Ⅱ 適用要件|国税庁
税務調査では必要に応じて取引先等への“反面調査”が行われることがあります。
反面調査で取引先側に同様の支払記録がない場合、不正が露見します。
電子帳簿保存法の普及により、取引履歴の照合は迅速化しており、発覚リスクは年々高まっています。
偽造領収書が発覚した場合、刑事だけでなく税務・企業信用のリスクが生じます。
迅速に事実確認と是正措置を取ることが、損害拡大を防ぐ鍵です。
税務上は、虚偽経費として「重加算税」や「過少申告加算税」が課されます。
過少申告加算税は一般に10%(一定部分は15%)などの枠組みがあり、調査通知前に自主的に修正申告した場合は課されないことがあります。
金額が大きい場合、刑事告発に発展することもあります。さらに、社内規定違反による懲戒処分、取引先からの信用喪失も避けられません。
疑わしいケースが発覚したら、まず社内調査委員会による事実確認を行い、証拠を保全します。
そのうえで顧問弁護士へ相談し、刑事・民事上のリスク評価を実施します。
内部通報制度の活用で、初期対応を迅速に行うことも有効です。
税務申告に虚偽があった場合、すぐに税理士や顧問事務所へ連絡し、修正申告を行いましょう。
自主修正であれば重加算税が軽減される場合もあります。
会社としては透明性を保つことで行政処分を回避できるケースもあります。
社内での不正を防ぐには、「規程・統制・意識」の三点を整えることが欠かせません。
懲戒基準と業務フローを明確化し、再発防止につなげましょう。
領収書偽造は背任行為とみなされ、懲戒解雇の対象となり得ます。
金額規模よりも「意図的な虚偽があったか」が判断基準です。
軽微な場合でも減給や出勤停止などの対応を検討する必要があります。
経費精算の承認プロセスを二重化し、上司と経理のダブルチェックを必須にします。
また、白紙領収書の使用を禁止し、データ履歴を残す電子申請型へ移行することが有効です。
クラウドシステムを導入することで、不正検知や領収書画像の改ざん防止が実現します。
自動承認フローと履歴管理により、人的チェックの限界を補えます。
毎月の経費報告の中で、領収書の不自然な特徴(同一筆跡、過剰な金額、同一日付多数)に注意を払いましょう。
従業員教育・周知を定期的に行い、倫理意識を高めることが根本的な防止策になります。
いいえ。領収書の偽造は作成行為自体が刑法違反です。
金額や内容が小さくても、行為が確認されれば刑事責任を免れません。
取引の相手方名義・店舗名義の領収書を自分で作成するのは、私文書偽造等に該当し得るため避けるべきです。
相手が領収書を発行できない事情がある場合は、社内規程に基づき「受領書」や「支払証憑(出金伝票+客観資料)」など代替証憑で処理できるか、税理士等に確認してください。
既存の領収書の金額や日付を変更した時点で違法です。
刑法159条(私文書偽造罪)または246条(詐欺罪)の対象になりえます。
私文書偽造罪(有印)の法定刑は3ヶ月以上5年以下の拘禁刑であり、それを行使(使用)した場合も同様に5年以下の拘禁刑に処されます。
領収書偽造は明確な刑事犯罪であり、「軽い経費操作」であっても法的処罰の対象になります。
企業は内部統制を徹底し、不正が起きにくい仕組みと監視体制を整えることが重要です。
経理や法務担当はAIシステムや電子承認フローを活用しながら、倫理教育と監査を両輪で進めることで、リスクを最小限に抑えられます。
不正防止の要は仕組みと意識の両面にあります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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