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ライセンス契約とは?主な種類・OEM契約との違い・契約書の記載項目までわかりやすく解説

公開日2026/01/30 更新日2026/01/29 ブックマーク数
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ライセンス契約とは?主な種類・OEM契約との違い・契約書の記載項目までわかりやすく解説

新規事業の立ち上げやブランド展開、技術活用を検討する中で、ライセンス契約の理解が必要になる場面があります。
一方で、OEM契約との違いが分かりにくかったり、契約書で定めるべき内容が整理できず、判断に迷うケースも少なくありません。

本記事は、ライセンス契約の基本的な考え方を整理したうえで、主な種類やOEM契約との違い、契約書に記載すべきポイント、ライセンス料の考え方までを実務目線でわかりやすく解説します。

[ 目次 ]

ライセンス契約とは?

ライセンス契約とは、特許・商標・著作物・意匠など知的財産権で保護される対象の利用を第三者に許諾する契約です。
許諾する側(ライセンサー)と利用する側(ライセンシー)で締結し、利用条件(範囲・期間・地域・対価など)を定めます。所有権は移転せず、あくまで使用・実施を認める点が特徴です。

ライセンス契約の目的

ライセンサー側(知的財産を提供する側)の目的

提供側の主な狙いは、知的財産をライセンス料(ロイヤリティ)として収益化することです。
自社で展開しきれない市場でも、相手先の販売力・事業基盤を通じて価値を広げられます。

ライセンシー側(知的財産を利用する側)の目的

利用側は、他社の技術・ブランド等を活用して事業立ち上げを効率化するために契約します。
ゼロからの開発・認知獲得に比べ、スピードとリスク面で優位になり得ます。

ライセンス契約とOEM契約の違い

ライセンス契約と混同されやすいものにOEM契約がありますが、両者は契約の主眼が異なります。

ライセンス契約は使用許諾を受けた側が製造・販売まで担うことが多いのに対し、OEM契約は製造を委託し、販売は委託者側が担うのが基本です(知的財産の許諾を伴わない場合もあります)。

このように、
・ライセンス契約:知的財産の「使用権」が軸
・OEM契約:製品の「製造委託」が軸
という違いを押さえておくことが、契約形態を適切に選択するうえで重要です。

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ライセンス契約の主な種類

ライセンス契約は、対象となる知的財産の種類によって内容や注意点が異なります。
以下では、実務でよく用いられる主な契約形態を整理します。

著作権ライセンス契約

著作権ライセンス契約とは、著作権によって保護される創作物の利用を第三者に認める契約です。 対象となるのは、文章、音楽、映像、イラスト、プログラムなど、人の創作活動によって生み出されたコンテンツ全般です。

実務では、ソフトウェアの使用許諾や、キャラクター・コンテンツを商品や広告に利用する場面などで多く活用されます。
利用範囲(複製・改変・二次利用の可否など)をどこまで認めるかが、契約上の重要なポイントとなります。

商標ライセンス契約

商標ライセンス契約は、登録された商標の使用を認める契約です。
商品名やサービス名、ロゴマークなど、企業やブランドを識別するための表示がライセンスの対象となります。

この契約は、ブランド力を活かした商品展開やフランチャイズ事業などで用いられることが多く、商標の使用方法や品質管理のルールを定めておかないと、ブランド価値の低下につながるおそれがあります。

そのため、単に使用を認めるだけでなく、どのような形で使用するかを細かく管理する点が特徴です。

特許ライセンス契約

特許ライセンス契約とは、特許権によって保護される技術の実施を許諾する契約です。 製品の構造や製造方法、業務プロセスなど、技術的なアイデアが対象となります。

自社で開発した技術を他社に活用してもらうことで、研究開発費を回収したり、技術の普及を進めたりする目的で締結されます。
どの製品・用途で実施できるか、独占か非独占かといった条件は、事業戦略に大きく影響します。

意匠ライセンス契約

意匠ライセンス契約は、意匠権で保護されるデザインの使用を認める契約です。
製品や建築物の形状・模様・色彩、画面表示のデザインなど、視覚的な特徴がライセンスの対象となります。

デザイン性が競争力となる製品分野では、意匠ライセンスを活用することで、他社との差別化を図りつつ、開発期間を短縮できるメリットがあります。

一方で、見た目の再現範囲や改変の可否などを曖昧にすると、権利侵害やトラブルにつながるため、使用条件を具体的に定めることが重要です。

ライセンス契約への主な記載項目

ライセンス契約は種類ごとに特徴は異なるものの、契約書に盛り込むべき基本的な項目には共通点があります。
ここでは、実務で特に重要となる代表的な記載項目を整理します。

ライセンス対象

まず明確にしておくべきなのが、どの知的財産をライセンスの対象とするのかという点です。
対象となる権利の名称や内容を具体的に示し、関連する資料や定義を含めて特定しておくことで、認識のズレを防げます。

あわせて、改良版や派生物が生じた場合に、それらを契約対象に含めるかどうかも整理しておくことが重要です。

利用範囲

ライセンスの利用範囲は、契約条件の中でも特に重要な項目です。
使用できる地域や用途、利用方法に加え、改変の可否や独占的に利用できるかどうかなどを具体的に定めます。

これらをあらかじめ限定しておくことで、想定外の利用や第三者との権利関係の衝突を防ぎやすくなります。

ロイヤリティ

ロイヤリティは、知的財産の使用に対して支払われる対価です。
定額方式とするのか、売上や利益に連動させるのかなど、算定方法と支払条件を明確にしておく必要があります。

支払時期や支払方法、未払いが生じた場合の対応も含めて定めておくことで、金銭面のトラブルを回避しやすくなります。

契約期間

ライセンス契約が有効となる期間についても、必ず明示しておくべき事項です。
開始日と終了日を具体的に定めることで、契約の継続可否や更新の判断がしやすくなります。

期間を定めない場合、利用が長期化し想定外のリスクを抱える可能性があるため、実務上は注意が必要です。

表示義務

ライセンスを受けている事実や権利者の名称を表示するかどうかについても、契約上の取り決めが必要です。
表示を認める場合には、表記方法や使用条件を限定しておくことで、ブランドイメージの毀損を防げます。

無断表示や誤解を招く表示を避けるためにも、あらかじめルールを明確にしておくことが重要です。

譲渡制限

ライセンスを受けた権利を、第三者に譲渡または再許諾できるかは重要な論点です。
原則として譲渡を認めない場合は、その旨を明確に記載しておく必要があります。

無断で第三者に利用されることを防ぐためにも、譲渡や再許諾の可否は慎重に設計すべき項目です。

契約終了

契約を終了させる条件や手続きについても、事前に定めておくことが重要です。
契約違反があった場合や、支払いが滞った場合など、解除できる要件を整理しておくことで、トラブル発生時の対応がスムーズになります。

あわせて、契約終了後に利用を継続できるかどうか、成果物の取り扱いをどうするかも確認しておく必要があります。

管轄裁判所

万が一紛争が生じた場合に備え、どの裁判所で解決を図るのかをあらかじめ定めておくのが一般的です。
具体的な裁判所名を記載することで、紛争時の手続きを明確にできます。

合意管轄を定めておくことで、予期せぬ場所で訴訟を起こされるリスクを抑えられます。

ライセンス契約のメリット・デメリット

ライセンス契約には、事業展開を加速できるメリットがある一方で、競合リスクや管理負担といった注意点も存在します。
ここでは、双方の立場からメリット・デメリットを整理します。

ライセンス契約のメリット

権利を持つ側(提供する側)にとってのメリットは、知的財産を使用させる対価としてライセンス料(ロイヤリティ)を得られることです。
自社では活用しきれない技術やブランド、コンテンツであっても、他社の販売力・事業基盤を通じて収益化できる可能性が広がります。
加えて、相手先の展開により、市場での露出が増え、結果的に認知や評価が高まることもあります。

一方、権利を利用する側にとっては、他社の技術・ブランド等を取り込むことで、開発や立ち上げの時間を短縮し、事業スピードを上げられる点が大きな利点です。
たとえば、事業に必要な技術がすでに他社の権利で保護されている場合でも、ライセンスを受けることで継続的な事業運営や新展開が可能になります。

ライセンス契約のデメリット

デメリットとしては、まず権利を持つ側にとって、相手先の事業展開が自社の領域と重なり、将来的に競合関係が生じるリスクが挙げられます。
また、利用範囲や表示、品質管理などの設計が不十分だと、ブランド価値の毀損や想定外の利用につながるおそれがあるため、契約管理の負担も無視できません。

権利を利用する側の主なデメリットは、当然ながらライセンス料の支払いが発生することです。
加えて、利用条件(地域・用途・期間・改変の可否など)に制約が付くため、思い通りに事業を展開できない場面も出てきます。
したがって、支払う対価と得られる効果のバランスを見極めたうえで、契約条件を設計することが重要です。

ライセンス料の決め方と相場

ライセンス契約において、ライセンス料(ロイヤリティ)は契約条件の中でも特に重要な要素です。

もっとも、金額や算定方法に一律のルールがあるわけではなく、権利の内容や事業への影響度を踏まえて個別に決められるのが一般的です。
ここでは、実務で押さえておきたい決め方の考え方と、参考となる相場感を解説します。

ライセンス料の決め方

ライセンス料の設定は、当事者間の協議によって決定されます。
必ずしもライセンス料を設定しなければならないわけではなく、戦略的な判断として無償とするケースもあります。

実務上は、次のような観点を総合的に考慮して金額を検討するのが一般的です。
・対象となる知的財産の種類や希少性
・その権利を利用することで見込まれる売上や利益
・類似するライセンス事例や業界慣行
・独占的に利用できるか、非独占かといった契約形態

知名度の高いブランドや、事業の中核となる技術の場合には、ライセンス料が高めに設定される傾向があります。
また、独占利用を認める場合は、非独占の場合に比べて条件が厳しくなることが少なくありません。

支払い方法については、一定額を定期的に支払う方式や、売上や数量に応じて変動する方式など、事業内容に応じて柔軟に設計されます。
いずれの場合も、金額・算定方法・支払時期を契約書に明確に記載しておくことが重要です。

ライセンス料の相場

ライセンス料には明確な「定価」が存在するわけではありませんが、過去の調査や実務データから、一定の目安となる水準は示されています。
多くのケースでは、売上に対する一定割合をライセンス料とする形が採られており、その割合は権利の種類によって幅があります。

一般的な傾向としては、
・特許権や技術ノウハウ:売上の数%程度
・商標権:比較的低めの割合
・プログラムやコンテンツ関連の著作権:やや高めの割合

といった水準が参考にされることがあります。

もっとも、同じ権利区分であっても、業界や分野によって水準は大きく異なります。
たとえば、研究開発コストが高く、技術の影響度が大きい分野では高めに設定されやすく、汎用性の高い分野では比較的抑えられる傾向があります。

このように、相場はあくまで交渉の参考材料にとどめ、自社の事業内容や契約条件に照らして個別に判断することが重要です。

まとめ

ライセンス契約は、特許・商標・著作物・意匠といった知的財産を、他社に利用させることで事業機会を広げる契約形態です。
OEM契約のような「製造委託」とは異なり、知的財産の使用許諾が中心となる点を正しく理解することが重要です。

契約を締結する際には、ライセンス対象や利用範囲、ロイヤリティ、契約期間、譲渡制限などの条件を具体的に定めることで、トラブルが防止できるでしょう。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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