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アルバイトやパートにも、有給休暇は法律上付与されます。
しかし、「週の勤務日数が少ない場合はどうなるのか」「付与日数はどう計算するのか」「休暇中の賃金はどの方法で支払うべきか」など、実務では判断に迷う場面も少なくありません。
本記事では、アルバイトの有給休暇について、付与条件・比例付与の考え方・賃金計算方法までを実務目線で整理します。
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「アルバイトだから有給休暇はない」「シフトが少ないと対象外では?」こうした誤解は少なくありません。
しかし、有給休暇は雇用形態で決まるものではありません。
アルバイトやパートであっても、法律で定められた条件を満たせば、年次有給休暇は必ず発生します。
まずは、アルバイト・パートが本当に対象になるのかという基本から整理します。
有給休暇は、正式には「年次有給休暇」といいます。
休んだ日についても賃金が支払われる制度です。
この制度は正社員だけのものではありません。
労働基準法では、アルバイトやパートであっても「労働者」に該当すれば対象と定められています。
一定の勤続期間と出勤率などの要件を満たした場合、会社は雇用形態を問わず有給休暇を付与する義務があります。
週の勤務日数や労働時間が少なくても、条件を満たせば有給休暇の権利は発生します。
アルバイトであることを理由に付与しない運用は、法令上認められていません。
アルバイトと正社員の違いは、「有給休暇があるかどうか」ではなく、「付与される日数」です。
正社員のようにフルタイムで働く場合は、原則として勤続年数に応じた日数が付与されます。
一方、アルバイト・パートは、所定労働日数や労働時間に応じて日数が比例付与されます。
週30時間以上、または週5日程度勤務している場合は、正社員と同じ基準で付与されます。
それより勤務日数が少ない場合は、週1日勤務で年1日、週2日勤務で年3日など、シフト日数に応じた日数が定められています。
有給休暇の日数は、雇用形態ではなく「実際の働き方」で決まる点がポイントです。
人事・労務担当者は、契約内容だけでなく実際の勤務実態も踏まえて管理する必要があります。
アルバイトやパートでも、一定の条件を満たせば有給休暇は法律上発生します。
確認すべきポイントは2つです。
① 6か月以上継続して勤務していること
② 出勤率が8割以上であること
この2つを満たしているかどうかが、付与の判断基準になります。
1つ目の条件は、入社日から6か月以上、継続して勤務していることです。
ここでいう「継続勤務」とは、毎月同じ日数を働くことではありません。
雇用契約が途切れずに続いている状態を指します。
多くの場合、入社から6か月が経過した日が最初の付与日になります。
その後は、原則として1年ごとに有給休暇が付与されます。
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2つ目の条件は、出勤率が8割以上であることです。
初回付与の場合、入社日から6か月間が「算定期間」となります。
2回目以降は、前回の付与日から1年間が対象です。
出勤率は、「実際に働いた日数」ではなく、「会社が労働日として定めた日(所定労働日)」に対して、どれだけ出勤したかで計算します。
業務上のけがによる休業や有給休暇の取得日は、「出勤したもの」として扱われます。
一方、自己都合の欠勤は出勤日には含まれません。
算定期間中の出勤率が8割以上であれば、有給休暇を付与する必要があります。
シフト制の場合、「勤務日が固定でないと出勤率はどう計算するのか」と疑問に思う方も多いでしょう。
出勤率は、「確定したシフト」を基準に計算します。
シフトに入っていない日は、そもそも労働義務がないため欠勤にはなりません。
たとえば、入社後6か月間で平均週3日勤務だった場合、約26週間で78日程度が所定労働日となります。
その8割にあたる63日以上出勤していれば、付与要件を満たします。
なお、1日の労働時間の長短は出勤率には影響しません。
出勤したかどうかで判断されます。
アルバイト・パートの有給休暇日数は、次の2つで決まります。
① 勤続年数(何回目の付与か)
② 働き方(所定労働日数・所定労働時間)
日数の考え方は、大きく「フルタイム相当」と「短時間勤務」の2パターンに分かれます。
週30時間以上、または週5日以上勤務している場合は、原則として正社員と同じ基準が適用されます。
初回(6か月経過時)は一般的に10日付与され、その後は勤続年数に応じて段階的に増えていきます。
週30時間未満かつ週4日以下の勤務形態では、「比例付与」が適用されます。
付与日数は、週の所定労働日数(または年間所定労働日数)に応じて決まります。
たとえば、
・週4日勤務:最大15日
・週3日勤務:最大11日
・週2日勤務:最大7日
・週1日勤務:最大3日
といったように、勤務日数に応じて上限が定められています。
フルタイムより日数は少なくなりますが、条件を満たしていれば有給休暇の権利自体は発生します。
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アルバイトが有給休暇を取得した日も、原則として賃金は支払われます。
「有給なのに無給になる」ということはありません。
ただし、どの方法で計算するかは会社のルールによって異なります。
就業規則や賃金規程、労使協定の内容を確認したうえで、勤務実態に合った方法で算定します。
有給休暇取得日の賃金(年休賃金)の計算方法は、主に次の3つです。
最も一般的なのが、取得日の所定労働時間分の賃金を支払う方法です。
時給制で勤務時間が固定されている場合は、
時給 × その日の所定労働時間
で計算します。
曜日ごとに勤務時間が異なる場合は、「本来その日に入る予定だったシフト時間」を基準にする運用が一般的です。
たとえば、火曜は5時間、金曜は3時間勤務の予定だった場合、有給を取得した曜日によって支給額は変わります。
シフトが不規則で、所定労働時間が定まりにくい場合には、「平均賃金」を用いる方法が採用されることがあります。
直近の賃金実績をもとに、平均的な1日分の賃金を算出します。
「繁忙期と閑散期で勤務時間が大きく変わる」
「毎週の勤務日数が一定でない」
といった職場では、この方法の方が実態に合いやすいのが特徴です。
ただし、算定期間や計算方法は社内ルールに従う必要があります。恣意的な運用にならないよう注意が必要です。
3つ目は、健康保険の「標準報酬月額」をもとに算出した標準報酬日額を用いる方法です。
ただし、この方法を採用するには労使協定の締結などの要件を満たしている必要があります。
会社が自由に選べるわけではないため、加入状況や社内規程を確認したうえで適用可否を判断します。
アルバイトであっても、有給休暇の取得は法律で認められた権利です。
会社が一方的に拒否することは原則できません。
また、取得理由を詳しく説明する義務もありません。
ただし例外として、その日に取得されると事業の正常な運営に支障が出る場合には、会社が取得日を変更するよう求めることがあります。
これを「時季変更」といいます。
重要なのは、有給そのものを否定できるわけではないという点です。
「アルバイトには有給がない」
「忙しいから使えない」
といった理由で取得自体を認めない運用は、適切とはいえません。
実務上は、別の日に取得できるよう調整することが前提になります。
有給休暇には使用期限があります。
付与日から2年が経過すると、未使用分は消滅します。
たとえば、2026年4月に付与された有給は、2028年3月末までに取得する必要があります。
年度内に使い切れなかった場合でも翌年度への繰り越しは可能ですが、最終的には時効で消滅する点に注意が必要です。
有給休暇の申請期限について、法律上の明確な日数指定はありません。
具体的な申請期限や手続きは、就業規則や職場ルールによります。
ただし、シフト制の場合は直前の申請では業務調整が難しくなることもあります。
トラブルを防ぐためにも、できるだけ早めに相談・申請することが望ましいでしょう。
なお、取得理由を詳しく説明する義務はありません。
週30時間以上勤務するなど、付与日数が10日以上となるアルバイト・パートには、会社に「年5日の取得義務」があります。
一方、比例付与で付与日数が10日未満の場合は、この取得義務の対象にはなりません。
アルバイト・パートであっても、年次有給休暇は法律で定められた条件を満たせば必ず付与されます。
判断基準は雇用形態ではなく、「6か月以上の継続勤務」と「8割以上の出勤」です。
付与日数や賃金の扱いは所定労働日数・時間に応じて決まるため、契約内容と勤務実態を踏まえた適切な管理が重要です。
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