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会社で働いている方の場合、12月の給料に年末調整による還付金が追加されるという方も多いでしょう。しかし、会社からの給料とは別に収入がある場合など一定の条件に該当する人は、年末調整とは別に確定申告を行う必要があります。そこで今回は、年末調整とは何かを説明した上で、どのような場合に確定申告が必要になるのかについて詳しく解説していきましょう。
目次【本記事の内容】
所得税はその年の1月1日~12月31日までの所得を基に計算されます。しかし、その年の途中においては総所得額がまだわかりませんので、所得税の確定額も不明です。そのため会社側は、従業員に給料・ボーナスを払う際に、「源泉徴収」として所得税のおおよその見積額の天引きを行います。その天引きした金額により、その年の所得税を支払うわけです。
ところが、企業側が天引きする源泉徴収は、所得税を納める際に不足しないように、当初到底した所得額をベースに算出し各種控除を考慮しない状態の金額で天引きされます。その年の総所得額がわかるのは12月です。年末に総所得額が判明することでその年に収めるべき税額も確定します。その際、源泉徴収額と実際の所得税額の間に一定の差額が発生するのが通例です。
年末調整とは、この差額の調整を行うことをいいます。年末調整により、多めに天引きされていた場合、給料にプラスして還付されますし、支払額が不足している場合は追加額を天引きされます。
しかし給料以外の個人的な所得については、会社が行う年末調整の対象外です。もしそのような所得がある場合、自分で別途確定申告を行う必要があります。確定申告を行う必要がある所得は、以下の通りです。
①利子所得・・・預貯金、公債、社債につく利子。
②配当所得・・・株式の配当金、投資信託の収益分配金など。
③不動産所得・・・土地・建物を他人に貸すことで得た所得。
④事業所得・・・個人的な事業による所得。
⑤山林所得・・・山林を伐採して得た所得、もしくは立木のまま売却して得た所得
⑥譲渡所得・・・土地や建物を売却して得た所得。
⑦一時所得・・・生命保険の一時金など、一時的に得た所得。
⑧雑所得・・・上記以外の所得。
最近では副業を認める企業も増えてきました。副業で得た所得は勤めている会社とは別の働き口ですから、所得の申告は自分で行う必要があります。
所得税額は、「所得控除」に該当する金額を差し引いた額で計算されます。したがって、所得控除として認められる金額が多いほど、負担する所得税は少なくなります。所得控除は会社が行う年末調整の際に申請できるものが多いですが、個人的に確定申告で行うべき控除項目もあります。具体的な項目は以下の通りです。
①雑損控除・・・盗難や災害などで損害が発生した際に認められる控除
②医療費控除・・・自分・配偶者の年間の医療費が。所定の額以上に達した場合に認められる控除。
③寄付金控除・・・特定公益増進法人や国・自治体に寄付を行った場合に認められる控除。
所得控除にはほかにも社会保険料控除や生命保険料控除、障害者控除、配偶者控除、扶養控除などの控除項目があります。しかし上記の3項目以外については、基本的に会社の年末調整で申請できるので確定申告の必要はありません。
税額控除にも年末調整できない項目があります。税額控除とは所得税額から差し引くことが認められている控除項目のことです。以下の税額控除を申請する場合は年末調整で申請できないので、確定申告を行う必要があります。
①配当控除・・・株式の配当を受け取る際、「総合課税」該当する所得がある場合に適用される控除項目です。総合課税とは、ほかの所得と合算した上で税金を計算する制度のことをいいます。株式の配当金や投資信託の分配金などは、配当所得として他の所得と分けられた上で源泉徴収されるのが通例です。しかし、確定申告によって「総合課税」とすることができます。
②外国税額控除・・・所得税に相当する外国税が発生している場合に適用される控除項目。国際的な二重課税を調整することを目的に、控除が認められています。
③住宅借入金等特別控除・・・住宅ローンなどを利用して、一定の条件を満たす自宅の新築や取得、増改築などを行った場合に認められる控除項目です。ただし、確定申告を行う必要があるのは1年目のみで、2年目以降は年末調整において申請できます。
給与以外の個人的な所得のある方、あるいは年末調整では申請できない所得控除、税額控除などを使いたい方は、確定申告が必要です。2019年1月1日~12月31日に生じた所得について確定申告を行う場合、2020年2月16日~3月15日が申告期間となっています。ご自身は確定申告が必要なケースに当てはまるのかどうか、早めに確認しておきましょう。
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