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2021年の年末調整はココが変わる|変更点とメリットについて

公開日2021/11/02 更新日2021/11/03 ブックマーク数
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2021年の年末調整はココが変わる|変更点とメリットについて

政府が推進する「デジタル化」は、2021年の年末調整書類にも影響が及ぶこととなりました。また、国税庁はすでに2020年から年末調整手続きの電子化を推進しており、一部企業では年末調整手続きの電子化が実施されています。

今回は、2021年の年末調整における2点の変更点をお伝えするとともに、デジタル化による年末調整業務担当者と従業員へのメリットを紹介します。

変更点①:年末調整書類への押印が不要

税務署長等に提出する源泉所得税関連書類について、2021年から従業員の「押印が不要」となりました。国税庁HPでダウンロードできる関連書類からは、すでに押印箇所が削除されています。

このため、「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」といった関連書類を受け取った従業員は、いずれの書類であっても押印する必要はありません。

念のためのおさらいとして、年末調整の対象となる人は、原則「給与所得者の扶養控除申告書」を提出している人です。給与の収入金額が2,000万円を超える人など一定の人は対象ではありません。また、申告書は給与の支払者が税務署長および市区町村長に提出します。

変更点②:年末調整手続きの電子化に伴う承認が不要

源泉徴収関連書類の電磁的提供に関する改正も行われました。申告書の書類に代えて電磁的方法を採用する場合、次の申告書に関する「税務署長の承認が不要」となりました。

電磁的方法とは、例えば国税庁または民間企業開発の年末調整システムを取り込んだパソコンを利用して、従業員に必要箇所を入力してもらう方法を指します。

2021年3月までは、扶養控除申告書などを従業員から電磁的な方法によりデータ提出してもらって税務署に提出するには、事前に税務署長の承認が必要でした。改正により、2021年4月からは税務署長の承認が不要となりました。

関連する各種申告書は以下のとおりです。

  1. 給与所得者の扶養控除等申告書
  2. 従たる給与についての扶養控除等申告書
  3. 給与所得者の配偶者控除等申告書
  4. 給与所得者の基礎控除申告書
  5. 給与所得者の保険料控除申告書
  6. 給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
  7. 所得金額調整控除申告書
  8. 退職所得の受給に関する申告書
  9. 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

国税庁では、従業員が関連書類をデータで作成し、勤務先に提供できるアプリ「年調ソフト」を無償で提供しています。

年末調整手続の電子化に向けた取組について|国税庁

多くの民間企業でも、小規模事業者向けや中小企業向けなど規模に応じたアプリを有償で提供しています。お試し期間として無料での提供もあるので、まずは導入して使い勝手を試してみるとよいのではでしょうか。

年末調整手続き電子化によるメリット

従来は担当者が従業員に申告書を手渡し、記載してもらったのちに回収する必要がありました。

不慣れな従業員がいれば書き方の説明や修正をお願いするなど申告書にまつわる業務は煩雑です。また、年末にさしかかる忙しい時期に時間を取られてしまう点もネックでした。

年末調整手続きを電子化することで、担当者・従業員双方にメリットが生じます。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

●担当者のメリット

自社の給与システムなどに取り込むことで、紙ベースの申告書の情報を入力する手間がなくなります。

電子化によって控除額が自動計算されるため、計算を間違える心配もありません。また、情報の転記ミスのリスクや控除額のチェックに取られる時間も削減され、業務効率化を図れます。

さらに、関連書類を保管するスペースの削減、従業員からの質問への対応時間の削減、申告書の配布・回収の手間がなくなるのも大きなメリットといえるでしょう。

●従業員のメリット

アプリ内の質問に答えるだけで、必要な控除申告書を簡単に作成できるメリットがあります。保険料や扶養関係の計算が自動化されるため、手書き書類よりも格段に手間が省けます。

まとめ

2021年の年末調整に関する変更点は2つです。一つは、関連書類への従業員による押印が不要になったこと。もう一つは、年末調整手続きの電子化に伴う税務署長の事前承認が不要になったことです。

年末調整にまつわる業務は煩雑で、担当者には大きな負担がかかります。これまでは、書類配布から回収までの時間的ロス、計算ミスなどのリスクを抱えていました。

デジタル化の加速に伴い、すでにデジタルによる年末調整を実施している企業もあります。未着手の企業は業務効率化に向けて、国税庁提供の無料ソフトまたは民間企業が提供する年末調整システムを活用してはいかがでしょうか。

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