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請求書管理システムの一覧
請求書管理システムを導入することで、請求書の作成から送付までの業務工程が大幅に簡素化され、手間と時間が削減されます。受け取り形式の多様性による管理の手間が軽減され、ヒューマンエラーの発生リスクも下がります。Sansan株式会社の調査*によれば、2023年10月のインボイス制度開始に向けて約9割の企業が対応を進めているものの、適格請求書の”受領”に関する準備を完了している企業はわずか2割にとどまっているようです。
インボイス制度とは、「適格請求書等保存方式」で、消費税の仕入税額控除にかかわるものです。今回は、上記の調査から、インボイス制度の現状や企業の取り組みについて解説します。
目次【本記事の内容】
記事の序盤でも触れたように、インボイス制度開始に向けて、約9割の企業が対応を進めています。しかし、適格請求書の受領に関する準備をしている企業はわずか2割です。
企業がインボイス制度開始について、とくに不安に感じている点は、請求書業務の負荷増加(38.1%)でした。取引先とのやり取りや請求書形式の変更による円滑な運用の不安(34.4%)がそれに続いています。
取引先の免税事業者への対応についても調査しており、取引先が免税事業者である場合の対応方針について、「33.9%が取引継続」「16.6%が課税事業者への転換を働きかける予定」という結果になりました。なお、49.5%は、まだ対応を決めていないようです。
以前の調査と比較して、インボイス制度への対応が順調に進んでいることが明らかになりました。しかし、適格請求書の受領に関しては、準備が不十分な企業も多く、今後の課題となりそうです。
まずは、「適格請求書発行事業者になること」です。具体的には、税務署長に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、登録を受けます。
適格請求書発行事業者になることで、自社が発行する請求書が適格請求書として認められます。取引先が支払った消費税の仕入税額控除が正常に行えるようになるためにも、適格請求書発行事業者への登録は欠かせません。
また、適格請求書発行事業者にならないと、取引先に対して消費税の二重負担を強いることにつながる可能性があります。取引先が仕入税額控除を受けられない場合、その分の負担が増加し、結果として取引関係に悪影響を及ぼすことがあるためです。
2023年10月1日から適格請求書発行事業者になるためには、当初は2023年3月末までの申請が必要でしたが、現在は2023年9月30日までに申請すれば登録可能となっています。
次のステップは、「適格請求書の交付・受領・保存ができる社内体制を整備すること」です。まずは、発行する適格請求書のフォーマット作成をする必要があります。
請求書に必要な六つの要件(発行事業者の氏名・登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価の額、消費税額、受け取り事業者の氏名)を含めたフォーマットを新しく作成しましょう。適格請求書の発行タイミングや方法(紙または電子)、担当者などを明確化したら、取引先に対して事前に通知します。
交付体制とともに、保存体制と受領体制を整備しておくことも重要です。まずは適格請求書の保存方法(紙または電子)を選定し、保存場所や管理方法を決定します。適格請求書は、法令で定められた期間、通常であれば7年間保存しなければなりません。
保存期間の確保と、期間経過後の適切な処分方法を計画します。適格請求書には機密情報が含まれるため、セキュリティ対策を施し、不正アクセスや漏洩を防ぐことも徹底しましょう。
インボイス制度に向けて、請求業務をデジタル化することはとても重要です。デジタル化により、請求書の作成から保存までの一連のプロセスが自動化され、業務の効率が大幅に向上します。手作業によるエラーや時間のロスを減らすことにも役立つでしょう。
そもそもインボイス制度では、適格請求書に特定の要件が必要です。デジタル化することで、これらの要件を正確に満たす請求書を容易に作成できます。保存と管理の簡素化や、取引先との連携強化にも役立ちます。
インボイス制度とは関係なく、ペーパーレス化そのもののメリットも大きいといえます。たとえば紙の印刷・郵送などのコストを削減し、全体的な運用コストを下げるためにも、請求業務のデジタル化が欠かせません。
紙の請求書の発行と保存に必要な資源を削減し、企業の環境への負荷を軽減することは、近年企業に求められている社会的責任を果たすためにも重要です。デジタル化のためのサービスはいくつかリリースされているため、導入のためのリサーチをするのもよいでしょう。
インボイス制度は、消費税の仕入税額控除の新しい方式で、適格請求書の発行や受領に関する業務負担の増大が予想されます。企業間取引を行う企業や個人事業主は、この制度に対応する必要があり、その内容は多岐にわたります。
インボイス制度は、消費税の仕組みを大きく変えるものであるため、新しい責任が発生するネガティブなものとして考えられがちです。しかし企業にとっては、デジタル化を進めるチャンスでもあります。制度の導入をきっかけに、今一度組織のあり方を再考してみてはいかがでしょうか。
*【調査概要】
・調査方法:オンライン上でのアンケート調査
・調査対象:請求書を取り扱う業務に携わっているビジネスパーソン1,000名
・調査期間:2023年7月6日~2023年7月10日
■参考サイト
PR TIMES|Sansan、「インボイス制度に関する実態調査」を実施
国税庁|インボイス制度の概要
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