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レジリエンス経営をご存じでしょうか。企業はときに、急速な市場ニーズの変化、社会の価値観の変化、AIのような新技術の開発とその普及といったビジネス環境の激変に直面し、経営が危機に瀕するときがあります。
また新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害のような、社会・自然環境の激変によっても企業は大きな影響を受けます。こうした危機に直面したときの対応方法として、レジリエンス経営に現在注目が集まっているのです。
今回はレジリエンス経営とは何か、それを実現するにはどうすればよいのか、について考えていきます。
レジリエンス(resilience)とは物理学、心理学などで使われている用語で、物理学では「弾力」、心理学では「問題・脅威が生じた際に適応し、成長していく力」を意味します。つまりレジリエンス経営とは、企業活動に大きな影響を与えるあらゆるリスクに柔軟に対応し、それを乗り越える強靭な組織を作る経営手法のことです。ある意味では、危機の発生を前提とした考え方といえるでしょう。
かつては企業組織を考える場合、株式会社であれば売上・利益をアップさせて企業価値を高めることが至上命令であったため、本業で高い成果を上げるための機能性、効率性が最重要視されるのが通例でした。
しかしこうした組織のあり方・考え方に大きく風穴を開けたのが、2020年から深刻化した新型コロナウイルスの感染拡大です。この事態が生じたことで、多くの企業が経営危機に直面し、コロナ禍が収まった後、いかにして経営を立て直していくかが日本企業にとって大きな課題となりました。
そこで注目されたのが、経営環境の激変とそれによる危機に適応し、受けたダメージを回復していくことを重視するレジリエンス経営の考え方です。つまり、機能性・効率性を重視したスマートな組織を作ることも大事である一方、レジリエンス力をもつ「タフさ」もまた、企業組織において重要であるとの認識が広まったのです。
危機を乗り越える力を重視したレジリエンス経営を行うには、3つのポイントがあります。
組織文化とは、組織・チーム内で共有されている価値観や暗黙のルールのことです。レジリエンス経営を実現するには、自社の組織・チーム内に「レジリエンス能力を高めよう」という認識を持った組織文化の構築が不可欠です。
組織文化は企業を取り巻く環境や保有する人的資本の内容(どのような人材が集まっているか)によっても変わりますが、最も影響を与えるのは、リーダーが示す組織としての理念であり、企業であれば経営層が打ち出す「経営理念」が該当します。
経営理念とは企業の基本的な活動方針、および最終的に目指すべき理想像を明文化したものです。社是・社訓・経営哲学といった言葉で言い表されることもあります。経営理念を社員全員で共有していくことで共通の価値観が企業組織内に生まれ、それがその企業ならではの組織文化を形成していくのです。
この組織文化のレベルでレジリエンス経営を企業内に浸透させていくことで、働く従業員がレジリエンスを重視するようになります。レジリエンス経営を実現するには、経営者・管理者が経営理念の中にレジリエンス経営の大切さを取り入れるなどして、理念レベルから企業組織内に根付かせていくことが重要といえます。
企業が危機に直面したとき、イレギュラーな業務が発生することも多いため、従業員の多くが不安・イライラを感じやすくなります。そうなると業務遂行や人間関係において問題が生じやすくもなってくるでしょう。
こうしたネガティブな状態を払拭し、危機に強い組織を作るには、社内で従業員同士、活発にコミュニケーションを取れる体制を作ることが重要です。不安を感じたときや業務上で問題・難問が生じたとき、すぐに誰かに相談できる体制があれば、対策・回復を迅速に行えます。そのためのツールとしては、コロナ禍により注目を集めたオンライン会議をはじめ、社内SNSの活用も有効です。
危機に面して企業組織を素早く、正しい方向に向かわせるためには、組織内での迅速な情報共有が欠かせません。慣れない事態が生じて組織内でミスが生じたときも、素早くそれをメンバー間で共有し、繰り返さないための知識・方法を迅速に共有できれば、組織として軌道修正を迅速に行えます。この情報共有の体制がしっかりしていれば、危機の際に生じやすい誤報・噂に惑わされることもなく、適切に事態の改善・回復に注力できます。
経営者・管理者がレジリエンス経営を重視する経営理念を打ち出しても、それに適応しようとする従業員の側に知識・理解が不足していると、組織文化へ落とし込むのに時間がかかる恐れもあります。
そのため、各従業員単位で「個人のレジリエンス能力」を高めることも重要になるでしょう。現在、従業員個々のレジリエンス能力を高める「レジリエンス研修」を実施する企業が多く、その研修実施をBtoBサービス事業として提供している企業も登場しています。
研修の方法は対面型、オンライン型など複数の方法があり、参加者に対して逆境、トラブル、ストレスに直面した際に柔軟に適応し、迅速に立ち直る力を養うためのスキル・知識を提供します。こうした研修を受けた人材が従業員内に増えれば、レジリエンス経営の実現はより早まるでしょう。もし経営者・管理者として「うちの組織はレジリエンス力が低い」と感じているなら、こうした研修に力を入れるのも1つの方法です。
レジリエンス経営を実現することで、急激な市場の変化や予期せぬ災害発生時への対応力も高まります。またそれに加えて、組織内に失敗を恐れずに物事に取り組む雰囲気が生まれ、イノベーションが生まれやすい社内風土を作りだすことも可能です。
レジリエンス経営は危機に直面したときに初めて役に立つ、というわけではなく、企業をより成長させる上でも有用です。AI開発が進むなどビジネス環境が大きく変わりつつある現在、レジリエンスの考え方は、今後より重要度が増していくのではないでしょうか。
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