詳細はこちら
サービスロゴ

もらえる!

Present!

【弁護士執筆】PFASとは? 法務向けにPFAS規制の近時の動向を解説

公開日2024/08/07 更新日2024/11/08 ブックマーク数
3

PFAS(有機フッ素化合物)とは?

この記事の筆者

牛島総合法律事務所
弁護士
猿倉 健司

牛島総合法律事務所パートナー弁護士。環境法政策学会所属。
環境・エネルギー・製造・不動産分野では、国内外の行政・自治体対応、不祥事・危機管理対応、企業間紛争、新規ビジネスの立上げ、M&A、IPO上場支援等を中心に扱う。
「不動産取引・M&Aをめぐる環境汚染・廃棄物リスクと法務」のほか、数多くの著書・執筆、講演・研修講師を行う。


牛島総合法律事務所
弁護士
加藤浩太

牛島総合法律事務所アソシエイト弁護士。
2022年弁護士登録。環境・不動産分野においては、土壌汚染、水質汚染に関する行政・自治体対応、不祥事・ 危機管理対応を中心に扱う。
その他、個人情報やデータ・プライバシー関連業務のほか、各種訴訟案件を取り扱う。

第1 PFAS(有機フッ素化合物)とは?

1. 概要

「PFAS」とは、有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称で、1万種類以上の物質があるとされています*1。 特に毒性が強いとされているPFOSおよびPFOAを中心に規制の要否が議論されてきましたが、後述のとおり国内外において徐々に規制が進んできている状況です。

2. 健康被害についての知見

PFOS/PFOAは、動物実験では、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されており、また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されています。国際がん研究機関(IARC)は、令和5(2023)年11月30日、PFOAをグループ1(ヒトに対する発がん性について十分な証拠がある場合等)に、PFOSをグループ2B(ヒトに対する発がん性の可能性について限定的な証拠がある場合等)に分類した旨を公表しました*2。

しかしながら、現在、国内における知見は確立されておらず、調査・検証の途上にあるといえます。例えば、環境省「PFOS、PFOAに関するQ&A集」*3では、「どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについてはいまだ確定的な知見はありません。」、「国内において、PFOS、PFOAの摂取が主たる要因と見られる個人の健康被害が発生したという事例は確認されておりません」と説明されています。

また、内閣府の食品安全委員会が令和6(2024)年6月25日に示した見解でも、PFOS/PFOAについて、健康影響に関する知見はまだ少なく、発がん性については「証拠は限定的」と評価するにとどめています*4。

3. 環境中での検出状況

PFASはもともと自然界に存在せず、人工的につくられる物質で、分解されにくい性質を持っているため、環境中に残留・蓄積するという性質があります。数千年にわたり分解されないため「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」とも呼ばれ、PFASが環境中に漏えいすると、河川や土壌から地下水を経由して汚染が広範囲に拡大するおそれもあります(国内におけるPFOS/PFOAの検出状況について、環境省が国内の河川や地下水への含有量を調べた結果が公表されています*5)。

lockこの記事は会員限定記事です(残り6578文字)

会員の方はログインして続きをお読みいただけます。新規登録するとManegy内で使える1,400ポイントをプレゼント!またログインして記事を読んだり、アンケートに応えたりするとポイントが貯まって、豪華景品と交換できます!

ニュースを読んでポイントGET!(公開日の翌日13時前限定で取得可能)

おすすめコンテンツ

人気記事ランキング

キャリア記事ランキング

新着動画

関連情報

マネジーポイントを貯めると各種ポイントと交換できたりカタログギフトとも交換可能です。また今なら初回特典として1400ポイントをプレゼント!

マネジーの会員登録はこちら