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去る9月30日、企業会計基準委員会は、第226回金融商品専門委員会を開催した。 金融資産の減損について、審議が行われた。主な審議事項は次のとおり。
第531回親委員会等(2024年9月10日号(№1720)情報ダイジェスト参照)にて、満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券を保有目的によって予想信用損失モデルの適用対象とするか否かを分ける事務局案に対して、金融商品の分類・測定の議論とあわせて検討すべきという意見が聞かれていた。
これを受けて、金融商品の分類・測定に関する会計基準の開発の進め方との関係を踏まえて大局的な観点での分析が行われた。
今回、事務局から、減損と分類・測定に関する組み合せによる3つの案が示された。
⑴案1
案1は次のとおり。
【減損】
満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券すべてを減損プロジェクトの対象としない
【分類・測定】
分類および測定の見直しに着手することをあわせて意思決定する
①利点
金融商品の減損と分類・測定に関してより首尾一貫した会計基準とすることができる。
②課題
課題は次のとおり。
・金融商品の分類・測定の見直しに着手することの意思決定→利害関係者の意見はさまざまであり、IFRS9号「金融商品」を取り入れた場合、金融商品の管理手法や会計処理への影響が甚大となり、多くの利害関係者から慎重に意見を聴取する必要があることから、意思決定は難しい。
・現行の金融商品会計基準等における有価証券の減損モデル
→現行のモデルは損失認識が遅い
③事務局分析
前記②課題より案1を採用しない。
⑵案2
案2は次のとおり。
【減損】
満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券を減損プロジェクトの対象とする
【分類・測定】
早期に分類および測定の見直しの着手に関する議論を開始する
①利点
現行の金融商品会計基準等における減損モデルの課題に一定程度対応したこととなるため、分類・測定に見直しに着手することをあわせて意思決定するまでの必要性はない。
②課題
貸付金代替性債券の定義の検討が課題であり、その場合、原則ベースで定義する方向性で検討を進める。
③事務局分析
前記①の理由から、案2を採用し得る。採用した場合、その他有価証券に分類される債券のうち貸付金代替性債券以外の債券に関して、早期に分類・測定の見直しに関する議論を開始する必要がある。
⑶案3
案3は次のとおり。
【減損】
満期保有目的の債券およびその他有価証券に分類される債券すべてを減損プロジェクトの対象とする
【分類・測定】
今後、分類および測定の見直しに着手するか否かを決定する
①利点
分類・測定の見直しに関して、減損プロジェクトと切り離して開発に着手するか否か決定することができる。
②課題
多くの金融機関では市場部門がリスク管理を行っており貸付金と同様の信用リスク管理体制は構築されておらず、実務負担やシステム投資によるコスト負担が生じる。
③事務局分析
分類・測定の見直しに着手するか否かを決定するにあたり、時間をかけて利害関係者の意見を聴取し、慎重に議論することができるため、案3を採用し得る。
事務局は、専門委員に、案2および案3いずれによって進めるかについて意見を求めた。 専門委員からは「プロジェクトの手戻りが少ない」として案2を支持する意見や、実務上の負担への配慮や一定の簡便法を認めるなどの前提のもと、案3を支持する意見が聞かれた。
第532回親委員会等(2024年10月1日号(№1722)情報ダイジェスト参照)で聞かれた、ステップ4(信用リスクに関するデータの詳細な整備がなされていない金融機関に適用される会計基準の開発)における債権単位での信用リスクの著しい増大の判定(SICR ) について聞かれた意見への対応について審議された。
第532回親委員会で示された、正常先の取扱いに関する3つのアプローチのうち、「①優良格付」、「②中間的な格付」、「③SICRが生じているとみなす格付」に分類するアプローチ1に関して、③の債務者に係る債権等についてSICRが生じていないと反証できる場合において、新規取引先の実行年度の取扱いの明確化を求める意見が聞かれていた。
これを踏まえ、次のウを追加する再提案がされた。
「SICRが生じているとみなす格付」に分類された債務者に係る債権等にうち、次のいずれかの場合には、SICRが生じていないと反証できる。
(ア) 債務者単位で前期末において「中間的な格付」に分類されていた場合
(イ) 債務者単位で前期末において「SICRが生じているとみなす格付」に分類されているもののSICRが生じていないと反証した場合
(ウ) 債務者単位で前期末において債権等が存在しない場合
また、常に全期間の予想信用損失に等しい額で測定するアプローチ3をオプションとする案について、賛否両方の意見が聞かれていた。これを受けて、オプションを採用する金融機関のニーズをヒアリングしたところ、強いニーズが聞かれなかったので、アプローチ3をオプションとして採用しないとの再提案がされた。
専門委員からは、反対意見は聞かれなかった。
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