【公認会計士執筆】SaaSビジネスの財務上の優位点と留意点

公開日2024/10/31 更新日2024/11/01 ブックマーク数

SaaSビジネスの財務上の優位点と留意点

自己紹介文
筆者は公認会計士として、監査法人にてIT業界を中心とした監査・IPO支援業務に従事したのちに、スタートアップ企業、上場IT企業での経験を経て、現在はシェアNo.1のクラウド受付システム「RECEPTIONIST」等のSaaSビジネスの開発・提供をする株式会社RECEPTIONISTにてCFOをしています。

目次本記事の内容

はじめに
SaaS業界の基本となるビジネスモデルの概要
SaaS事業者における収益認識の複雑さと管理方法
SaaS事業者で求められるキャッシュフロー管理
SaaS事業者における顧客獲得コスト（CAC）の最適化
SaaS事業者における解約率（チャーンレート）の管理策
SaaS事業者のLTV（顧客生涯価値）とユニットエコノミクスの活用法
SaaSビジネスにおける顧客からの評価
まとめ
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▼この記事を書いた人

川村卓哉（かわむらたくや）

株式会社RECEPTIONIST
CFO

2008年公認会計士試験合格後、会計大学院在学中に有限責任監査法人トーマツトータルサービス部門に入所。公認会計士として、監査、IPO支援、財務DD、ベンチャーサポート活動、海外勤務など幅広い業務に従事。IPOを目指す観光・民泊領域のベンチャー企業、IoTベンチャー企業にて、管理部門責任者及びCFOとして、資金調達、IPO準備（主幹事・監査法人対応を含む）、社内管理体制構築を実施。
2020年4月にプライム上場企業の株式会社エアトリに入社。執行役員として、管理本部・企業戦略部を管掌し、管理業務・IR業務を統括するとともに、投資事業にも従事し、投資先のIPO実現に向けた支援を行ってきた。2024年7月に現職へ就任。

はじめに

本稿では、昨今増加しているSaaSビジネスについて、そのビジネスモデルや財務上の優位点と留意点について解説していきます。なお、SaaS等のソフトウェアビジネスについて、日本公認会計士協会から、2022年6月30日付で、会計制度委員会研究資料第７号「ソフトウェア制作費等に係る会計処理及び開示に関する研究資料～DX環境下におけるソフトウェア関連取引への対応～」（以下、「研究資料」）が公表されています。本稿では、各用語の定義や内容など、研究資料を参考にしています。

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