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管理部門から社会を動かす挑戦と成長【CFOインタビュー : 株式会社ジンジブ常務取締役新田 圭氏】

公開日2024/11/21 更新日2025/01/10 ブックマーク数
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株式会社ジンジブで新田 圭氏インタビュー

今回は、株式会社ジンジブで常務取締役を務める新田 圭氏に、キャリアの中でのターニングポイント、仕事に対する価値観、現職の事業及び組織の魅力を伺いました。経営管理の領域で活躍する新田氏の考えに触れることで、キャリア形成のヒントを得て頂ければ幸いです。

【プロフィール】

新田 圭(にった けい)

株式会社ジンジブ
常務取締役

東京証券取引所 グロース市場(2024年11月現在)
神戸大学 発達科学部卒業
2000年4月、新卒で株式会社ワッツへ入社。その後IT周辺機器メーカーや不動産業界での経験を経て、2013年4月 株式会社やる気スイッチホールディングスに入社後、取締役に就任。現在は株式会社ジンジブの常務取締役として経営企画部を統括。

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――経歴を学生時代からお伺いできますか。

学生の頃は先生になりたくて、神戸大学の発達科学部に進学したのですが、とりあえず入った落語研究会がきっかけで落語にのめり込んでしまった大学生活でした。

大学入学は1995年で、ちょうど阪神大震災の年でした。入学した当初、大学の周りは震災の影響で何もない状況でした。そのような状況で、サークル活動では復興祭りみたいなものに協力して老人ホームなどに呼ばれることが毎週でした。そこで落語をやるのですが、観客の方に喜んでいただき、笑顔ってものすごいパワーがあるなと思える体験ができたんですよね。この感覚が今でも私の中で考え方のベースになってるなと思っています。

――没頭できるものがある大学時代だったのですね。就職活動はいかがでしたか。

サークル活動でとにかく人を笑わせることに注力していましたが、元々大学に進学した理由でもある「先生になる」という夢も持ち続けていました。しかし、就職活動に際して先生になるとしても、民間企業で世間を知る経験した方が良いと思い、民間企業を受けることにしました。ただ、何をしたいかが決まっていなかったので、学生相談所に並んでる求人票の中から1つだけを選んだところを、運よく採用いただけたので入社しました。それが100均一の株式会社ワッツという会社で、私は新卒一期生でした。

――斬新な選び方ですね。社会人になってからはどのような経験をされたのでしょうか。

株式会社ワッツには約10年在籍していました。業務としては3年間店長業務、4年目から7年間は経理・経営企画です。全くの未経験で経理になったのですが、この時に大学時代に感じた笑顔が人に与える影響をふと思い出したんです。周りをみると仕事柄仕方ないのですが、ずっと黙り込んで自分の作業を処理することに没頭している人もいて、こんな管理部門って自分にはあっていないなと思ってしまいました。

笑顔を作っていくためにも、まずはとにかく現場の会議に全部参加しようと決めました。その結果、直接現場の状況を知ろうとする経理はそれまでいなかったこともあり、現場から信頼いただけるようになって、部署は違えど一つのチームとして本当に下支えできてるなっていう実感が生まれました。

非常に良い成功体験が積めたのですが、より大きい組織でチャレンジしたいという思いが強くなり、一度目の転職をしたのですが、この時は正直失敗しました。組織も業務も出来上がっていて、良くも悪くも簡単に仕事が終わってしまい物足りなさを感じて10ヶ月で辞めました。ただ、その経験を踏まえて、それからはベンチャー企業など未整備な環境や発展途上の企業で経験を積もうと考えるようになりました。

その中で巡り合ったのがやる気スイッチグループホールディングスです。元々先生になりたいという夢があった自分にとって、教育事業を行っている会社からヘッドハントいただけたことに縁を感じ、参画しました。

入社1年で取締役に就任し、仕事内容もこれまでやってきた経理・財務を中心に、管理全般から組織拡大のための人事やシステム部署などの管掌ということで、新しいチャレンジでした。元々管理部門から会社を元気にすることがやりたいと思っていたので、広範囲に及ぶ管掌に注力するのは非常に良い機会だと感じました。

その後、やる気スイッチグループホールディングスの取締役を退任してからは、人事専任で働けるIT企業に勤めました。まずは当時120名いた社員との面談を四半期毎に実施するところから始めて組織課題を理解し、採用から人事制度設計まで組織作り全般に携わることができました。人事に集中して向き合えたのは、非常に良い経験になり、自信になりました。その後、改めて管理部門の体制構築をやりたいと思っていたところに、現職からお声がけいただき現在に至っています。

――会社規模も大小さまざまご経験されており、管理部門も広く携わっていますが、キャリアのターニングポイントやビジネスパーソンとしての基盤ができたのはどこになりますか?

1社目ですね。1社目で学ぶことって、赤ちゃんができることを増やしていくのと同じで、ビジネスパーソンとしての立ち振る舞いに染みつくものだと思います。そこで管理部門をやらせてもらって、現場と管理部門の関係性や役割分担など単純に機能としてではなく、本質的なところを実体験として学べました。

――現在の株式会社ジンジブはスカウトがきっかけで出会ったようですが、入社の決め手は何だったのでしょうか。

1番は社長の存在です。これまでずっとオーナー企業に勤めているのですが、オーナー企業の強みはやると決めた時に即断即決で動き出せるパワーだと思っています。一方で、株式会社ジンジブはオーナー企業としてのトップダウンのパワーがありつつも、経営幹部の合意形成で作るボトムアップも良い形で融合しているバランスが良い企業だなと感じました。きっと社長がご自身の強みや特性を客観的に理解しつつ、経営幹部のことを強く信頼しているからそのような関係性ができているのだと思えました。その印象は、今も変わっていません。

――入社されてからどんなミッションと向き合ってきましたか。

色々な事業を担当していましたが、今は主に経営企画として高卒支援の事業を強化しています。高卒の就職はすごく特殊で、ほとんどの都道府県で一人一社しかエントリーができません。また、求人情報は高校の先生から提供されるので、圧倒的に選択肢が限られることもあります。1社しかエントリーできないからこそ十分な情報の中で選ぶ必要があるのですが、この点が解決せれないままにこれまで成り立ってきています。この社会課題の解決は、先生になりたかった経緯があり、笑顔を作ることにやりがいを感じる私には情熱を燃やせる事業でした。

ジンジブ新田様

――人材業界の他に競合するサービスはあるのでしょうか?

ないですね。これは高校とのリレーション構築に非常に時間と労力がかかることによる参入障壁だと思います。
高校生の就職活動は、高校生が直接企業に連絡することができないことになっています。誰が企業の対応をするかというと高校の先生です。関係を構築していくために、実際に高校へ足を運ばないといけないのですが、当社はこの事業を開始して以来ずっと関係構築をしてきたので、圧倒的な高校とのリレーションがあります。

また、その結果、深く高校や先生の課題やニーズを把握しているので、付加価値の高いサービスができていると思います。
そんな中で根本的な課題を解決するには、個別相談や模擬面接などの上辺の就活支援の対応だけではなく、自らの進路を意思決定するためのキャリア教育が必要だと考えるようになり、2020年から取り組んでいます。その方針になってからは、本当の意味で若者の未来を創るためにこの事業をやっているという思いが強くなり、それまで以上にリレーション構築の強化が実現できています。年間で約1,700キャンパス程度はコンタクトを取っています。

――高校生の就職という課題解決には、先生の労働環境という課題解決も必要に思いますが、いかがでしょうか。

社会人経験のない子たちに対してキャリア教育や職業選択について教えることは、誰が取り組んだとしても非常に難易度が高いことだと思います。求人の紹介、面接の日程調整、面接対策だけでも相当な時間と労力がかかる上に、先生も万能ではありませんし、特に就職活動が得意という方も稀だと思います。そのため、当社は先生だけでは対応しきれない部分や不得意な部分を伴走しながらサポートする取り組みをしてきました。

――高校生や高校、先生向けの話が中心でしたが、採用企業も情報が少なくて高卒者の採用を知らない、やり方がわからない状況が起きていますよね。

そうなんですよ。採用企業側では、情報が少ないので求人倍率についてのミスリードなども起こりがちですね。求人が全国で約8万7千社が45万件出しているのに対して、高卒での就職者は、厚生労働省が発表している人数だけでも12~13万人います。有効求人倍率が、大卒だと約1.7倍程度ですが、高卒だと3.70倍の状況なので、高卒の方が取りにくいと認識されるんですね。ただ、実は大卒の求人倍率について、300人未満の中小企業に限定すると6倍を超えます。その偏りを当社の高卒支援で解消はできると思っています。

今までは、企業が高校に直接足を運んで、高校生への求人を紹介してもらう依頼をして先生にして回るような状況でしたが、当社には培った高校とのネットワークができているので、それをご活用いただいて、高卒者の採用活動を始めていただくのは、有効な採用戦略の1つだと思います。

高校生にとっても、合同企業説明会等のイベントなどで複数の企業から直接アピールしてもらうことで、この企業や仕事って面白いなとか、ここは興味がないなとわかるようになります。一人一社というルールが今すぐ変わることはありませんが、事前に情報収集をして最終的な自分の進路選択に反映できるところまではこれたと思っています。

今までは、先生が生徒にこれが合うんじゃないかと提案する状態だったので、提案する先生にとっても難題だと思いますし、生徒からすると選んでいるのか選ばされたのかわからない状況だったかもしれません。ちゃんと高校生たちが自分で選んで、それを先生たちが応援するという状況がもっともっと増えていけばいいですね。

――貴社の事業は社会課題をビジネスとして解決するという独自性があるので、社員で共通に持っている志や仕事上の価値観などはありますか。

私は入社して6社目になるんですが、当社について一番自信持ってるのは、一緒に働くメンバーです。ホスピタリティがすごく高くて、高校生や企業のために笑顔を作るみたいなところに強く共感しています。

その上で、できてるできてないは別として、「気づきの力」は仕事する上ですごく重要だと考えています。これはバックオフィスだけではなくて、どんな職種でも重要なので、「気づきの力」をどう発揮するかを考えて仕事をするようにということは常々伝えています。

例えば、弊社では毎朝掃除の時間を設けているんですけど、単純に綺麗にすることだけを目的にするならだったら誰でもできます。しかし、毎日、何か発見を求めて掃除することで、いつもここが汚れているけどなぜだろうかという疑問を持って、その原因を突き止めて解決するということに繋がります。気づくか気づかないかというのは、意識を持ってやっているかだけの違いで、実は誰でも取り組めます。

――これからがまだまだ楽しみな貴社ですが、管理部門の方が貴社に入社したら、経験が積めたり、力がついたりするのかお伺いできますか。

既存事業は、求められるサービスとして形はできてきたので、次はエリアを拡大していく段階です。特に地方ほど高校も高校生も困っているなと感じるので、エリア拡大は急務だと考えています。直販とともに代理店網を拡充することでスピード感もって取り組んでいきます。

また、そのための事業拡大に向けて、新卒は毎年50名単位で採用し続けています。我々は高卒の就職支援をしていますからこそ、自社の採用でも高卒者を採用しています。最年少は18歳と平均年齢がかなり若く、活気のある組織になってきていますね。

それ以外の事業では、やっぱりキャリア教育の場面は積極的に作っていかないといけないし、受け入れ側の企業に対しても高卒採用・社員教育等のリテラシーを高めてもらう取り組みも必要になってくると思っています。

最近では、採用支援だけではなくて、社内の教育研修や人事評価というものも含めた月額のサブスクリプションサービスも提供させていただいてます。

それ以外にも、当社を通じて社会に出た高卒社会人たちの人生は続いていくので、より若年層向けのキャリア教育や学びの場を作ることにも取り組みたいです。この人生の歩みに対するサービスを、当社はライフステージサービスと呼んでいます。こういったサービスに関しても、どんどん行っていきたいので、M&Aや事業提供にも挑戦したいと思っています。

事業拡大と新規事業に取り組むので、それに伴ってバックオフィスの強化も必要です。現状を改善すると同時に、余計なものを捨てるってことをやり続けて変化に抵抗感なくチャレンジできるバックオフィスにしていきたいと考えています。

社員として一つの会社組織に属する価値は、安定した収入を得られるという点もありますが、継続的に成長を実感できることが最も重要だと思います。良い意味で常にやることが増え、それに対応することで、できることが増えていく。

その結果、職位と共に視座が上がっていくことで、成長を継続的に実感できる。この成長実感がこの会社で活躍し続けようという所属意識の根源だと考えています。会社が拡大をしていくことも含めて、新たなことをやっていかないと成長実感は生まれないと思っています。常にもっと成長しなきゃとか、もっと覚悟しなきゃなみたいなことを考えています。

――成長実感を得てもらうための要素として、評価制度も重要になると思います。一方で、管理部門の評価は定量化しづらく難しいと思いますが、工夫されていることはありますか。

シンプルに、目標にどれだけ近づけたかで評価しています。重視しているのは目標設定で、半期ごとに一人ひとりと目標を決めることに時間を使い、向き合っています。特別なことをしているわけではありませんが、工夫しているとすれば、少し高い目標を本人と合意するようにしています。本人からすると背伸びを続けているので、アキレス腱が切れるんじゃないかなと思っているかもしれません(笑)。

ただ、高い目標に取り組んだことを知ってもらう場として、半期ごとにベストサポート賞というバックオフィス対象の表彰制度を作っています。

――読者のキャリア形成の参考に伺いたいのですが、これまでの経歴を振り返って、やってよかったなって思うこととか、もっとやっとけばよかったなと思うことはありますか。

ありがたいことに、新たなことに挑戦をさせてもらえる環境にずっといることができました。その環境を手放さずに挑戦し続けていると、 40代でも50代でも成長できてるなって思えるんです。今の会社に入ってからの7年がこれまでの人生の中で1番早くて、1番色々あって1番成長してると思っています。

ここに至るまでだと、やっぱりまず20代は本気で苦労した方がいいなと思います。30代になったら、その時の自分に何が足りないかを振り返って学習をする。私は30代で税理士試験の勉強もやってましたし、色々勉強する機会が30代にあったなと思っています。

その結果、40代は知識も経験も充実した状態で、新しいことにチャレンジできます。自信をもって新しい環境にチャレンジすることもできると思います。

それと、年齢問わず続けていることは、新聞を読むことと、本を読むことです。常に新しい知識をインプットし続けることが大切です。

――読者がすぐできることとして、おすすめの本を教えていただいていますが、ご紹介いただけるものはありますか。

価値観のベースになってるのはスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』です。読んでいる方は多いと思いますが、おすすめします。

――貴重なお話しありがとうございました。志高い仲間と成長実感を得ながら、高卒者の就職やキャリアアップという社会課題に向き合う株式会社ジンジブの成長が楽しみです。

ジンジブ新田様

インタビュアー
清水 悠太(しみず ゆうた)/ マーケティングDivision / 執行役員


2005年3月法政大学卒業後、株式会社MS-Japanに入社。
ベンチャー・IPO準備企業を中心とした法人営業を経験した後、キャリアアドバイザーとしてCFO、管理部長、会計士、税理士、弁護士を中心に延べ5000名のキャリア支援を経験。
現在はマーケティングDivision長/執行役員として、マーケティングと新規事業・新規サービスの開発を担当。


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