公開日 /-create_datetime-/
人事労務の業務効率化するホワイトペーパーを無料プレゼント
チェックしておきたい法令関連の情報やノウハウやヒントなど業務に役立つ情報をわかりやすくまとめた資料をご紹介します。全て無料でダウンロード可能ですので、是非ご活用ください。
近年、1on1ミーティング(以下1on1)は管理職と部下の関係を強化し、組織の安定を図る重要なツールとして導入が増えています。しかし、形骸化した1on1が課題となっていることも事実です。義務的に行われる「名ばかり1on1」や、上司が一方的に意見を押し付ける「やらされ1on1」は、逆に部下との信頼関係を悪化させるリスクを抱えています。
そこでオンラインカウンセリングやコーチングを通じて”働く人の悩み”と向き合ってきたSmart相談室が、現代の1on1の課題やその解決方法についてご紹介いたします。
株式会社パーソル総合研究所は、「職場の対話に関する定量調査」(全国の男女・正規雇用就業者(20-60歳)N=6,000)の結果を2024年3月に発表しています。
この調査では、職場内での対話的なコミュニケーションの実態やその影響、本音・本心で話せない要因・話せる要因を定量的に明らかにすることで、企業が直面するコミュニケーションの問題を解決し、従業員が互いの本音で話し合える健全な職場環境を構築するための示唆を得ることを目的にしています。
その理由について、同社のWebページにも記載がある通り、多くの部下が「上司は自分の話に興味がなさそう」と感じており、「自分への無関心」が課題となっています。さらに、私が管理職研修などで受講者と対話するなかでも、「1on1面談運用方法」に難しさを感じている管理職は少なくありません。「何のために」「何を」話す時間にするのか?が、今ひとつ理解が深まらないまま、会社からの指示でやらないといけない状況になっているのではないでしょうか?
「1on1漫談」こんな悲しい揶揄表現を何度も耳にしたことがあります。
これまでの面談では、人事考課面談が主な1対1の面談だったと記憶する読者も多いのではないでしょうか?そこでは、部下の「働きぶりに対するフィードバック」をしてきました。会社(上司)の期待値に対して、実際の働きぶりや目標達成度合いを”伝えなければならない面談”の場となっていました。
一方で、コロナ禍以降、急速な職場環境の変化による在宅ワーク導入などにより、就労者のストレス緩和やニーズ理解が面談に求められるようになりました。そういった環境変化もあり、1on1面談の有効性が世間で叫ばれはじめたことで、実施する職場が 瞬く間に広がっています。さまざまな研修先で管理職研修をするなかで、私の肌感覚にはなりますが、全てではないものの、その意図するところや運営上の注意も共有されずに曖昧な状態で「とにかく定期的に月2回面談を実施するように。」という風に管理職に伝わっているケースは少なくないようです。
1on1面談は「上司からのフィードバックによる育成の場」こういった理解は間違いではないものの、それが、「人事考課面談と同じようなもの」として受け止めてしまい、誤解を招いているのではないでしょうか?
また、上司から部下への「伝える(漫談の)場」も何度も話している内に「話すこと」が次第に枯渇してしまいます。武勇伝的自慢、「あの頃は」、「俺は・私は」、「俺ならこうする・私だったら〜」など。いずれも「矢印が自分」の話をつらつらとしてしまいがちです。話題に困り、上司は話す事が無いと感じ、部下は自分に関心を向けられていないことに呆れている。こういった状況はお互いにとって極めて後味の悪い時間となってしまいますね。
本来のテーマは、部下の目標設定、部下のキャリアパス、部下の能力開発といった話題であり、「矢印は部下」に向けられなければ、部下は育つどころか会社や仕事に対するエンゲージメントを低下させ、生産性の低下、強いては離職といった悲劇を招くことになります。そういった悲劇を招かないためにも、部下の声に耳を傾け、安心して何でも話せる場づくりについて、今一度、読者の管理職の皆さんには考えていただきたいと思っています。
では、具体的に1on1面談で、どのように話を進めて行くのか?について解説します。 読者の皆さんにとってイメージしやすいのは「PDCA」サイクルでしょう。
まずP(プラン)は「目標設定」です。部下が参加した研修で得た学びの実践や、部下の抱えるできる限り目の前のタスクをどのように達成したいのか?を、できる限り具体的に話してもらえるように関わります。人間はついつい楽な方にいってしまいます。
だからこそ、今よりもできる領域や経験を増やす、小さなストレッチした目標を部下が立てられるように「いつまでに、何をどんな感じで?」というような質問をしてみてください。決してやってはいけない事は、「強制的目標」です。管理職の立場は部下に対する強制力を持ってしまいがちです。あくまで、部下が自分で目標を設定し、「やってみたい!」考えることが大切です。
次にD(ドゥ)実際にやってみてどうだったか?そして、C(チェック)振り返りの場としての面談です。学習は、振り返りから大小さまざまな「気づき」を「教訓の言語化」をすることで、再現性が高まります。1回出来たからといって「あ〜良かった」で終わらずに、「なんで上手くいったのか?」結果は好ましくなくとも「どこまでは上手く出来たか?」「何が原因だったか?」を振り返り、教訓を得る事で、「考え抜かれた行動計画」を立てることができるようになります。
そして、A(アクション)では「考え抜かれた行動計画」をタスク化・スケジュール化をしてもらう事で、振り返りが活かされます。 こういったサイクルが、経験学習サイクル(デビットAコルブ)具体的経験→内省的観察→抽象的概念化→能動的実験にまさに当てはまります。
これらの一連のサイクルは、日々忙しく仕事に取り組む方ほど「自分で回すのは難しい」と言います。読者の皆様のなかにも、PDCAを体系的に回しながら自己成長に繋げる取り組みをし続けることは、容易ではないと感じられる方は少なくないと思います。 だからこそ、管理職(自部以外の他社)のたゆまぬ支援が必要になるのです。
部下の成長を部下のペースで。伴走者となり目標達成や能力開発の支援の場として「一緒に達成を目指す」関わりを目指してほしいと思います。また具体的な進め方としてはアジェンダの用意があると良いでしょう。
①1〜3分程度のアイスブレイク
②仕事の進捗状況のヒアリング
③プロジェクトの進捗状況の共有、伝達事項の共有
④質問
⑤ティーチング
⑥コーチング
⑦次回面談までの期待値調整
といった形で進行メニューを作成し、各セクションでテーマを絞って①〜⑦全ての工程を30分程度の時間で行い、「聴くこと」と「話すこと」を分けて関わることをお勧めします。⑤⑥に関しては5分ぐらいに設定し、もしそれ以上かかりそうであれば、そこだけ別日にて調整すると良いでしょう。
論理的な話し方、アサーティブコミュニケーション等「話し方」に関する研修は数多くありますが、「傾聴」を学ぶ機会は本当に少ないですね。傾聴には3つのレベルがあると言われています。
傾聴レベル1・・・「内的傾聴」
話を聴きながら「次に何を話すか?」「どんなアドバイスをするか?」を考えながら、話している状態です。一般的な日常会話では、この聴き方になっている事がほとんどだと思います。話を聞きつつも意識は自分に向いている。そんな状態を言います。実はこの聴き方は、考えながら話を聞いているので、聴いている方の目線は相手を見れていないんです。「聴く」という字には目が傾いて表現されているように、十分に目と心で聴く事が大切です。声なき声(表情の変化や目線など)さまざまなメッセージをキャッチ出来ていなくて50%程しか聞けていないとも言われています。
傾聴レベル2・・・「集中的傾聴」
聞き手があれこれと考えることをせず自分のことを脇に置いて、相手に集中して聴いている状態です。声のトーンの変化、間合いなど、心の機微やさまざまな感情を「ただ受け止めている」状態です。話している人は「受け止めてもらえている」と感じやすく、話した後にスッキリした感覚を持つ方も多くいらっしゃいます。私の感覚ですが、おばあちゃんに話しを聴いてもらっている感覚はこの感じかなと思っています。
傾聴レベル3・・・「全方位的傾聴」
話し手の放つ空気感やその場の雰囲気まで読んでいる状態です。話し手から感じる高揚感や焦り、不安などを感じ取り、また一緒にいる場所の環境もどこかで感じ取れていて音や光、気温といった環境要素を五感で感じ取れているのです。
読者の皆さんは日頃、どの傾聴レベルで聴いていますか?
ぜひ、傾聴レベル2以上をイメージして実践していただきたいです。
最後に、1on1面談のシチュエーションについて解説します。「1on1面談は会議室でなければならない」と決まっている訳ではありません。時には部下が失敗やトラブルなどで落ち込んでいる時があるでしょう。そんな時には、「給湯室まで行こうか?」「ちょっとコンビニや公園まで行こうか?」など、一緒に歩きながら話すことも有効です。歩調や歩幅が合い、自然と「ミラー効果」で信頼関係が構築しやすいです。
部下の落ち込み度合いが高い時やネガティブなフィードバックをしなければならない時などは、「会議室に呼ばれる」だけでストレスをかけてしまい、萎縮させてしまいかねません。営業の方ですと同行訪問の時には、自然と会話がはずむこともご経験があるのではないでしょうか?
この記事を最後までお読みいただきありがとうございます。管理職の皆様にとって組織の生産性を維持・向上をマネジメントする上で、部下の育成やパフォーマンス向上に向けた取り組みはとても重要度が高いテーマです。そのためにも、あなたらしくユニークで効果的な1on1面談スタイルづくりのヒントにしていただけたら幸いです。
もし、あなたらしい1on1面談のやり方についてなかなかイメージが湧きにくいなど、お困りであれば、(Smart相談室のような)外部の相談窓口で相談するのも良いでしょう。話しながら、考えることで納得のいく深い考察の時間が期待できますよ。
参考文献:パーソル総合研究所|「職場の対話に関する定量調査」を発表
請求書の印刷・封入作業をゼロに!電子請求書発行システム「楽楽明細」導入事例集
社員と会社の両方が幸せになる生活サポートとは?
人事給与システムPROSRV on Cloud サービス資料
オフィスステーション導入事例集
フランチャイズ契約を締結する前にチェックすべきポイントとは(加盟店の立場から)
アウトソーシングできるバックオフィス業務とは?料金相場や活用事例をご紹介
2025年の崖とは? レガシーシステムのリプレイスと対策
法定休日と所定休日の違いを徹底解説!企業が知っておくべき休日管理のポイント
エアコンを設置する時に使える「省エネエアコン普及促進事業補助金」【新潟県・柏崎市】
IPOにおけるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の重要性と労務の視点
【内定者フォロー施策】内定承諾後辞退を防ぐ 内定者フォロー施策アイデア43選
Adobe Acrobatで電子署名する方法とその見え方
契約書チェック(契約審査)の重要性とチェックを行う際のポイント
【電子署名の導入を検討中の方にオススメ!】電子署名ガイドブック
世界No.1の電子署名で業務効率化、コスト削減、セキュリティ強化を実現
FP2級は転職に有利?管理部門での活かし方を徹底解説!
ISMS認証で求められるアクセス管理、クラウドストレージにおけるポイントを解説
職場環境の改善は事業者の義務!職場環境改善のメリットや取り組み方法を解説!
多様な人材をいかす経営は企業の競争力向上につながる 経産省、「ダイバーシティレポート」を公表
経費精算を正しくできていますか?税務署にチェックされやすいポイントも紹介
公開日 /-create_datetime-/