ベトナムにおける越境ECがわかる｜基本知識や特徴・今後のポイントについて解説

公開日2025/04/18 更新日2025/04/17 ブックマーク数

目次本記事の内容

市場規模と成長性
　越境ECの動向
ベトナムにおける越境ECのメリット
　今後の展望
　ライブコマース
　B2B越境EC
　環境配慮型EC
ベトナムにおける越境ECの主なプラットフォーム
ベトナムにおける越境ECのポイント
ベトナムにおける越境ECの課題
越境EC事業に関するお悩みは専門家にご相談ください

市場規模と成長性

ベトナムの電子商取引（EC）市場は急速に拡大しています。2024年には市場規模が139億米ドル（約2兆2,350億円）に達し、年間11.21%の成長率で拡大し続け、2029年には236億5,000万米ドル（約3兆8,027億円）に達すると予測されています。
この急成長の要因として、インターネットの広範な普及とスマートフォンの利用増加が挙げられます。2023年時点で、ベトナムではインターネットの普及率が約72%に達し、スマートフォンを持つ人の割合も80%を超えています。さらに、政府の「国家デジタル経済プログラム」の推進により、地方都市や農村部でもECを利用しやすい環境が整えられつつあります。
ベトナムのEC市場は年平均成長率（CAGR）11.21%で拡大しており、東南アジアの中でも特に高い成長性を示しています。政府のデジタル経済推進政策や決済手段の多様化も、EC市場の成長を後押ししています。また、物流インフラの整備が進むことで、地方都市や農村部の消費者もECを利用しやすくなり、市場のさらなる拡大が期待されています。

越境ECの動向

ベトナムの越境EC市場もまた、著しい成長を遂げています。特に中国、日本、韓国、アメリカなどからの輸入品の需要が高まっており、Shopee、Lazada、Tikiといった大手ECプラットフォームを通じて、海外ブランドが積極的に参入しています。発送に関しても、物流インフラが整備され、越境ECにおけるスムーズな発送が可能となりつつあります。消費者は手軽に商品を受け取れる環境が整いつつあり、これが越境ECのさらなる拡大を後押ししています。
消費者の間では、品質の高い外国製品への関心が高く、特にファッション、化粧品、電子機器、健康食品などが人気を集めています。また、EC決済のデジタル化が進み、国際決済手段（クレジットカード、電子ウォレット、デジタルバンクなど）の利用が拡大していることも、越境ECの成長を支えています。この記事では、ベトナムにおける越境ECのメリットや課題をまとめています。

ベトナムにおける越境ECのメリット

ベトナムにおいて越境ECが注目を集める背景には、いくつかの要因があります。まず、国内では手に入りにくい海外製品への関心が高いことが挙げられます。特に、日本製品は品質の高さや安全性への信頼から、多くのベトナム人消費者に支持されています。また、......

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◆WRITER

弁護士小野智博（おのともひろ）
弁護士法人ファースト＆タンデムスプリント法律事務所　代表弁護士

慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のＤＸサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。国際業務を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」や、「外国人雇用マネジメントサービス」「ビザ申請サービス」などを展開している。また、ECビジネス法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約・プライバシーポリシー・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる！ECビジネスのための法律超入門」