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「また月末がやってきた…」と焦りながら伝票や請求書に追われていませんか?
月次決算は単なる事務作業ではなく、会社の経営状態を“毎月の健康診断”として示す重要なプロセスです。しかし、限られた人員や時間のなかで効率的かつ正確に進めるのは簡単ではありません。特に経理担当者にとっては、日常業務と並行して膨大な確認作業をこなす必要があり、ミスや遅延が発生しやすいのも実情です。
本記事では、そんな負担を軽減しつつ精度を高めるための「月次決算のやり方」を、5つのステップに整理して解説します。明日から実務で活用できるチェックポイントも盛り込みましたので、まずは自社の現状と照らし合わせながら一歩ずつ改善を始めてみましょう。
月次決算とは、毎月の経営成績や財務状況を確定させるために行う決算手続きのことです。
「毎月やる必要があるのか?」と感じる方もいますが、実はこの作業が経営のスピードと正確性を大きく左右します。
ここでは、月次決算の目的と重要性を改めて確認していきましょう。
月次決算には、主に次の3つの目的があります。
業績をすぐに把握するため
毎月の損益や資金状況を把握することで、経営判断をタイムリーに行うことができます。売上の傾向やコストの増減を早めに察知できるため、手遅れになる前に軌道修正が可能です。
異常値を早期発見できるようにするため
数値のずれや不自然な動きを毎月確認することで、会計処理のミスや不正の兆候を早期に発見できます。放置すれば大きな損失につながる問題を、早い段階で是正できる点は大きなメリットです。
年次決算の負担を軽減するため
月次でこまめに仕訳や集計を行っておけば、年末に一気に作業が集中することを避けられます。結果として、年次決算をスムーズかつ正確に進めることができます。
月次決算の意義は単なる「数字の確認」にとどまりません。
もし月次決算が遅れると、経営者は“過去の数字”を見ながら意思決定をせざるを得なくなり、競争環境で後れを取るリスクがあります。
逆に、月次決算を早期化すれば、現場の状況を反映した「鮮度の高い経営情報」に基づいて行動できるようになります。これにより、資金繰りの悪化や利益率低下といった課題を早期に察知し、スピーディに対応できるのです。
月次決算をスムーズに終わらせるためには、月末や月初に集中して作業するのではなく、月中から計画的に仕込みを進めておくことが重要です。日常的な処理を習慣化し、部門間の連携を早めに行うことで、月末に慌てることなく正確な数字をまとめることができます。ここでは、実務担当者が押さえておきたい「月中の習慣」と「事前準備」のポイントを解説します。
伝票入力や証憑整理を月末にまとめて処理すると、記憶違いや入力漏れが発生しやすくなります。日々の取引をできるだけ当日または翌日までに仕訳入力し、証憑(領収書・請求書など)を電子化・整理しておくことが重要です。これにより、月末に残高確認や突合作業にかかる手間を大幅に削減できます。
売上や仕入に関する請求書は、締め日から入手・確認までにタイムラグが発生しがちです。月次決算を早めるには、取引先に請求書の早期発行を依頼したり、社内の支払申請を前倒しで処理する仕組みを整えることが効果的です。また、クラウド請求システムを導入することで、発行・承認のスピードを向上させることも可能です。
経理部門だけが頑張っても月次決算は早まりません。各部署にいかに協力をしてもらうかが重要です。そこで、以下のような情報を月末になる前に、依頼・回収しておくことが肝心です。
こうした依頼を月末ギリギリにすると情報が揃わず、経理部門が深夜まで残業する原因になります。あらかじめ社内にルール化し、「〇日までに提出」を徹底することで、月末の混乱を防げます。
月次決算は「やること」が分散してしまうと、作業が煩雑になり、ミスも増えてしまいます。そこで本記事では、月次決算を5つのステップに整理し、やること/よくあるミス/効率化のヒントをセットで解説します。これを押さえれば、スムーズかつ正確に月次決算を進められるはずです。
やること
その月に発生したすべての取引を会計ソフトに入力し、領収書・請求書などの証憑と突合
よくあるミス
証憑の未回収、仕訳入力の漏れ、日付の誤り など
効率化のヒント
クラウド会計ソフトの銀行・カード連携で自動入力を活用することで、手入力作業を大幅に削減可能
やること
現金・預金残高、売掛金・買掛金残高を、実際の残高や補助簿と一致を確認
よくあるミス
不一致が出た際に原因・理由を追及せず、曖昧なまま進行
効率化のヒント
入出金の消込作業を自動化できるシステムを導入することで、照合作業の早期化が可能
やること
減価償却費、引当金、前払費用・未払費用などを月割りで計上
よくあるミス
減価償却費の計上漏れ、経過勘定科目の処理誤り
効率化のヒント
頻出する仕訳は「仕訳辞書」に登録しておくと入力スピードが大幅に向上
やること
すべての仕訳が終わったら試算表を作成。借方・貸方が一致しているか、不自然な残高がないかを確認
よくあるミス
前月や予算との比較を怠り、異常値を見落とす
効率化のヒント
BIツールと連携し、異常値を自動でハイライトする仕組みを作るとチェック精度が向上
やること
試算表を基に、経営層向けの月次報告資料(損益計算書、貸借対照表、資金繰り表など)を作成し、予実差異を分析して報告
よくあるミス
数字を並べるだけで、経営の意思決定に役立つ示唆が不足
効率化のヒント
報告書フォーマットをテンプレート化しておくと、毎月の作業スピードの向上と均質化が可能
月次決算に取り組むなかで、担当者からよく寄せられる疑問を整理しました。実務に直結するポイントを押さえて、よりスムーズに業務を進めましょう。
A. 理想的には「5営業日以内」が理想とされています。
この期間で試算表を完成させれば、経営層が迅速に状況を把握でき、タイムリーな意思決定が可能になります。ただし、業種や会社規模によっては「7〜10営業日」程度かかる場合もあります。重要なのは、毎月の締め日数を安定させ、経営に使える“鮮度の高い数字”を出せる体制を築くことです。
A. 可能ですが、「仕組み化」と「分担」が不可欠です。
経理担当者が一人でも、クラウド会計ソフトや自動仕訳機能を活用すれば、作業を効率化できます。さらに、証憑整理や経費精算の一部を現場部門に任せるなど、経理以外の社員も巻き込んだ運用にすることで、月次決算を十分に実現可能です。
ただし、業種や事業内容、売上規模によっては、経理担当者の負荷が大きすぎて、過度な残業やミスを起こすリスクがあるので、慎重な判断が必要です。
A. 不一致を放置せず、「原因を切り分ける」ことが大切です。
まずは現金・預金・売掛金・買掛金といった主要勘定から優先的に確認しましょう。補助簿や取引明細と突合することで、入力漏れや二重計上が見つかることが多いです。どうしても解決できない場合は、監査役や税理士など外部の目を借りて早期に原因を特定することが推奨されます。
A. 「数字の羅列」ではなく「経営判断に役立つストーリー」にすることが重要です。
例えば、売上や利益の増減を「顧客数」「客単価」「広告投資効果」など要因別に分解して説明すれば、経営層は具体的な打ち手をイメージできます。また、予実差異をグラフやダッシュボードで可視化することで、経営会議での活用度も格段に高まります。
月次決算を迅速かつ正確に行うことは、単なる経理のルーティンではありません。会社の「健康診断」として経営の意思決定を支える、経理部門における最重要ミッションです。
本記事で紹介したフローやチェックポイントを取り入れることで、業務を標準化・効率化し、属人化やミスを防ぐことができます。そして生まれた時間を、より付加価値の高い分析や提案業務に充てることこそが、これからの経理担当者に求められる役割です。
質の高い月次決算を継続できる体制を築くことは、自社の成長を支えるだけでなく、あなた自身の市場価値を高めることにつながります。ぜひ今日から、ひとつずつ実践してみてください。
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