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のれんの償却を巡る世界の議論と日本を巡る今後の状況 第1回 論争の原点:なぜ日本は「償却」を求めるのか、そして国内の変革の兆し

公開日2025/11/17 更新日2025/11/14 ブックマーク数
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のれんの償却を巡る世界の議論と日本を巡る今後の状況 第1回 論争の原点:なぜ日本は「償却」を求めるのか、そして国内の変革の兆し



日本・米国公認会計士・税理士 大樂 弘幸氏

TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
日本・米国公認会計士・税理士 大樂 弘幸

のれんの償却・非償却を巡る国際的議論と、M&A促進へ国内基準見直しの動き及び国際的な開示強化の動きについて解説する。


当コラムのポイント

  • 日本は「のれん」の価値が逓減するとの考え方から償却モデルを堅持している。一方、それに対する国内において新たな動きが見られる。
  • IASBは圧倒的多数で非償却モデルの維持を決定した。一方で、現状の懸念点へ対応するために新たな開示要求の議論を開始している。
  • 会計論争は「償却又は非償却」の議論から開示の透明性へと軸足を移動させている。減損テストの仮定やM&A後の実績の説明責任が企業に求められる可能性がある。

目次本記事の内容

  1. 1.はじめに:グローバルM&Aの巨大化と会計の考え方の対立
  2. 2.のれん償却の現状:日本が守り続ける「慎重な会計」の考え方と国内変革の動き

1.はじめに:グローバルM&Aの巨大化と会計の考え方の対立

 「のれん」の会計処理は、日本の企業会計基準委員会(ASBJ)をはじめ、国際的な会計ルールを決める主要な機関の間で、長年にわたり意見が対立してきたテーマです。のれんとは、企業が他の会社を買収(M&A)した際に、支払った金額が、買収した会社の持つ純資産の価値を上回った場合に計上される差額を指します。それは、ブランド力や将来の相乗効果といった、目に見えないけれど価値を生み出す「超過収益力」を表します。

 こののれんの取扱いが重要になった背景には、M&A活動の世界的規模での拡大があります。ある分析によると、2023年に発表された買収取引の合計額は3.2兆米ドルに達しており、巨額の買収プレミアムとしてのれんが計上される事例が当たり前になっています。このため、のれんの扱い方は、企業の財務体質、利益の質、そして投資家をどう守るかという点に直結する、非常に重要な問題となっています。

 会計基準設定主体が直面する根本的な問題は、のれんの「価値の寿命」に関する考え方の違いです。この違いが、……

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